topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 webnews 06/07/05 (水) <前へ次へindexへ>
ドイツ、大声援をバックに4強へ!
FIFA WORLD CUP GERMANY 2006 準々決勝 ドイツ代表vs.アルゼンチン代表

2006年6月30日(金)21:00キックオフ ハンブルク・FIFAワールドカップスタジアム 観衆:72,000人
試合結果/ドイツ1−1アルゼンチン(前0−0、後1−1、延長前半0−0、延長後半0−0)PK4−2
得点経過/[アルゼンチン]アジャラ(49分)、[ドイツ]クローゼ(80分)


文/貞永晃二

 7月9日決勝が行われる地ベルリンで大会ホスト国は難敵アルゼンチンを倒した。それは先制された苦しい試合を必死に追いつき延長、そしてPK戦を乗り越えた厳しい戦いだった。

 思えば4年前の韓日大会では幸運にも恵まれブラジルに次ぐ準優勝を遂げたドイツ。90年イタリア大会以来の優勝がうっすらだが見え始めた準々決勝。相手は16年前の決勝の相手アルゼンチンだ。

 クリンスマン監督がこれしかない11人を並べてきたのに対し、ペケルマン監督はドイツの長身選手たちを意識してか、右DFにスカローニに代え本来はCBであるコロッチーニを、MFにもカンビアッソではなくゴンサレスを起用してきた。アタッカーにもサビオラに代え好調テベスを置き彼のドリブルに期待をかける。



 キックオフ。闘志を前面に押し出し激しいチェックを仕掛けあう両チーム。アルゼンチン攻撃の重鎮リケルメにはとりわけ激しいプレッシングが襲い掛かる。早くも3分にポドルスキにイエローカードが示される。そして試合展開はファウルでしばしば途切れてしまう。

 ポドルスキの左足FKが低くアルゼンチンゴールを襲いGKアボンダンシエリのファンブルを誘うが何とか事なきを得る。そしてスルスルとゴール前に現れたバラックがシュナイダーのクロスを頭で合わせるが枠はとらえられない。さらにFKのこぼれをメルテザッカーが狙うがこれもバーを越えてしまう。

 一方アルゼンチンはテベスの挑戦的なドリブルからソリンとのコンビでチャンスを作り、左右のサイドからのセットプレーではリケルメが低い弾道のクロスを入れ長身揃いのドイツDFの混乱を狙う。しかし、ともにこれといった決定的なシーンも作れず膠着状態のまま時計は進み、勝負は後半に持ち込まれる。

 アルゼンチンが均衡状態を打ち破ったのは後半早々の49分。右CK、リケルメの速いカーブボールをクレスポのジャンプの陰に入ったアジャラがマーカーのクローゼに上半身を乗せるように高く跳び強烈なヘッドでとらえたものだ。3度目のそしておそらく最後となる大会に賭けるアジャラが見せた炎の一発だ。

 スタジアムを埋めたドイツ人たちは一瞬静まり不安に包まれる。しかしこんな逆境を幾度も乗り越えてきた記憶が彼らにすぐさま「ドイチュランド」と大声で叫ばせ、選手に勇気を与える。

 反攻に出るドイツ。その背中を押すようにクリンスマン監督が動いたのは62分、シュナイダーに代えてタテに速いオドンコー投入だ。

 64分、CKが折り返されるところをバラックが叩きつけるボレーで狙うがアジャラがはねかえす。この場面でGKアボンダンシエリが腹部を痛めるアクシデント。一瞬は時間稼ぎかとも思われたが71分にフランコに交代することになる。リードしている時点で貴重な一枚の交代ワクを使わざるを得なかったアルゼンチンにはあとあと大きなハンディとなった。

 GK交代直後のFKをシュバインシュタイガーが直接狙い大きくふかしてしまう。ゴール前へのクロスボールで落ち着かないはずのGKを脅かす方が常道だ。少しドイツに焦りが感じられたシーンだった。残り時間はおよそ20分。そして驚きの交代が告げられる。リケルメOUT、カンビアッソIN。そうペケルマン監督はキーマンを引っ込めて1−0での逃げ切りを選択したのだ。しかしまだ早い。ペケルマンは完全敵地状態に相当追い込まれていたのかもしれない。

 当然のようにドイツが圧迫を強める。ドイツはシュバインシュタイガーからボロウスキ、アルゼンチンはメルテザッカーとメツェルダーに封じ込まれたクレスポをあきらめクルスへと交代させる。そしてスタジアムが歓喜に包まれた同点ゴールはクルス交代直後の80分だった。左サイドからバラックが中央へ送ったクロスボールをボロウスキがヘッドで方向を変えるとその先にはクローゼが飛び込んでいた。ブレーメンでの相棒からのアシストでクローゼは失点時のマークミスへの埋め合わせを果たし、ノイビルにあとを託しピッチを去った。

 その後スコアは動かず、交代を使い切った両チームの運命は延長戦にゆだねられた。

 延長に入り、選手の疲労は誰の目にも明らかになる。そんな中ではタテ、タテと突っかけるオドンコーが目を引くくらいで静かに15分が経過する。

 そして延長後半は疲労で足を引きずるバラックまでが自陣に押し込まれ、アルゼンチンの攻撃に必死に耐えた。テベス、コロッチーニのシュートも決まらず、ドイツもオドンコーの突破も実らず、勝敗は過酷なPK戦に持ち込まれた。



 PK戦に強いドイツが先に蹴りノイビル、バラック、ポドルスキ、ボロウスキと4人連続で決めた。しかしアルゼンチンは先制点を決めたアジャラと守備固めで入ったカンビアッソの二人がGKレーマンに止められる皮肉な結果で万事休した。PK戦開始前に4年前の守護神カーンがレーマンに語りかけ笑顔で力強く握手を交わした。あの瞬間にオンリーワンのGKのポジションを争った二人の力が一つになりドイツの勝利は決まっていたかのようだった。

 夢破れたアルゼンチン。GK負傷という不測の事態に加え、多くの時間を残した時点での守備を固めるという采配で結局、サビオラ、アイマール、メッシというきらめく才能の持ち主たちがベンチでタイムアップを聞くことになってしまった。ドイツ以外の土地で戦えていれば・・あまりに惜しいアルゼンチンの敗退だった。

 日本との親善試合を見た者がこの試合のドイツを見ればとても同じチームとは思えないはずだ。ここまで短期間に守備組織を再構築したドイツには脱帽するしかない。残すは二試合だけ。まずはストッパー2人を負傷と出場停止で欠きながらも許したのはオウンゴールの一点のみという鉄壁DFを誇るイタリアだ。果たして82年決勝での完敗(1−3)のリベンジがなるだろうか。


(ドイツ代表) (アルゼンチン代表)
GK: レーマン GK: アボンダンシエリ(71分/フランコ)
DF: フリードリヒ、メルテザッカー、メツェルダー、ラーム DF: コロッチーニ、アジャラ、エインセ、ソリン
MF: シュナイダー(62分/オドンコー)、フリンクス、バラック、シュバインシュタイガー(74分/ボロウスキ) MF: ロドリゲス、マスチェラーノ、ゴンサレス、リケルメ(72分/カンビアッソ)
FW: クローゼ(86分/ノイビル)、ポドルスキ FW: テベス、クレスポ(79分/クルス)
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink