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| webnews 06/06/21 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
力の限りを尽くした戦い。激闘!イタリアvs.アメリカ
FIFA WORLD CUP GERMANY 2006 第9日目ハイライト
文/中倉一志
すさまじい試合だった。そして最後まで諦めず死力を尽くした戦いだった。この日の第3試合で行われたイタリアvs.アメリカは、見るもの全ての目を釘付けにした。そして激しい戦いでありながら、予期せぬ出来事に冷静に対応し、決してゲームを壊さなかった両監督の手腕も見事だった。ドローという結果をどのように受け止めるかは、それぞれのに立場によって変わるものだが、この試合に限っては、ともに勝ち点1を積み上げた試合と言えるだろう。
なお、第1試合のポルトガルvs.イランは、ポルトガルが2−0で順当勝ち。グループリーグ突破を果たした。また、イタリアvs.アメリカに先立って行われた、同じくグループEのチェコvs.ガーナは、ガーナがチェコを破る大金星。この結果、グループEは、ドノチームにもグループリーグ突破の可能性が残されることになった。
■グループD ポルトガル代表vs.イラン代表
2006年6月17日(土)15:00キックオフ フランクフルト/FIFAワールドカップスタジアム 観衆:48000人
試合結果/ポルトガル代表2−0イラン代表(前0−0、後2−0)
得点経過/[ポルトガル]デコ(63分)、クリスチアーノ・ロナウド(80分・PK)
初のグループリーグ突破を目指すイランは初戦を黒星スタート。目標を果たすためには勝ち点3が欲しい試合。ポルトガル相手に守備の意識を高めて、少ないチャンスをものにするのが狙いだった。そういう意味では、ほぼ一方的に主導権を握ったポルトガルが得点を奪えずに前半を折り返したことは、イランの狙い通りだったのかもしれない。しかし、ポルトガルは慌てなかった。最後まで攻撃の手を緩めずに後半に2得点。順当に勝ち点3を手に入れた。
引いて守るイラン。ボールを一方的に支配して隙を狙うポルトガル。試合は静かな立ち上がりを見せた。しかし、ポルトガルの「攻め勝つ」という姿勢は序盤から強く伝わってくる。最初の決定機は13分、ノスラティのシュートがゴールを襲う。続く16分にもフィーゴからのラストパスを受けたマニシェがボレーシュート。これはイランDFに当たってクロスバーの上を越えた。その後も、29分、35分、45分とポルトガルの決定機が続く。前半はスコアレスのまま折り返したが、内容ではポルトガルが圧倒していた。
後半に入ってもポルトガルのペースは変わらず。9分にはパウレタが、10分にはクリスチアーノ・ロナウドのシュートがゴールを襲う。イランは前を向かせてもらえず、試合はハーフコートゲームのようになっている。それでも、イランは無失点で凌いでいるうちに、少しずつリズムを刻みだす。ポルトガルにとっては、この時間帯が一番危険だったかもしれない。しかし、それでも攻め続けることでポルトガルは結果を出した。
スコアが動いたのは63分。決めたのはデコ。フィーゴの真横からのパスに、ためらうことなくノートラップで右足を一閃。目にも留まらぬ豪快なシュートがゴールネットに突き刺さる。GKミルザプールはただ見送るしかなかった。これで勝負の行方はほぼ決まった。そしてポルトガルの駄目押し点は80分。フィーゴが倒されて得たPKをクリスチアーノ・ロナウドが決めた。これでイランは戦意喪失。あとはポルトガルが巧みにゲームをコントロールして試合を終わらせた。
これでポルトガルは勝ち点6。難敵がそろうグループDで、順調に2試合でグループリーグ突破を決めた。初戦のアンゴラ戦では課題の残る勝利だったが、イランとの戦いではチームが上昇気流に乗っていることを感じさせ、これからが楽しみなチームだ。一方、敗れたイランは2連敗。念願のグループリーグ突破は次回大会以降へと持ち越された。
| (ポルトガル代表) | (イラン代表) | |||||||
| GK: | リカルド | GK: | ミルザプール | |||||
| DF: | ミゲル フェルナンド・メイラ リカルド・カルバーリョ ヌーノ・バレンテ | DF: | カエビ ゴルモハマディ(88分/バクティアリザデ) レザイー ノスラティ | |||||
| MF: | コスティーニャ マニシェ(67分/ペチート) フィーゴ(88分/サブロサ) デコ(80分/ティアゴ) クリスチアーノ・ロナウド | MF: | マハダビキア ネクナム テイモーリアン マダンチ(66分/ハティビ) | |||||
| FW: | パウレタ | FW: | カリミ(65分/ザンディ) ハシェミアン | |||||
■グループE チェコ代表vs.ガーナ代表
2006年6月17日(土)18:00キックオフ ケルン/FIFAワールドカップスタジアム 観衆:45000人
試合結果/チェコ代表0−2ガーナ代表(前0−1、後0−1)
得点経過/[ガーナ]ギャン(2分)、ムンタリ(82分)
ガーナのW杯史上初ゴールが、あっという間に生まれた。左サイドに流れたアピアーのアーリークロスがゴール前正面で待ち構えるギャンへ。ギャンは胸トラップでボールをコントロールして左足を振り抜いた。大きく揺れるゴールネット。手元の時計はまだ1分10秒、今大会最速ゴールだった。チェコにしてみれば、残された時間は十分。少しも慌てる必要はなかったが、ガーナにとっては大きな勇気を手に入れた1点になった。
引き続き、攻めの姿勢で主導権を握るのはガーナ。中盤のせめぎ合いでは激しくぶつかり、セカンドボールに積極的に働きかける。そして奪ったボールは、まずは前線で待つギャン、アモアーへ。高い位置で起点を作ると、そこへ後方から押し上げる。シンプルでスピーディ。そして前に出ようという積極的な姿勢が試合の主導権を引き寄せる。この時点でボール支配率でやや上回るのはチェコ。しかし、勢いでは明らかにガーナが上だった。
そんなガーナの勢いに押されて、チェコにいつものサッカーが見られない。ロクベンツにボールが収まらず、中盤ではいつものパス回しが影を潜めた。ガーナの激しいあたりを気にしてか、初戦で大活躍を見せたロシツキは中盤の低い位置まで下がってしまい、本来のプレーを見せることが出来ない。それでも後半に入ると前がかりになって、ガーナに真っ向勝負を挑んだが、65分にウイファルシが2枚目のイエローカードを受けて退場処分に。これで崖っぷちまで追い込まれた。
ここからは数的優位になったガーナの一方的なペース。ただでさえ、そのスピードへの対応が難しいことに加え、数的不利な状況に追い込まれてしまっては、さすがのチェコも簡単には押し返せない。そして82分、アピアー、ムンタリ、ギャンの3人が細かなパス交換で右サイドを突破。最後はムンタリの左足がチェコゴールを捉えた。これで勝負あり。チェコは全く動けなくなった。その後、反撃の力をなくしたチェコに対して、何度もオフサイドを繰り返してチャンスの芽を潰したのはお愛嬌。ガーナがW杯初勝利を飾った。
「死のグループ」と呼ばれているグループE。カイザースラウテルンで行われたイタリアvs.アメリカが引き分けたため、4チーム全てにグループリーグ突破の可能性が残された。しかも、どのチームもけが人と出場停止の選手を抱え、それぞれに問題点とともに最終戦を迎えることになる。まさに「死のグループ」と呼ばれるにふさわしい最終戦。果たして、グループリーグを突破するのは、どの2チームになるのだろうか。
| (チェコ代表) | (ガーナ代表) | |||||||
| GK: | チェフ | GK: | キングストン | |||||
| DF: | グリゲラ ロゼフナル ウイファルシ(65分/退場) ヤンクロフスキ | DF: | パンツィル メンサー イリアス モハメド | |||||
| MF: | ポボルスキ(56分/スタイナー) ガラセク(46分/ポラク) プラシル(68分/シオンコ) ロシツキ ネドベド | MF: | アッド(46分/ボアテン) エシアン アピアー ムンタリ | |||||
| FW: | ロクベンツ | FW: | アモアー(80分/アッド) ギャン(85分/ピンポン) | |||||
■グループE イタリア代表vs.アメリカ代表
2006年6月17日(土)21:00キックオフ カイザースラウテルン/フリッツ・ワルター シュタディオン 観衆:46000人
試合結果/イタリア代表1−1アメリカ代表(前1−1、後0−0)
得点経過/[イタリア]ジラルディーノ(22分)、[アメリカ]オウンゴール(27分)
最後まで力の限りを尽くし、ともにチャンスを作り、そしてゴールを守りきった。めまぐるしく変わる展開に冷静に対応しながらチームのリズムを崩さず、そして、どんな状況に追い込まれてもゴールを追い求め続けた両チームの姿勢は、見るもの全てをサッカーの魅力に引き込んだ。試合は1−1のままドローに終わったが見どころ満載の好ゲーム。両チームの選手達にはスタジアムから賞賛の拍手が送られた。
伝統の安定した守備に攻撃的な姿勢を加えてきた今大会のイタリア代表。この試合でも、その攻撃的な姿勢を示すかのように、全体的に高い位置から試合をスタートさせた。ゲームを作るのは3ボランチの中央に位置するピルロ。前線からボールにプレスをかけて、奪ったボールを素早く運ぶ。アメリカも後ろには引かない。イタリア同様、高い位置からボールを狙い、奪ったボールをマクブライドにあて、そこへドノバンが絡んでサイドへ展開する。
程なく主導権を握ったのアメリカ。中盤での支配権争いに勝つと、スピーディに、そしてアグレッシブに前に出てイタリアにサッカーをさせない。それはアメリカならではの「チャレンジャースピリッツ」を体現しているようでもあった。しかし、先制点はイタリア。22分、ピルロのFKにジラルディーノが頭で合わせた。イタリアにとっては、これが最初のチャンス。それを確実にモノにして試合の主導権を手繰り寄せる。
しかし、その5分後、イタリアは痛恨のオウンゴール。さらに28分にはデ・ロッシが退場処分に。これでアメリカが息を吹き返した。再び、これでもかとアグレッシブに前に出続けるアメリカ。イタリアは守りに専念せざるを得なくなった。しかし45分、今度はアメリカのマストロエニが退場処分に。ゲームの行方は混沌としてくる。そして後半開始直後の47分には、今度はポープに2枚目のイエローカードが提示された。
ここからはイタリアのペース。しかし、イタリアの決定的なシュートにGKケラーがファインセーブを連発。決して得点を許さない。そしてアメリカも少ないながら、カウンターからゴールを目指す姿勢を最後まで捨てなかった。熾烈を極めた戦いは、やがて90分が経過。そして試合終了のホイッスルが鳴った。全ての力をぶつけ合って、ともに勝ち点1を獲得した試合だった。
| (イタリア代表) | (アメリカ代表) | |||||||
| GK: | ブッフォン | GK: | ケラー | |||||
| DF: | ザッカルド(54分/デルピエロ) ネスタ カンナバーロ ザンブロッタ | DF: | チェルンドロ ポープ(47分/退場) オニェウ ボカネグラ | |||||
| MF: | ペロッタ ピルロ デ・ロッシ(28分/退場) トッティ(35分/ガットゥーゾ) | MF: | デンプシー(62分/ビーズリー) レイナ マストロエニ(45分/退場) コンベイ(52分/コンラッド) ドノバン | |||||
| FW: | ジラルディーノ トニ(61分/イアキンタ) | FW: | マクブライド | |||||
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