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 webnews 06/08/26 (土) <前へ次へindexへ>
新潟の攻撃にギブアップ寸前。浦和、ワシントンのゴールで救われる
2006Jリーグ ディビジョン1 第19節 浦和レッズvsアルビレックス新潟

2006年8月23日(水) 19:04キックオフ 埼玉スタジアム2002 観衆:34.417人 天候:晴
試合結果/浦和レッズ3ー1アルビレックス新潟
試合経過/[新潟]エジミウソン(6分)、[浦和]ワシントン(22分、35分、89分)


取材・文/砂畑 恵

 ワシントンのハットトリックで浦和が新潟に快勝。直接、試合を見ていない人はそう思うだろう。だがそのワシントンについてGK山岸が賛辞の言葉ではなく、「救ってくれた」と感謝の念を込めた言い回しを使ったことは、このゲームの本質を突いているように思う。

「是が非でも勝たなければいけない」(ブッフバルト監督)。この試合の浦和はそんな気概に満ちてスタートを切った。それは前節での首位陥落も1つだが、それだけが理由でもなかっただろう。偶然の一致が呼び起こす昨年の苦い記憶。昨年の鹿島戦は闘莉王が退場となり、苦境に追い詰められながら2点のビハインドから追い付く展開だった。次節は大分が相手でアウェイで負けを喫しており、鹿島からもぎ取った勝ち点1を意味あるものにしようと心して臨んだはずだったがあえなく敗戦している。前節の鹿島戦も退場がなかったことを除けば同じパターンの引分け劇。そしてその後の新潟はアウェイで敗北と大分と境遇が似通う。しかも対新潟リーグ初黒星は1ヶ月前のこと。だからこそ今年は同じ道程を辿るわけにはいかない。それが浦和をスタートダッシュに駆り立てたと推測出来よう。



 ところが浦和は「最初の2、3分で何度かいいチャンスを作りながら、それを生かせずにちょっとした油断から新潟に先制を許してしまった」(ブッフバルト監督)。6分、ファビーニョの大きなサイドチェンジから矢野がゴール前に折り返し、走り込んだ鈴木慎と闘莉王の競り合いのこぼれをエジミウソンが叩き込んだ。浦和が立ち上がりに攻めに出ていてフッと巡ってきたチャンスに新潟が先制点を入れる。平川が治療でピッチを抜けて浦和とすれば不運も重なったが、早い失点は前回の対戦とそっくりなシチュエーション。

 だが前回と違うのは浦和が前半できっちり追い付いたことだ。22分、ペナルティーボックス内で闘莉王が倒されてPKを奪取。新潟には痛い判定ではあったが、浦和とすれば逃せない機会。それをワシントンが周りを制してキッカーとなりGK北野の逆を取ってゴールを沈める。更に35分には海本が跳ね返したボールをワシントンが拾って素早く小野に繋げ、ファーに走ると相手に当たって抜けて来た小野のシュートをワントラップしてゴールへ。浦和は畳み掛けて逆転に成功。守っても特に坪井のプレーが冴え渡り、相手のパスを前でカットするなどDFは危なげない試合運びで前半を折り返した。



 しかし、後半になると浦和は混沌とした状況に陥った。当然、負けている新潟は早いうちに追い付こうと攻勢に出てくる。これに対し浦和は受け身に回った。だがそれは堅守という自信の下支えがあったからでなく、明らかに運動量が急に落ちて動けなくなったことが発端だから始末が悪い。後半10分頃から疲労の色を浮かべる選手が見られ徐々にチームに歪みが生ずる。

 それに乗じて確かなリズムを刻む新潟は58分、ビッグチャンスを迎える。鈴木慎のCKにニアで併せたファビーニョの至近距離のヘディング。新潟サポーターは双手を挙げ、浦和サポーターは失点覚悟のそのシュートをGK山岸が素晴らしい反応でシャットアウト。続くCKの流れでは寺川、本間と繋ぎエジミウソンが絶妙なクロス。今度こそと放つファビーニョのヘッドは打った本人を唖然とさせるスーパーセーブで山岸が止めた。

 それでも、これで新潟は完全に主導権を掴む。時間が経つにつれてシンプルだが伸びやかで縦にボールも人も躍動する新潟と味方との呼吸が乱れじりじり守備ラインの下がる浦和。その対比がピッチで鮮明に描かれていく。浦和は70分からの10分間に3人の交代枠をすべて使ってフレッシュな選手を投入するが、1度噛み合なくなったチームの流れを断ち切ることは出来ず。押し寄せる新潟に浦和の心身疲労はピークになりつつあった。

 89分、その苦しみから浦和を解き放つゴールは産まれる。永井のクロスを前線に上がっていた闘莉王は胸トラップをすると崩れ落ちた。ボールは相手に当たり、気力を振り絞って立ち上がった闘莉王はパスをゴール前のワシントンに預ける。ゴールを背にしたワシントンは後ろからマークにくる千葉を手で牽制してスペースを確保をするとくるりと反転。柔らかなタッチでゴールマウスを開けたGK北野の脇を抜けるシュートをゴールに送った。



 正直、新潟はゲーム内容で勝りながら勝負には負けた感が強い。ただやっているサッカーは川崎に似た機動的なものとなってきている。後はフィニッシュの精度と試合後との波を作らないことだろう。そうすれば確かな手応えで一桁中位に順位を上げるのは可能だ。

 さて薄氷を踏む思いで勝利した浦和。浦和の選手にとり、この1、2ヶ月はタイトな日程と遠征中心のリーグ戦に代表戦もあり過酷だ。こんな時でも好不調の差が小さく押さえることも優勝するチームの条件。それを乗り越える心身のケアに十分な配慮が必要である。


(浦和レッズ) (アルビレックス新潟)
GK: 山岸範宏 GK: 北野貴之
DF: 堀之内聖 田中マルクス闘莉王 坪井慶介 DF: 千葉和彦 海本慶治 喜多靖 梅山修(68分/松下年宏)
MF: 平川忠亮 鈴木啓太 長谷部誠(75分/内舘秀樹) 三都主アレサンドロ 小野伸二(70分/山田暢久) MF: 鈴木慎吾 本間勳 寺川能人(83分/岡山哲也) ファビーニョ(81分/河原和年)
FW: 田中達也(80分/永井雄一郎) ワシントン FW: エジミウソン 矢野貴章
SUB: 都築龍太 相馬祟人 黒部光昭 岡野雅行 SUB: 野澤洋輔 内田潤 田中亜土夢 船越優蔵
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