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| webnews 07/04/11 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
セレッソ・ボーイズ攻守に奮闘、鳥栖に今季初の無失点勝利!
2007Jリーグ ディビジョン2 第7節 セレッソ大阪vs.サガン鳥栖
2007年4月7日(土)16:03キックオフ 長居第2陸上競技場 観衆:3,905人 天候:雨
試合結果/セレッソ大阪3−0サガン鳥栖(前3−0、後0−0)
得点経過/[C大阪]ゼ・カルロス(0分)酒本憲幸(14分)、古橋達弥(31分)
取材・文/貞永晃二
名づけるなら「小菊スペシャル」か。C大阪はキックオフ早々(記録は0分)、何気ないスローインから先制した。都並監督が会見で「小菊コーチが密かに練習させた」と腹心のコーチの名前をわざわざ挙げて感謝の意を込めたのは、この先制点が試合を大きく左右したからに違いなかった。
開幕3連敗を含めて1勝4敗とやってみないとわからない不安定な戦いが続いたC大阪。アレーと森島寛晃の負傷や、若手の急成長を見た都並監督は、「若い力が良い方にころぶか、悪い方に転ぶか」と不安をうかがわせながらも若手の起用に踏み切った。ここ2年間常に不動のDFだった前田和哉に代え入団2年目のDF山下達也(御影工・現神戸科学技術高卒)が右CBに、右SHに今季初スタメンの酒本憲幸、アレーの代役には濱田武が入った。
一方鳥栖も、C大阪同様に開幕から3連敗。しかもノーゴールと最悪のスタート。しかし第4節を引き分け、第5節に初勝利と調子は上向いてきた。その勢いに乗りたかった前週は試合がなく肩透かしのような状況で2週ぶりの試合に連勝を狙う。都並監督はしばしば「鳥栖のようなパスサッカーがうちにはできない」と口にし、鳥栖へのリスペクトを示すほど評価している相手だ。
右タッチライン、3試合ぶりに右SBに戻った柳沢将之のスローイン。古橋達弥が相手DFを引き連れて動くことでできたオープン・スペースに酒本憲幸がスルスルと侵入し、ゴールライン際からシュート、GK赤星拓はキャッチを試みたために前へこぼし、森島康仁とともになだれ込んだゼ・カルロスがプッシュした。まだ手元のストップウォッチは1分に達しておらず、しばらくスタンドのどよめきは消えなかった。
今季6試合目で初めての先制に勇気を得たC大阪は、宮本卓也と濱田武のドイスボランチを中心に、火がついたように鳥栖の選手に襲い掛かる。猛烈な運動量が90分間続くのか心配になるほどのフルパワーだ。そのハイプレッシャーに「びびりが多い。開幕戦と同じように腰が引けた」と岸野監督が嘆いたように、鳥栖はやるべきサッカーを見失っていく。C大阪は森島康のボレー、古橋のミドルと攻め手を緩めない。鳥栖も遠目からアンデルソンが狙うがワクをはずす。
そして14分、少し鳥栖陣内に入ったところでのFK。ゼのキックは精度が悪くクリアされる。しかし、そのキックはあまりに中途半端。しかも、今季初スタメンに燃え、開始早々の先制点に絡んだことで気を良くしていた酒本の前に転がったのは不運だった。酒本には失礼だが、練習でもまれにしか決まらないほど強烈な右足の一発は、降り続く雨粒を吹き飛ばす勢いでGK赤星の頭上を破った。2−0。スタンドからは、「入場料安いで!」の声が飛ぶ。こんなC大阪はいつ以来だろうか。
森島康のヘッドがGKに防がれたあとの31分、GK吉田宗弘の自陣深くからのロングキックは森島康の頭上を越え、鳥栖DF・内間安路の前へ。古橋がプレッシャーをかけるが、クリアされる。しかし不運にもボールは味方の村主博正に当たり、その古橋の前にこぼれてしまう。古橋の眼前にはGKだけ。左足に持ち変えて放ったシュートは豪快にネットに突き刺さり3−0となった。
その後ややペースダウンはしたが、C大阪は酒本、ゼを左右に置きワイドな攻撃が奏功、終始試合を支配し前半を終えた。C大阪はあと何点取るのか、デカシ(森島康)のJ初得点はあるのか、サポーターの期待は大きくふくらむ。
なんとか流れを変えようと、岸野監督は後半スタートから宮原裕司、山口貴之に代えて高橋義希、レオナルドを投入する。しかし、いきなり左サイドから攻め込むC大阪。早い時間に1点を取り追撃態勢に入りたい鳥栖も、入ったばかりのレオナルドが果敢にミドルを狙うなど、ようやく持ち前のパスサッカーを見せ始める。しかし、鳥栖のスタイルには濡れたピッチはミスマッチだ。シュートで終われないままC大阪にカウンターを食らい、森島康の豪快なヘッドがGK赤星を襲う。さらにCKから江添建次郎に、濱田武のパスから古橋にとC大阪のチャンスは続いていく。
鳥栖の攻めへの焦りが裏目に出たのが62分。レオナルドがラフプレーでイエローを受けた直後、主審への侮辱行為で続けて2枚目をもらい、鳥栖は10人の苦境に追い込まれてしまう。それでも鳥栖のキープする時間が増え、C大阪は一見守勢に回るが、「攻めているように見えたが、基本的にセレッソのゲーム」という岸野監督の言葉通りにC大阪は攻守のバランスは崩さなかった。
C大阪は、ゼが警告を受けたタイミングで苔口卓也に交代、さらにシュート6本と奮闘した森島康に代えてホーム長居のデビューとなった柿谷曜一朗を、ここまでフル出場を続けた古橋に代えて公式戦デビューの香川真司と次々若手を投入した。苔口は積極的にシュートを狙い、柿谷もいきなり長いサイドチェンジパスを出し視野の広さを見せ、香川も機を見て得意のタテに早いドリブルを見せた。追加点はならなかったが、C大阪はそのままリードを守り試合は終わった。久々快勝のC大阪。3点差勝利は2004年まで遡らなければならないほどだ。
開口一番、「心技体全ての面でセレッソが上回ってました。以上。」鳥栖・岸野監督はさばさばした口調で語ったが、その表情は高橋義希の復帰を除いて全く明るい要素のなかった試合に失望は隠せない様子だった。しかし会見終了後、ロッカーに戻りミーティングを始めた監督。セレッソの選手を乗せたバスがスタジアムを去ってもロッカーのドアは開かなかった。一戦一戦を大切に扱う監督の思いが伝わるシーンだった。
快勝したC大阪の都並監督。交代投入した若い3人に「相手は10人、ダメ押し点を決めるチャンスをたくさん作れ」と送り出したという。時間が短かったこともあり、「結果」にはつながらなかったが、タイムアップの笛を聞いたピッチ上11人の平均年齢はなんと「22.9歳」。若い力、特に2年目の森島康、柿谷、香川、山下に酒本、濱田ら「準若手」が融合した勝利だけにチームにとって大きな収穫の日となった。中でも山下には「普段と同じプレーを公式戦でもできた」「一番の驚き」とまでの高い評価だった。今後、山下と前田との激しい競争で、さらなるレベルアップを期待したい。
しかし、完勝した試合でイエローカードを7人が受けるいうのは考え物だ。主審がややナーバスにファウルを取ったことや、雨でスリッピーなピッチのため勢い余ってというファウルもあった。全員がファイトした試合だったとはいっても、長いシーズンを考えるとメンバー編成が苦しくなることは明らかだ。ここはクールなファイトを要求しておきたい。
| (セレッソ大阪) | (サガン鳥栖) | |||||||
| GK: | 吉田宗弘 | GK: | 赤星拓 | |||||
| DF: | 柳沢将之、山下達也、江添建次郎、羽田憲司 | DF: | 小井手翔太、内間安路、村主博正、地系治 | |||||
| MF: | 酒本憲幸、宮本卓也、濱田武、ゼ・カルロス(71分/苔口卓也) | MF: | 山城純也、衛藤裕(69分/廣瀬浩二)、宮原裕司(45分/高橋義希)、山口貴之(45分/レオナルド) | |||||
| FW: | 古橋達弥(79分/香川真司)、森島康仁(74分/柿谷曜一朗) | FW: | ジョズエ、アンデルソン | |||||
| SUB: | 多田大介、藤本康太 | SUB: | 河田晃兵、吉田恵 | |||||
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