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 webnews 07/12/05 (水) <前へ次へindexへ>
安藤は4ゴール(赤)で得点王に望みをつなぐ。
浦和の前に為す術なし。大原学園、残留へ赤信号。
mocなでしこリーグ2007 ディビジョン1 第20節 浦和レッズレディースvs.大原学園JaSRA女子サッカークラブ

2007年12月1日(土)12:00キックオフ 駒場スタジアム 観衆:442人 天候:晴
試合結果/浦和レッズレディース8−0大原学園JaSRA女子サッカークラブ(前3−0、後5−0)
得点経過/[浦和]安藤(18分、42分、80分、89分)、庭田(30分)、北本(69分、69分)、笠嶋(83分)


取材・文/西森彰

「今日のゲームプランを選んだことに悔いはありません。でも、これから自問自答すると思いますね。『本当にああすべきだったのか』と」

 大原学園JaSRA女子サッカークラブ・種田佳織監督は、試合後にそう振り返った。リーグ戦の2試合を残し、最下位で7位の伊賀FCくノ一とは勝ち点で3、ゴールディファレンスで6の差がついている。残留には3位の浦和レッズレディース、4位のINACレオネッサのどちらかから勝ち星を挙げることが絶対条件となる。

 その可能性は決して大きいものではないが、決して0ではない。少なくてもコンマいくつかは存在している。実際、第2クールではINACに勝利したし、浦和とも0対1と僅差の試合も演じた。しかも浦和戦の1失点はオウンゴールによるもの、自陣でリトリートしながらカウンターを狙う戦いが、効果を挙げていた。

 その専守防衛の戦いを続けるべきか、否か。伊賀との勝ち点差が1ならば、種田監督も前回同様に、引いた戦いを選択しただろう。だが、差は3。2試合のどちらかで勝利を求められる状況下では、前線からプレッシャーをかけてボールを取りに行く、大原学園本来の戦い方を選択したくなったのも理解できる。



 津波古友美子、中川千尋を2トップに据え、これと3ボランチの中継点に新甫まどかを置いた4-3-1-2で、大原学園は浦和のボールホルダーを追い回した。深い位置までプレッシャーをかけるチャレンジャーの戦い方に、受けて立つ浦和の選手は戸惑いを隠し切れなかった。

 何しろ「前節から、この試合までの1週間は、前回同様に相手が引いてくることを想定して、それをいかにして崩すかというトレーニングを積んできた」(永井良和監督)。想定外の戦いを見せる相手に、ゴールを守る山郷のぞみも「前回と違って前から来られてキツい面や、ちょっと慌てる部分もあった」という。

 開始15分までは、大原学園の奇襲が奏功していた。だが両者の間には、種田監督が「ほんのちょっとだけど、本当に大きな差」が存在した。

 大原学園の集中が一瞬途切れた18分、浦和がゴールを陥れる。山郷のキックから左サイドを使った大きな展開。柳田美幸を経由したボールは、左に流れてボールを受けた北本綾子へ。そしてこの折り返しを中央で安藤梢が難なく流し込む。プレッシャーが緩んだところでつながれた3本のパスで、簡単にゴールを奪われた大原学園には動揺が生まれた。

 一方、浦和の選手たちは落ち着きを取り戻し、ボールをきっちりと保持しながら、相手の穴を探る。30分に庭田亜樹子、42分にも安藤が得点し、3対0。この時点で勝敗は決した。

 ハーフタイム。種田監督も敗戦そのものは受け入れる用意ができていた。あとは、どう、後半の45分間を戦うか。得失点差の問題があり、守備を固めるという選択肢も、もちろんあった。しかし、あの状況で受けに回って守りきれるかどうか。ゲーム前と同じ設問が再び与えられた。そして種田監督の選んだ選択肢は同じだった。

「ハーフタイムには『こんな試合をしていては相手に対して失礼』と選手たちに伝えました。ようやく、浦和のようなチームと同じピッチに立てるようになったというのに、チャレンジしている選手が少なすぎる。チャレンジしないで失敗しているのが歯がゆかった。あのまま後半の頭から守りに入っても守りきれるものじゃないですから」

 そして前半と同じシーンが繰り返される。最初の15分間は互角に戦いながら、69分、北本綾子にゴールを奪われるともういけない。すぐに守備陣のミスから再び北本に決められ、集中が切れた。逆に浦和は大量リードを奪っても、さらに貪欲にゴールを目指した。テーマにしていたサイド攻撃が機能し、そこから面白いようにチャンスが生まれる。

 浦和は安藤が2点、途中出場の笠嶋由恵が1点を追加し、今シーズン最多の8得点。大原学園はさらに傷口を広げて、試合終了の笛を聞いた。



大原学園も中川(11)らが果敢に仕掛けたが・・・
「得失点差のことはもちろん頭にありました。『これ以上開くと最終戦がキツいよ』と言って選手たちを送り出しましたし、彼女たちもそれは理解していたはずなんですが…。せっかく、INACが伊賀に7対1で勝ってくれたんですけれどね」(種田監督)

 伊賀との勝ち点差3は変わらず、ゴールディファレンスは8差まで開いた。残留への道がますます険しさを増してきた大原学園は、最終節でINACレオネッサ戦を戦う。絶対条件はまず白星を勝ち取ることだが、90分間、悔いの残らないサッカーをすることが大前提だ。

 そして浦和は、事実上、優勝を手中にした日テレ・ベレーザとの最終戦に臨む。向こうにとっては半ば消化試合とは言え、チーム移管後、一度も勝てていない強敵に勝っておくことは、暮れの全日本女子サッカー選手権、そして来期以降に向けても大きな意味を持ってくるはずだ。

「トップチームの大一番がある中、応援をしていただいてありがたく思いました。第3クールに入ってから良いリズムになっています。まだ選手権、そしてベレーザとの最終戦が残っています。相手の個人技をチーム全体で守りきって、絶対に勝ちたいと思います」(永井監督)





(浦和レッドダイヤモンズレディース) (大原学園JaSRA女子サッカークラブ)
GK: 山郷のぞみ GK: 細川のの子
DF: 木原梢(65分/笠嶋由恵)、森本麻衣子、矢野喬子、岩倉三恵 DF: 竹内真菜美、井上稚子、高木奈央、住江真祐子
MF: 土橋優貴、高橋彩子、柳田美幸、庭田亜樹子(85分/松田典子) MF: 東依里(79分/篠原志穂子)、山本裕美、谷川有花(57分/濱垣香菜)、新甫まどか
FW: 北本綾子、安藤梢 FW: 津波古友美子、中川千尋
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