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| webnews 06/08/16 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
「大局を決したサイド対決は大敗の理由にあらず」。東京が浦和に4失点を喫す
2006Jリーグ ディビジョン1 第17節 浦和レッズvs.FC東京
2006年8月12日(土) 19:04キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆:50.195人 天候:晴
試合結果/浦和レッズ4ー0FC東京(前1−0、後3−0)
試合経過/[浦和]小野(5分)アレックス(55分、71分)田中(88分)
取材・文/砂畑 恵
開始5分、田中の頭を経由したボールが逆サイドに流れる。それをももでコントロールしダイレクトで叩いた小野のシュートは、GK土肥の手を吹き飛ばしてゴールネットに突き刺さった。個人技が光った先制弾。そのゴールをお膳立てしたのは平川だ。
この日、浦和は右アウトサイドに平川を起用。対する東京は怪我人などのチーム事情からC大阪戦と同じく通常はボランチを務める伊野波を同サイドにぶつけた。立ち上がりから積極的に縦へと仕掛ける平川に対し、伊野波も前に出るタイミングを窺っていた。その機会が到来と前に出たところで味方にミスが発生。伊野波は裏のスペースを完璧に相手に明け渡し、平川はその絶好機を逃さずに得点に結び付くクロスを上げた。しかしこれはその後に起こる事態の序曲でしかなかった。
ゲームが進むにつれタッチライン際で行われる争いは平川が伊野波を圧倒する形になっていた。ボランチとしてはクレバーに周りを使い粘り強さもある伊野波ではあるが、スピードという点ではさほど速くはない。しかも片側をラインで仕切らる特殊な環境であるサイドでは対面する相手と抜くか、抜かれるかの1対1勝負が中心。そういうことではサイドを専門にやってきた平川に長あり。再三に渡る平川の突破に伊野波は抗し切れなかった。
54分、ボールのないところでスペースに走り込もうとする平川の後塵を拝しそうになり、堪らずにファウルを犯して2枚目のイエロー。その直後にあったFKの流れからアレックスの右足より閃光を浴びて東京は浦和に追加点を許した。
まさに「大局、ここに決せり」。平川と伊野波のサイドの攻防の決着が両チームの雌雄を分けた。数的不利に陥った東京は伊野波の退場によって生じた穴に「誰が左サイドに出るのか一瞬判断が遅れ」(土肥)たこともあり守備が混乱する場面もあり、浦和の猛攻を止められず、71分、アレックスの珍しいヘッド、88分には田中のシュートにより尚も2点を失う。ただ敗因の責を伊野波に負わせ、詰め腹を切らせて終わりではこの日、東京にあった問題点は何も見えてこない。
まず攻撃の面では新加入のワシントンをトップにルーカスと馬場を2列目に配置した東京だったが、互いのプレーを理解するには日が浅いこともあって、3人はいい距離感を保てていない。ワシントンが孤立したり、時に3人が横並びになってパスを受けても次の出しどころがないなど東京の攻撃が滞る一因となった。逆にそこに入ってくるボールを浦和守備陣は狙い目としてしっかり拾ったことが先制点に繋がり、更に流れをぐっと引き寄せた。
だがそれよりも深刻なのは守備面の現状かもしれない。この試合ではバックとボランチの距離が空いてしまいがち。殊に浅利と梶山の位置関係が非常にアンバランスだった。浅利は最終ラインに吸収されるシーンが多く、攻撃では目を引いた梶山はこと守備となると切り替えが遅い上に、26分に長谷部をフリーにしてシュートを打たせた場面をはじめ時々、「取り敢えず」といった守備をすることもあった。つまり退場者を出す前から、このスペースを浦和の中盤に使われたことも旗色は悪くなった原因の1つ。それを阻止しようとDFが前に出れば、最終ラインにはギャップが生じてFWを自由にしてしまう悪循環を招く。個々は懸命に守備を行っていても意思が統一されないとDFの数には関係なく防壁は機能しない。
勿論、ボランチとDFだけがゴールに障壁を作るわけではない。馬場、ルーカス、交代してピッチに入った選手がボランチを助けるもよし、FWからプレスを掛けてエリア限定して相手を追い込むことも可能で、味方の援護を得れば退場のハンデはあってもこれ程の守備崩壊は避けられのではないだろうか。
そういうことでは浦和はよく走っていた。自分がボールを受ける際は当然のことだが、攻撃では相手を引き寄せ、スペースを作り、守備に転じればフォアチェック、隙間を埋めるなど味方のために厭わない動きが多い。要は自分のポジションに化せられた役割をこなすだけでなく、他のプレーヤーが仕事をし易くするために何が出来るのか。そこに今日の結果となって現れた決定的な違いがあったと思えてならない。
| (浦和レッズ) | (FC東京) | |||||||
| GK: | 山岸範宏 | GK: | 土肥洋一 | |||||
| DF: | 堀之内聖 田中マルクス闘莉王 坪井慶介 | DF: | ジャーン 茂庭照幸 増嶋竜也 | |||||
| MF: | 平川忠亮 鈴木啓太 長谷部誠 三都主アレサンドロ(75分/相馬祟人) 小野伸二(78分/岡野雅行) | MF: | 梶山陽平(70分/川口信男) 浅利悟 石川直宏 伊野波雅彦(54分/退場) ルーカス 馬場憂太(83分/宮沢正史) | |||||
| FW: | 永井雄一郎(65分/山田暢久) 田中達也 | FW: | ワシントン(70分/阿部吉朗) | |||||
| SUB: | 加藤順大 内舘秀樹 酒井友之 黒部光昭 | SUB: | 塩田仁史 藤山竜仁 中澤聡太 栗澤僚一 | |||||
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