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 webnews 07/03/29 (木) <前へ次へindexへ>
お待たせC大阪、終盤の逆転劇で今季初白星!
2007Jリーグ ディビジョン2 第5節 セレッソ大阪vs.京都サンガF.C.

2007年3月25日(日)16:03キックオフ 大阪長居第2陸上競技場 観衆:5,238人 天候:曇のち晴
試合結果/セレッソ大阪3−2京都サンガF.C.(前0−1、後3−1)
得点経過/[京都]アンドレ(30分)、[C大阪]古橋達弥(46分)、[京都]アンドレ(55分)、[C大阪]ゼ・カルロス(81分)、前田和哉(89分)


取材・文/貞永晃二

 地味な男が派手なことをやってのけた。ロスタイムに入っての右CK。ゼ・カルロスが蹴ったインスイングの鋭い弾道のボールはゴール前を通過しラインを割るかと思われたが、勘よく動いた江添建次郎がヘッドで折り返す。これに前田和哉が食らいつくように頭で合わせると、京都DFのゴールカバーも空しくネットに突き刺さった。森島康を先頭に前田に抱きつくチームメイト。残り10分から追いつき、そして逆転するドラマティックな結末にピンクのサポーターは大歓声で愛する選手たちを讃えた。



 J1からの降格チーム同士の対戦、15度目の京阪ダービー。対戦成績ではC大阪が8勝2分4敗と優っている。C大阪は前節、組織的な守備に手ごたえをつかんだだけにそれを継続しながら連敗をストップするという目標があった。そしてなにもまして、いくらまだ第5節とはいえ、4連敗となっては監督の責任問題も取りざたされる。C大阪にとってはシーズンを左右する大変重要な試合だ。

 C大阪は東京V戦と同じくクリスマスツリー(4−3−2−1)のシステムだが、シャドーストライカーの位置には森島寛晃と苔口卓也。3連敗中にはアタッカーとして起用されていた古橋達弥をトレス・ボランチの左に置いたのが目を引いた。京都は引き分けた前節徳島戦でDF森岡隆三が退場処分を受け出場停止。このためもあり、スタメンに数名の変更を加えていた。

 試合は京都がパスを1タッチ、2タッチでリズム良くつなぎ、パウリーニョ、アンドレの強力2トップを中心に攻め込みペースを握った。一方、C大阪の攻撃はセットプレー頼み。そして先制したのも京都だった。30分、徳重が左サイドから中へカットイン、ドリブルで仕掛け、C大阪DFのハードな当たりにも耐えて右へ流すと、数歩下がってマークから離れたアンドレが強烈なミドルを放った。弾道は低く左ポストを叩いたあとゴールに吸い込まれた。C大阪はこれで4試合連続先制されたことになった。 

 反撃に出たいC大阪だが、40分に中盤からのパスがイレギュラーバウンドし森島寛晃が抜け出したチャンスもGK上野秀章の好セーブに阻まれるなど、ほとんど見るべきところのない前半だった。



 リードされて後半を迎えたC大阪は「守備のときにバランスが崩れる懸念(都並監督)」のため、森島寛に代えて濱田武を投入しトップ下へ、古橋をシャドーへ上げ、ボランチをアレーと宮本の2枚とする。そしてこの交代はズバリ的中した。46分、濱田のスルーパスを苔口と京都DFが競り合い、こぼれたところを古橋が拾い、GKの位置をよく見て流し込み同点としたのだ。

 追いついたC大阪は攻撃にリズムが出て、森島康のミドル、濱田のボレーと惜しいチャンスを作るものの逆転ゴールには至らない。そして、またも手痛い失点を喫し突き放されてしまう。55分、ペナへのクロスをアレーがクリアミスし、目の前の徳重隆明に渡してしまう。徳重がワンフェイクしてフリーとなったアンドレへパス、先制点を決め気をよくしていたアンドレは、GK吉田宗弘の手をはじき飛ばすような一発。同点で沸いたスタジアムはわずか10分で静寂に包まれた。

 リードもわずか1点では安心などできない京都。2−1とした直後、中払大介に代えてスピードスター・加藤大志を投入してC大阪の左サイドからチャンスを狙う。そしてCKから角田誠のヘッド、さらにクロスバーすれすれに飛んだ徳重のFK、加藤の突破からの決まったかに見えたアンドレのダイレクトシュートなどC大阪はピンチの連続となった。

 この敗戦ムードを変えたのは、サブに追いやられていたゼ・カルロスだった。プレーに冴えの見られなかったアレーに代わって78分にピッチに入ると、住み慣れた左サイドではなく中央寄りで果敢なドリブルを仕掛け、疲労の見える京都DFを圧迫した。そしてファウルを誘いゴール正面の好位置でのFKを得た。ここまで狙える距離からのFKはほとんどを古橋が狙い、一度流して森島康に狙わせていた程度。ここは「自信があったので、(古橋に)蹴らせてほしいと言った」という言葉通りゼ・カルロスは鮮やかにコントロールされたキックでC大阪の苦境を救う同点ゴール。GK上野は古橋をキッカーと読んだのか、反応することもできず見送った。

 こうなると追いついた方にムードは傾くもの。冒頭のロスタイムの同点シーンは、「2失点して申し訳ない」という江添ら守備陣の思いが乗り移ったような得点だった。



 C大阪は勝ったとはいっても、前節の東京V戦で見せた意思統一された守備は見ることができず“元の木阿弥”となってしまった。右SBが柳沢将之、藤本康太、丹羽竜平と“日替わり”であることは差し引いて考えても、この試合毎の出来不出来は「まず守備ありき」がモットーの都並監督にとってしばらくは不安のタネだろう。しかしなんとか連敗はストップしたいという選手の意地がオモテに表れた逆転劇だけに、波に乗って今後の戦いが一気に開けていく可能性もある。

 一方、今季初の敗戦となった京都だが、美濃部監督は「(守備は)崩されていない」と選手のプレーを評価し、同点ゴールとなったゼのFKも、「ファウルをしないでボールを奪う」というところに課題があると話した。

 5試合を戦った仙台が勝ち点11で首位、4試合の東京Vが勝ち点10で2位につける。この2チーム以外は既に敗戦を喫している混戦J2。世界でも有数の過酷な48試合を戦うリーグ戦はまだまだこれからだ。


(セレッソ大阪) (京都サンガF.C.)
GK: 吉田宗弘 GK: 上野秀章
DF: 丹羽竜平、前田和哉、江添建次郎、羽田憲司 DF: 角田誠、手島和希、チアゴ、渡邉大剛(89分/西野泰正)
MF: アレー(78分/ゼ・カルロス)、宮本卓也、古橋達弥、森島寛晃(45分/濱田武)、苔口卓也 MF: 中払大介(55分/加藤大志)、石井俊也、斉藤大介、徳重隆明(81分/中山博貴)
FW: 森島康仁 FW: パウリーニョ、アンドレ
SUB: 山本浩正、山崎哲也、酒本憲幸 SUB: 西村弘司、秋田豊
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