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黒田監督、最後の選手権で初の国立勝利!
第85回全国高校サッカー選手権大会 開幕戦1回戦 暁星高校vs.滝川第二高校
2006年12月30日(土)13:10 国立競技場 観衆:15,247 天候:晴
試合結果/暁星高校0−2滝川第二高校(前0−0、後0−2)
得点経過/[滝川二]多田高行(55分、75分)
取材・文/貞永晃二
開会式直後に開幕戦を行うようになって以来、優勝候補が登場したのは初めてのことかもしれない。真の実力日本一と胸を張ってよいタイトル、高円宮杯全日本ユースを制覇した滝川二の相手は13年ぶり出場の暁星という難敵だ。黒田監督勇退が既定の滝川二だけに優勝へのモチベーションは高い。
注目は両チームのボランチ。滝川二の金崎と大塚、暁星の寺島と川島だ。そして暁星では車椅子の身ながらS級ライセンスを手にした羽中田コーチがベンチに控えるのも注目される。
晴天に恵まれた国立。しかし試合に先立って行われた開会式でも、旗手を務める各チーム主将を苦しめた強風がボールを押し戻し、選手はプレーしにくそうだ。
試合は劣勢を予想された暁星が激しい当たりで巧者・滝川二を苦しめた。攻撃の中心である橘を骨折で欠く滝川二も徐々にペースをつかんでいく。11分、滝川二・森本が絶好のチャンスを迎えたが決められない。暁星も17分、右サイドからのFKを川野が直接狙い反撃する。気になったのは暁星GK阪口の不安定なハイボール処理だ。大きなミスにならなければいいが。
両チームの見せ場は滝川二の左、イコール暁星の右サイドだった。滝川二・島濱が再三のオーバーラップを仕掛ければ、暁星・木水もその島濱が上がってできたスペースを素晴らしいスピードで突きチャンスメーカーとなった。ボールポゼッションでは滝川二が優勢を維持するものの、暁星が仕掛けるカウンターはバックスタンドを埋めた赤い大応援団のどよめく歓声にバックアップされて、滝川二守備陣のピンチ感をさらに大きなものに変えた。
しかし昨年のこの大会の舞台を踏んだ選手も多い滝川二は、実に落ち着いたプレー振りを見せる。このあたりもさすがに高円宮杯チャンピオン、あわてず騒がず、勝負を後半へと持ち越した。
後半序盤も前半同様得点できない展開に、「PK戦までも予想していた」という黒田監督は動き、前田に代えて山本拓を投入する。山本拓は最初のプレーで思い切ったシュートを放ち、さらに貪欲にゴールを狙い、滝川二の攻撃を活性化していく。しかしこれも名将・黒田監督にかかると、「あれが決まれば(山本拓は)レギュラーなんだ(笑)」ということになってしまう。
そして攻勢を強めていった滝川二はついに待望のリードを奪う。51分、左から島濱の上げたロビングを暁星GK・阪口と滝川二・多田が競り合う。風で押し戻されるボール、そして多田の姿が視野に入ったためか、阪口はさわれず、多田のヘッドは皮肉にも忠実にゴールカバーに入ったDFの足に当たりゴールに転がった。意外な形での先制点に応援では圧倒的に劣勢だった滝川二応援団が歓喜の声を上げる。予想したとおりハイボールの落下地点を見誤る判断ミスが先制点の原因となってしまった。しかし、これも名将は「GKの差が出ましたね」ということなのかもしれない。確かに滝川二・清水のゴールキーピングは安定感たっぷりのものだったのだから。
先制すれば試合巧者・滝川二は強い。さらにボール支配は強まり多田、森本、そして山本拓とシュートが飛ぶ。暁星は望月、渡辺と交代選手を投入するが劣勢は覆せない。そして時間も残り少なくなった75分、滝川二は右サイド山本拓が相手GKとDFの間に鋭いグラウンダーを通すと、ファーに詰めた多田が逃げていく、しかもポンとはずんだ難しいバウンドに見事に左足で合わせ貴重な2点目とした。暁星最後のCKのチャンスもGK清水の安定したキャッチングに阻まれ、タイムアップを迎えた。
終わってみれば、暁星・林監督の「力の差は否めなかった」の言葉がすべてかもしれない。ミスが多かったのはやはり暁星サイドだった。それはGKに限ったことではない。奪ったボールをみすみす相手に渡せば、攻撃にリズムなど生まれないのは当然のことだ。
「この勝利をはずみにして、また国立に戻って来たい」この黒田監督の言葉はかなりの確率で現実になる、そう感じさせた試合だった。
| (暁星高校) | (滝川第二高校) | |||||||
| GK: | 阪口智哉 | GK: | 清水圭介 | |||||
| DF: | 上原浩二、遠入涼、荒木拓郎、古賀裕次 | DF: | 川野大介、田中大二郎、山本翔太、島濱誠司 | |||||
| MF: | 木水祥(61分/望月剣)、川島拓、寺島尚彦、小嶋俊輔 | MF: | 金崎夢生、大塚尚毅、友定晃大、多田高行(79分/建部恭平) | |||||
| FW: | 宮崎暁(72分/渡辺太樹)、風間荘志 | FW: | 前田竜太(47分/山本拓矢)、森本健太 | |||||
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