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 webnews 06/08/04 (金) <前へ次へindexへ>
気迫が踏んだ同点ゴール。福岡が貴重な勝ち点1をゲット。
2006Jリーグ ディビジョン1 第16節 ガンバ大阪vs.アビスパ福岡

2006年7月29日(土)19:04キックオフ 万博記念競技場 観衆:14,621人 天候:晴
試合結果/ガンバ大阪2−2アビスパ福岡(1−0、1−2)
得点経過/[G大阪]播戸(5分)、山口(61分)、[福岡]飯尾(72分)、中村(86分)


取材・文/中倉一志

 前節の対戦で川崎Fに敗れて首位の座を明け渡したことや、フェルナンジーニョの欠場等、G大阪にとっては不利な材料も、サッカーファンにはマイナスには映らなかったらしい。戦前のtoto予想でG大阪の勝利に投票したのは80.29%。福岡の勝利への投票率が7.64%にしか過ぎないことをみれば、両チームの間にある実力差は歴然としていると見たのだろう。もっとも、ピッチの上に立つG大阪の選手たちの顔ぶれを見れば、福岡に投票するのは勇気のいることだったかもしれない。

 そういう意味では、福岡が守備を固め、少ないチャンスにカウンターを仕掛けるというのが一般的な予想だったのかもしれない。しかし、福岡に守り抜く考えはない。目指すのは自分たちで仕掛ける攻撃的なサッカーだ。J2降格圏内を低迷する福岡にとって必要なのは勝ち点3。強豪チーム相手に引き分けでも可という考えは浮かばない。そんな選手たちを後押しするために、ツアーバス2台のほか、様々な方法でサポーターが万博記念競技場に駆けつけた。



 試合は両チームの現状を反映するような形で始まった。そして5分、早々とG大阪が先制点を挙げる。遠藤とのワンツーで抜け出した家永がラストパス。中央へ飛び込んできた播戸がゴールネットを揺らした。そして、その勢いのままにG大阪が主導権を握る。ピッチを広く使ってボールを動かし、福岡の穴を見つけるとギアチェンジしてゴールへと攻めあがる。攻撃の起点は左サイド。切れのある動きを見せる家永が何度も縦へ駆け上がっていく。

 そんなG大阪の前に福岡は全くサッカーをさせてもらえない。立ち上がりに裏を取られてカウンターからピンチを招いたせいか、前へ出る勢いに欠けた。守るための守備ではなく、攻撃のための守備を標榜する福岡にとっては高い位置からのプレスが生命線。この部分で後手に回ってしまっては強豪相手に対等の戦いをすることは難しい。一方的にボールを支配され、守備も後手に回ることが多く、全くサッカーをさせてもらえないまま前半を終えた。

 特に互いの差が顕著に表われたのは、ボールを奪ってから次のプレーに移るスピード。G大阪はボールを停滞させずに動かしていくのに対し、福岡はボールを奪った後にキープするシーンが目立つ。マイボールにしたときに周りが動き出せない福岡と、ボールホルダーを中心に周りの選手が速やかに連動するG大阪との差だった。30分を過ぎてからはG大阪が決定的なシュートを連発。ここはGK水谷がファインセーブを見せてゴールを死守したが、この時点では、両チームの間にある力の差は予想以上に大きなものに見えた。



 前半はG大阪の高いラインに押し込まれる形で前に出て行けなかった福岡だったが、後半に入ると、サイドチェンジを使って薄いところをつくように指示されたイレブンにボールを追い越す動きと、ラインの裏へ勝負を仕掛ける姿勢が表われ始めた。福岡に少しずつリズムが生まれていく。しかし61分、G大阪はCKのチャンスから山口が頭で合わせて2点目をゲット、福岡を突き放す。機先を制しての先制点と、相手が前に出てきた時間帯の追加点。実力のあるチームと、そうでないチームの対戦の典型的な展開に、これで勝負あったかに思えた。

 ところが福岡は下を向かない。狙うはあくまでも勝ち点3。刻みかけたリズムを更に大きなものにして前に出る。裏を狙う飯尾と交代出場の薮田、有光が前線をかき回し、72分からピッチに立った城後も後方から押し上げる。その姿勢が実ったのが72分。左サイドを深く破ったアレックスからのクロスボールを飯尾が左足で合わせた。これで主導権を奪い返した福岡は運動量の落ちたG大阪に襲い掛かる。流れは完全に福岡へと傾いた。

 82分、金古がけがのためにベンチに退くというアクシデントに見舞われた福岡は、既に交代枠を使い切っていたために10人での戦いを余儀なくされたが勢いは衰えない。川勝監督が布陣を3−3−3にして攻め続けろという意思表示をすれば、選手たちも迷うことなくG大阪に襲い掛かった。そして86分、飯尾のクロスボールがこぼれたところに走りこんだのは中村北斗。値千金の同点ゴールを叩き込んだ。その後もチャンスを作った福岡だったが残念ながら3点目は生まれず。試合は2−2のまま試合終了のホイッスルを聞いた。



「5、6点差がついてもおかしくないゲームだった」とは西野監督(G大阪)。前半のチャンスをものにしておけば結果は全く違ったものになっただろう。しかし、内容に不満は残ったとしても2点目を奪った時点でG大阪の勝ちパターン。ここからゲームをコントロールしてしまえば何の問題もなかったはず。明神の投入もそれを狙ったからだろう。「2−0になった時点でちょっと安心した感じもある。3−0にするとか、しっかりゼロで守りきるというような意識が再開後足りないような気がする」(宮本)。曖昧な態度が福岡に付け込む隙を与えてしまった。

 それでも、G大阪の曖昧さを攻めるよりも、最後まで前に出続けた福岡の気迫に引き分けの原因を求めるべきだろう。だが選手は誰もが不満顔。川勝監督も「メンタル的にタフになってきた。しかし結果は引き分け。モヤモヤは残る」と試合を振り返った。そして1得点1アシストの活躍を見せた飯尾も「点を取った以外は何もしていない。もっと早く切り替えてやれば前半のうちにも修正できた。先に主導権を奪えるようにしないと勝てない」と反省ばかりを口にした。川勝監督の下で結果に対して強いこだわりを見せるようになってきた福岡。その結果を手に入れるために、次の大分戦には万全の体制で臨む。


(ガンバ大阪) (アビスパ福岡)
GK: 藤ヶ谷陽介 GK: 水谷雄一
DF: シジクレイ 宮本恒靖 山口智 DF: 中村北斗 金古聖司 千代反田充 アレックス
MF: 加地亮 橋本英郎 遠藤保仁 家長昭博 二川孝広 MF: 久藤清一(72分/城後寿) ホベルト 佐伯直哉 古賀誠史(64分/有光亮太)
FW: 播戸竜二(71分/明神智和) マグノ・アウベス FW: バロン(56分/薮田光教) 飯尾一慶
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