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 webnews 06/08/06 (日) <前へ次へindexへ>
今季2度目の九州ダービー。アンクラスが熊本に連勝!
mocなでしこリーグ ディビジョン2 第10節 ルネサンス熊本FCvs.福岡J・アンクラス

2006年7月30日(日)13:00キックオフ 熊本市水前寺競技場 観衆:100人 天候:晴
試合結果/ルネサンス熊本FC 0−11 福岡J・アンクラス(前0−5、後0−6)
得点経過/[福岡]川村(2分、3分)、光成(18分)、深澤(42分、44分)、光成(56分)、内堀(60分)、川村(67分、70分)、光成(73分、75分)


取材・文/中倉一志

「怪我で何人か欠けていたので却って集中が出来たと思います。まずは今いるメンバーで出来ることをやって、怪我人が戻ってくれば、それをプラスアルファにしたい」。今シーズン最初の九州ダービーとなった第3節、チームの主力である佐藤恵利子選手は、そう試合を振り返った。攻撃的サッカーを標榜するアンクラスに前半だけで3失点したものの、後半は粘りを見せて無失点。敗れたとはいえ、やり方次第では戦えるという感触を得た試合でもあったはずだ。

 しかし、そんなルネサンスの思惑をアンクラスがいきなり打ち砕く。時間は2分。正手亜希子からのパスを受けた川村真理が左サイドから抜け出して左足を一閃。あっという間にルネサンスゴールを陥れる。さらにその1分後、最終ラインの板谷麻由からのロングフィードに反応した川村が、マークについていたルネサンスDFを振り切ってゴールネットを揺らした。俗に言う「危険な時間帯」での2得点。粘り強く戦うというルネサンスのゲームプランは早くも崩れてしまった。



 この日のルネサンスの布陣は4−4−2。エースFWの塚本舞、最終ラインを統率する高橋桃子、そしてチームの要である有富明菜の3人の怪我からの復帰が遅れ、更には同日に行われたジュニアの大会に選手を取られた関係で苦肉の策の布陣。少ないチャンスを生かすために、最もキープ力のある佐藤を前線に配置したが、やはり急増システムでアンクラスに立ち向かうのは厳しかったようだ。

 組織で対抗できなければ、必然的に局面での個人の力の差がそのまま試合に表われる。ルネサンスはマンマーク気味で喰らいついていくのだが、1対1の局面の強さは、さすがアンクラス。余裕さえ感じさせるプレーで、ことごとくルネサンスのプレスをかわしていく。しかも、この日のアンクラスは個人技に頼ることなく、ボールを素早く、そして大きく動かしてゲームを組み立てる。こんなサッカーをされてしまっては、どんなチームであっても互角に戦うのは難しかっただろう。

 そして18分、アンクラスはCKから板谷がヘディングで落としたボールを光成芳恵が押し込んで3点目をゲット。その後、粘り強くボールを追いかけるルネサンスに対して追加点を奪えない時間帯が続いたが、42分にゴールまで40メートルはあろうかと思われるロングシュートを深澤里沙が決めて4点目。続く44分にも深澤がゴールを決めて5−0。前半だけで試合を決めてしまった。



 ところで、この日の熊本は夏真っ盛りの1日。九州特有の強い日差しが容赦なく降り注ぎ、朝から上がり続ける気温は最高で34.8度を記録した。湿度が50%を下回っているのが唯一の救いだが、見ているだけでも汗が噴出してくるのだから、ピッチの上でプレーする選手たちには過酷すぎた。体力と思考力は確実に奪われているはず。しかも既に大差がついていることを考え合わせれば、試合が「だれる」ことになっても全く不思議ではない状況だった。

 しかし、約15分のハーフタイムを終えて戻ってきた選手たちの動きは前半と変わらない。容赦なく攻撃を仕掛けるアンクラスは、56分、60分、67分と着実に加点。力を加減する素振りなど少しも見せない。そしてルネサンスも決して下を向かない。1トップ気味で前線に残る佐藤が大声で仲間に檄を飛ばし、その声に押されるようにして、大差をつけられても、1対1の局面をかわされ続けても、必死になってボールに喰らいついていく。

 さすがに終盤に差し掛かって運動量が落ちはじめたが、互いにボールを追う気迫は変わらない。70分、73分、75分。さらにアンクラスが追加点を重ねていく。それでもルネサンスは諦めるそぶりを見せずに前を向いてボールを追う。そしてアンクラスも時間の限りゴールを目指した。やがて90分間の終わりを告げるホイッスルが鳴る。そしてスタンドからは勝利したアンクラスに、そして最後までボールを追い続けたルネサンスに拍手が送られた。



 今シーズンは、第2節で早々と1勝目を記録したルネサンスだったが、負け、引き分けと続いたあとは、これで6連敗。どこのチームも決して層が厚いとは言えない女子サッカーにあって、主力選手が複数欠場した中で戦うのはさすがに苦しい。しかし、本番の公式戦での経験ほど選手にとって力になるものはない。厳しい戦いは続くことになるかもしれないが、チームの特徴である真面目で、諦めないサッカーを続ける限り、今の苦しみはチームの力になるはずだ。

 さて、2連勝を挙げた福岡J・アンクラス。リーグ序盤戦は、爆発的な攻撃力を披露しながらも、どこかバタバタした感じを隠せなかったが、ここへ来てチームに安定感が増した来た。その要因は河島美絵選手兼任監督をボランチに置いた4−3−3のシステム。中盤の底に起点を作り、左右に展開することでチームに落ち着きが生まれた。加えて個々の選手たちが主導権を持ったプレーが出来るようになったことも大きい。

「パスを出すなら、相手に何をさせたいのか、自分が何をしたいのか。ゴールを奪うまでのプランを立てることを意識させている。やらされるのではなく、ひとつのプレーに自分の気持ちを伝えろと言っている」(河島監督)。それが少しずつ形として実を結び始めているようだ。現在の順位は3位。まだまだ昇格を狙うチャンスは十二分にある。1年でディビジョン1へ昇格という目標に向けて、アンクラスは走り続ける。


(ルネサンス熊本) (福岡J・アンクラス)
GK: 河島佳奈 GK: 田上未希
DF: 嶋田美香 渡邊史華 島田佳由子 奥村紗代 DF: 板谷麻美 藤陽子 鈴木千賀 内堀律子
MF: 清水瀬菜(19分/前方莉麻) 安部友美 峯知美 松元ゆみ子(70分/清水美緒) MF: 渋谷由美子(82分/野村由美子) 河島美絵 正手亜希子(72分/鶴原優)
FW: 竹内佐智佳 佐藤恵利子 FW: 深澤里沙 川村真理 光成芳恵(75分/谷原ゆかり)
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