topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 webnews 06/12/08 (金) <前へ次へindexへ>
セレッソ、2度目のJ2陥落!
2006Jリーグ ディビジョン1 第34節 セレッソ大阪vs.川崎フロンターレ

2006年12月2日(土)14:04キックオフ 大阪長居第2陸上競技場 観衆:9,278人 天候:雨のち曇
試合結果/セレッソ大阪1−3川崎フロンターレ(前1−2、後0−1)
得点経過/[川崎F]飛騨暁(9分)、ジュニーニョ(42分)[C大阪]古橋達弥(44分)[川崎F]黒津勝(84分)


取材・文/貞永晃二

 浦和とG大阪の優勝争いに注目が集まったJ1最終節。ちょうど1年前の12月3日、その2チームを含む4チームと優勝争いをしていたC大阪が、なんとJ2・3位との入れ替え戦進出をかけた試合に臨もうとしていた。福岡との勝ち点差はわずか「1」。入れ替え戦への条件は、勝てば文句なし、引き分けか負けなら福岡の結果次第。

 一方、川崎Fは優勝はなくなったもののG大阪を抜いて2位にすべり込めば来季のACL参戦の道が開ける。我那覇の負傷欠場と谷口の出場停止(アジア大会出場だが)は大きいが、戦力の底上げはできており、特にブラジル人トリオは脅威だ。

 圧倒的な攻撃力に対抗するため塚田監督は、ここ9戦固定してきた前田、江添、山崎の3バックを前田、ブルーノ、柳本のセットに入れ替えを決断した。柳本のスピードとブルーノの統率力で川崎Fを抑える意図だ。



 久々スタメンに名を連ねた名波がトップ下で西澤、大久保を操る。しかしC大阪がリズムに乗る前に9分、川崎Fがファースト・チャンスを活かす。左サイド、マルコンのタテパスで抜け出したジュニーニョのアバウトなクロスをファーに走りこんだ飛騨がスーパーな豪快ボレーで叩き込んだのだ。飛騨はうれしいJ1初ゴール。

 どうしても先制したかった試合でまたもリードされたC大阪。名波が「ボールは回っていた」と振り返ったように攻め込むことはできてもシュートにつながらない。川崎Fは我那覇の代役・黒津が鋭くC大阪ゴールを襲うが、1度目はGK吉田が、2度目はゴールポストが、3度目はDFが邪魔をする。運はまだC大阪にあるようだ。そしてC大阪も大久保がチャンスをつかむが、シュートが遅れブロックされる。

 そしてC大阪にとって大きな痛手は37分の西澤の負傷だった。ゼ・カルロスのクロスに飛び込んだ際の着地でDFにのしかかられたのだ。気力で一度はピッチに戻ったが、もはやプレー続行は不可能。柿本と交代した。しかも直後の42分、川崎に追加点を許してしまう。マルコンが黒津とのワンツーで突破しジュニーニョに横パス。ジュニーニョはそれを右足アウトで引っ掛けるようなダイレクトシュート。しかもコースが絶妙でサイドネットへ吸い込まれていった。しかしあきらめるわけにはいかないC大阪は、ロスタイムに宮本がタテに蹴りこんだボールを古橋が胸で止め、右足ボレーで叩き込む追撃ゴールで1点差とし命運を後半に持ち越した。



 後半、C大阪はまたも川崎Fにゴールを脅かされたあと、古橋が名波のFKからのフリーのヘッドを外し、さらに古橋、大久保が焦りからかワンタッチ目のコントロールがまずくチャンスを逃し、ゼ・カルロスのクロスがわずかに高過ぎて大久保のヘッドがバーに嫌われる。この60分頃までのいいリズムの時間帯に同点にできなかったのが後で悔やまれることになる。

 C大阪のクロスは単純で工夫が足りず、川崎Fの長身DF陣は容易にはね返し、それを鋭いカウンターに確実につなげていった。幸運も味方して、なんとか失点を免れていたC大阪だったがついに84分、ジュニーニョのドリブル突破からのクロスがC大阪DFに触れて角度が変わり、黒津の利き足の左前に転がりダメ押しの3点目となり勝敗は決した。

 川崎Fとの力の差は明らかだった。今季を象徴するように、リードされても思い切った総攻撃には出られない、といって守りも不安定なまま。まさに完敗。C大阪は2001年に続き2度目のJ2降格となってしまった。一方川崎FはG大阪の敗戦で逆転2位へ、来季はアジアでの戦いに挑戦する。



 開幕4連敗を含め1勝1分6敗という不振で小林監督は去った。第9節から指揮をとった塚田監督。しかし2引き分けのあとなんと7連敗、折り返し時点での勝ち点はわずかに「6」。監督交代という手段さえカンフル剤にならなかったC大阪を変えたのは、8月に磐田から出場機会を求めて加入した名波だった。C大阪の選手たちのサッカー観を根本から変えるほどの影響を与える存在感を見せた名波。彼の加入後に挙げた勝ち点は前半戦の3倍以上の「21」。しかし残留にも入れ替え戦にもまだ足りなかった。やはり前半戦に失い続けた勝ち点は大きすぎたのだ。

 昨年の成績や、選手の顔ぶれからC大阪の低迷を不思議がる人も多い。しかしビッグネームであっても潜在能力がどれほどあっても、ここ一番の試合で自信をもって能力を発揮することができて、それをチーム力へ昇華してこそはじめて「実力」と呼べるのだ。昨季は出来過ぎだったと思うしかない。

 結局、C大阪は福岡と同勝ち点の「27」。得失点差が明暗を分けた。しかし15位甲府の勝ち点「42」との差は実に「15」。過去ダントツの最下位で降格したチームはあったものの今季の下位福岡、C大阪、京都のようにここまで大差をつけられたケースはない。いかに3チームが不甲斐なく力不足であったかだ。J1のチーム数18は多すぎると批判する声に耳をふさいではいられない。3チームは恥ずべきシーズンだったことを自覚すべきだ。

 C大阪は、来季1年でのJ1復帰を誓う。しかしそのためには自らの「力」をしっかりと把握することからはじめなければならない。何に秀でていて、何が足らないのか、フロントから選手までの全員が進むべきベクトルをしっかり把握することからだ。


(セレッソ大阪) (川崎フロンターレ)
GK: 吉田宗弘 GK: 吉原慎也
DF: 前田和哉、ブルーノ・クアドロス、柳本啓成 DF: 箕輪義信、佐原秀樹、伊藤宏樹
MF: 下村東美、宮本卓也(54分/河村崇大)古橋達弥(75分/徳重隆明)ゼ・カルロス、名波浩 MF: 飛弾暁(70分/井川祐輔) 、中村憲剛、寺田周平、マルコン、マギヌン(63分/今野章)
FW: 西澤明訓(40分/柿本倫明)、大久保嘉人 FW: 黒津勝(88分/鄭大世) 、ジュニーニョ
SUB: 鈴木正人、山崎哲也、山田卓也、柿谷曜一朗 SUB: 植草裕樹、鈴木達矢、原田拓、西山貴永
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink