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| webnews 07/12/07 (金) | <前へ|次へ|indexへ> |
予定調和の再戦へ。セパハンがワイタケレ・ユナイテッドを下す。
TOYOTAプレゼンツ FIFA Club World Cup Japan 2007 準々決勝進出プレーオフ セパハンvs.ワイタケレ・ユナイテッド
2007年12月7日(金)19:45キックオフ 国立霞ヶ丘陸上競技場 観衆:24,788人
試合結果/セパハン3−1ワイタケレ・ユナイテッド(前2−0、後1−1)
得点経過/[セパハン]モハマド(3分、4分)、アルハイル(47分)、[ワイタケレ]オウン・ゴール(74分)
取材・文/西森彰
今大会から日本の開催国枠がひとつキープされ、その他にAFCから1チーム参加できるようになったクラブワールドカップ。皮肉にもその恩恵を受けたのは、Jリーグのクラブではなく、イランのセパハンだった。アジアチャンピオンズリーグの決勝戦へ、浦和レッズと共に勝ちあがった時点で、このFIFA主催のトーナメントへの出場を確定させていたのである。
一方、オーストラリアがアジアサッカー連盟へ転籍し、さらに層が薄くなったオセアニアサッカー連盟からワイタケレ・ユナイテッドがこの舞台へ駒を進めてきた。
戦前からセパハン有利の下馬評があった。この試合の勝者と準々決勝を戦う浦和レッズの藤口光紀代表取締役社長も、対戦相手について「ワイタケレかセパハン」と定義した上で「セパハンはACLの決勝で当たった相手。『今度こそは』という気持ちでかかって来ると思います」と語り、再戦の覚悟を仄めかしていた。
FIFAクラブワールドカップ組織委員会記者会見に出席した川淵三郎キャプテンは「浦和がセパハンに勝って準決勝に進出してくれたら、さらに観客動員もチケット販売も増えるはず」と、セパハンの勝ち上がりをイメージしたコメントを残していたと記憶している。
この開幕戦を前にしたセパハンの記者会見でも、報道陣からは当然のように浦和との再戦について質問が集中する。そんな空気にボナチッチ・ルカ監督はウンザリしていた。「昨日の記者会見でも浦和との質問ばかりでした。そして明日の試合、つまり今日の試合に勝ってからにしたいと繰り返しました」。しかし、結果から振り返れば、そうした戦前の予想はいい線を行っていた。
セパハンは、この大会が始まってから5分間を経過したところで既に2点のリードを確保したのである。1点目は、17歳のエーサン・ハジサフィが入れたロングスローから。クリアされたセカンドボールがゴール前に蹴りこまれると、両チームの選手たちをすり抜け、エマド・モハマドの足元へ届く。止めようとしたボールは高く弾んだが、これをモハメドが自ら頭でプッシュ。先制点を奪う。
さらに、その直後にも、左サイドからムジリがクロスを送ると、モハマドをマークしていたジョナサン・ベリーがインターセプトを試みて、ミスを犯す。フリーになったモハマドはゴールへ流し込むだけだった。「前半が始まってからすぐに2点をリードできたのは幸運でした」とセパハンのルカ監督。これで流れは一気にセパハンの方へ来た。
「ナビドキア選手が出場するのを想定していました。そこでマークがズレてしまったのかも知れません。これだけ格上のチームと戦うのはなかなかありませんから、どうしても緊張してしまう。ナーバスになっていたかも知れませんし、いつもと同じようにリラックスして入ることができませんでした」(ミリシッチ監督)
ワイタケレは、5バック気味になりながらマンツーマンディフェンスを試みるが、セパハンの流動的な動きによって、各所でギャップを作られる。23分にはマフムド・カリミの突破を止めた直後、DFからのバックパスをGKのサイモン・イーディがキャッチしてしまい、間接FKのピンチを招く。
そして、決着がついたのは、ハーフタイム直後。ゴール正面からアブドゥル・ワハブ・アブ・アルハイルが放ったシュートを、イーディがキャッチミス。ボールはワイタケレゴールに転がり込んでしまう。唖然とするワイタケレと、スタンドの観客を尻目に、イランからやって来た黄色のサポーターだけが狂喜する。
「前後半の合計7分の中で、してはいけないミスを3つも犯してしまいました。そして前後半とも15分くらい経たないと始動できなかったことにも失望しています」とミリシッチ監督。
地獄を見る前のリーズ・ユナイテッドが、チャンピオンズリーグで輝かしいベスト4進出を果たした00-01シーズン。ワイタケレと同じ白を基調としたこのチームでプレーしていたのが、キャプテンのダニー・ヘイである。イングランドのプレミアリーグでプレーしていた経験からも、彼はチームを引っ張るべき存在だった。しかし、そのヘイをしても、チーム全体の経験不足は救えなかった。
救いになったのは、3点を奪われて為す術がないワイタケレに、国立霞ヶ丘陸上競技場にやって来た観客が、文字通り、判官贔屓の声援を送り始めたことだろう。これで明らかにワイタケレの選手たちの動きが変わった。足技で突破を図るベンジャミン・トトリとターゲット役として高さを武器にポスト役をこなすニール・エンブレンの2トップが機能し始めたのだ。
そして、74分、ダレン・ベーズリーのFKがDFに当たってこぼれると、これに突進してきたヘイの動きが目に入ったのか、今度はセパハンのGKモハマド・サバリがファンブルし、ゴールラインを越えてしまう。公式記録は後にオウンゴールと訂正されたが、目で蹴り込んだ得点としてヘイに1点つけてあげても良かったような得点だった。
「日本のサポーターの方々は本当に素晴らしいと思いました。特に最後の25〜30分間、セパハンに食らい付いていった時間には、まるでホームのような、ひょっとしたらホームよりも大きな声援が上がりました」(ミリシッチ監督)
「今大会もFIFA主催のトーナメントのひとつであり、コンフェデレーションズカップのように国を代表して戦えたということをすごく嬉しく思っています。特に今日は観客の皆さんが素晴らしかったので、ホームでプレーしているような気がしました」(ヘイ)
「私も、FIFAトーナメントではプレーしたことがありませんでした。運営組織、タイムキーピング、そしてマナー…。そして日本の観客の皆さんは素晴らしく、またとても準備を良くしてくれました。大変感謝をしています。とても大きな大会に参加することができて、人生最大のメモリーになりました」(エンブレン)
ホストカントリーに対する多くの賛辞を残して、ワイタケレは大会を後にした。そして、アジアチャンピオンズリーグ準優勝チームは西へ転進する。次の対戦相手は浦和、予定調和の再戦である。
| (セパハン) | (ワイタケレ・ユナイテッド) | |||||||
| GK: | モハメド・サバリ | GK: | サイモン・イーディ | |||||
| DF: | ハディ・ジャハリ、モーゼン・ベンガー、ハディ・アギリー、ジャバ・ムジリ | DF: | ダレン・ベーズリー、ダニー・ヘイ、ジョナサン・ペリー、グレハム・ピアース(85分/コミンズ・メナピ)、ニール・サイクス | |||||
| MF: | ファルシャド・バハドラニ、エーサン・ハジサフィ、アブドゥル・ワハブ・アブ・アルハイル | MF: | クリストファー・ベイル(63分/ジェーソン・ヘイン)、マット・カニーン、ポール・シーマン(91分/ダニエル・コプリブチッチ) | |||||
| FW: | エマド・モハメド(87分/カビル・ベロ)、マフムド・カリミ(68分/ホセイン・カゼミ)、サイド・モハマド・サレヒ(60分/エブラヒム・ロベニアン) | FW: | ベンジャミン・トトリ、ニール・エンブレン | |||||
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