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際立つ勝負強さ。イタリアが準決勝に進出
FIFA WORLD CUP GERMANY 2006 第20日 イタリア代表vs.ウクライナ代表
2006年6月30日(金)21:00キックオフ ハンブルク・FIFAワールドカップスタジアム 観衆:50000人
試合結果/イタリア代表3−0ウクライナ代表(前1−0、後2−0)
得点経過/[イタリア]ザンブロッタ(6分)、トニ(59分、69分)
文/大内孝彦
準々決勝の2試合目、ハンブルクでの戦いは伝統国のイタリアと初出場のウクライナという顔合わせとなった。
グループEを1位で通過したイタリアは、決勝トーナメント1回戦でグループFを2位通過したオーストラリアと対戦。試合後半にマテラッツィの退場で数的不利の戦いとなるも、ロスタイムにPKを得て勝利を引き寄せるという「イタリアらしい」サッカーを見せた。ここまで4試合を合わせてもわずかに1失点という「カテナチオ」ぶりを見せる勝ち上がりである。
対するウクライナはグループHをスペインに続く2位で通過。決勝トーナメント1回戦はグループGを1位で通過したスイスとスコアレスのドローとなり、PK戦の結果、準々決勝への切符を手にしている。グループリーグ初戦のスペイン戦こそ4失点の大敗を喫したが、その後は全て無失点での勝ち上がりである。
ウクライナのキックオフで開始されたこの試合、まず4分にイタリアのカモラネージがドリブルで持ち上がりミドルシュートを放つ。なかなか良い感じのシュートであったが、ポストの左へと外れてしまう。そして6分。右サイドバックのザンブロッタがトッティとのパス交換で加速。そのままドリブルで攻め上がり強烈なミドルシュートをゴール右へと放つ。GKショフコフスキーが反応して手に当てるもののコースを大きく変えることはできず、ボールはゴールネットを揺らしてイタリアが先制する。
この先制の後、イタリアは守備に重きを置いた戦い方を展開する。ボールをウクライナに預けて守備の組織を固めて攻撃はカウンター狙いという戦い方である。そしてこのイタリアの意図する通りに試合が展開して行く。
1点を追うウクライナは20分、16分にイエローカードを1枚貰っていたDFのスビデルスキーに代えてFW登録のボロベイを投入。これは攻撃力を強化する意図の交代であったと思われるのだが、守りを固めるイタリアの守備を崩すまでには至らない。結局、この後もスコアに変動は無く、さらにウクライナにとっては悪いことにDFのルソルが前半ロスタイムに負傷で交代するというおまけまでついて前半が終了する。
イタリアのトニのシュートで始まった後半だが、1点を追うウクライナが猛攻を展開する。まず49分、カリニチェンコの突破からコーナーキックを得る。1度はDFが前方へ大きくクリアされてしまうが、ティモシュクが拾い再びゴール前へとクロスボールを入れる。これにグシンがフリーで決定的なヘディングシュートを放つのだが、GKブッフォンがゴールポストに頭を当てながらもセーブして得点を許さない。
対するイタリアも55分、ゴール前でトッティがファウルを受けてフリーキックのチャンスを得る。直接ゴールを狙うかとも思われたのだが、キッカーのピルロは相手DFの裏に飛び出したグロッソに浮かせたボールで合わせるプレーを選択。しかしウクライナがしっかりとした守備を見せて得点とはならず。
そして58分。右サイドからの攻撃を仕掛けたウクライナは一度シェフチェンコが逆サイドへボールを戻す。そこからシュート性の強いボールが中央に入り、これを受けたミレフスキーが右サイドのスペースへボールを流す。イタリアの守備は中央に寄せられており、このパスを受けたグセフはGKと1対1の形。狙いすまして放ったシュートはしかしブッフォンがセーブ。さらにこのこぼれ球をカリニチェンコがシュートするものの、これもイタリアDFが体で止めてゴールを許さない。ウクライナはどうしてもイタリアの分厚い壁を打ち破れない。
直後の59分。イタリアは左サイドでコーナーキックを得る。ショートコーナーとしてトッティからクロスが入る。このボールにファーポストの位置で相手DFの前に体を入れることに成功したトニが頭で合わせる。ゴール。セリエA得点王のトニのワールドカップ初ゴールが決まりイタリアがリードを2点とした。
このトニの得点が実質的に勝敗を決したといえる。確かにウクライナは良いチームだが、鉄壁ともいえる守備を見せるイタリア相手に2点を取るというのはあまりにも難しい仕事だった。この後も何度かイタリアのゴールへと迫る場面を見せたウクライナだが、得点を奪うには至らず。試合は今後の事も考えたと思われる68分の選手交代、69分のトニの3点目とイタリアのペースで終始し、3−0というスコアで試合終了のホイッスルとなった。
こうして、終わってみれば3−0とイタリアが快勝したこの試合だが、2箇所ほど試合の分岐点となった場面があったと思われる。一つは、イタリアの先制した場面。確かにザンブロッタのシュートは強烈なものであったが、ウクライナのマークが甘かったのもまた事実。考えてみれば2分前のカモラネージのシュートの時にもマークは甘く、ミドルシュートに対するケアという点でウクライナに問題があったといえるのではないか。
もう一つは後半開始直後にウクライナが攻勢を掛けた場面。ウクライナがここで1点を返していれば、その後の展開がまた違うものになったことは間違いない。しかしこのウクライナの猛攻を守備陣の頑張りでしのぎきり、逆にセットプレーから1点を追加したことにより、試合の流れがイタリアに決定的なものとなった。こういった試合の勘所を的確に押さえることができるかどうか。この部分にイタリアの勝負強さとウクライナの若さが垣間見えたといえるだろう。
ともあれ、初出場のウクライナの戦いは終了し、伝統国のイタリアは4度目の頂点に向けての戦いを継続してゆくこととなった。イタリアの次の対戦相手は開催国のドイツ。派手さは無いが激戦が予想される。
| (イタリア代表) | (ウクライナ代表) | |||||||
| GK: | ブッフォン | GK: | ショフコフスキー | |||||
| DF: | グロッソ、カンナバーロ、バルザリ、ザンブロッタ | DF: | ネスマチニー、ルソル(47分+/ワシュク)、スビデルスキー(20分/ボロベイ) | |||||
| MF: | ガットゥーゾ(77分/ザッカルド)、トッティ、カモラネージ(68分/オッド)、ペロッタ、ピルロ(68分/バローネ) | MF: | ティモシチュク、シェラエフ、グセフ、グシン、カリニチェンコ | |||||
| FW: | トニ | FW: | シェフチェンコ、ミレフスキー(72分/ビエリク) | |||||
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