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 webnews 07/12/16 (日) <前へ次へindexへ>
パチューカ、受け入れがたい結末。エトワール・サヘル歓喜の4強入り!
TOYOTAプレゼンツ FIFA Club World Cup Japan 2007 準々決勝 エトワール・サヘルvs.CFパチューカ

2007年12月9日(日)14:45キックオフ 国立霞ヶ丘競技場 観衆:34,934人
試合結果/エトワール・サヘル1−0CFパチューカ(前0−0、後1−0)
得点経過/[サヘル]ムサ・ナリー(85分)


取材・文/貞永晃二

 大会2日目、国立でのデーゲームは「アフリカ対北中米カリブ」という日本ではなかなかお目にかかれない試合。第1回、第2回とこの大会に連続出場していた「常連」のアル・アハリ(エジプト)を決勝で降してアフリカを制したチュニジアのエトワール・サヘルとメキシコの雄CFパチューカの激突だ。

 試合前のメインスタンドでは、赤を基調とした衣装に身を包むエトワール・サポーターとプロレスのマスクをかぶった者も混じってメキシコ特有の掛け声での声援を送るパチューカ・サポーターの陽気な応援合戦が繰り広げられていた。勝てば南米王者ボカに真剣勝負を挑むことができる。選手にもサポーターにもこれほどのモチベーションはないはずだ。




 序盤からパチューカはショートパスをベースに攻めこみ、アルバレスらが狭いスペースを細かいタッチのドリブルですり抜けようとする。対するエトワールは相手DFのウラをロングボールでシンプルに突いていく。

 ボール支配率ではパチューカが優勢だったが、エトワールのハードなプレスに手を焼きシュートまで至らない。FKに合わせたエトワールのFWベンディファラーのヘッドがこの試合のファーストシュートだった。 
 
 スタンドが大きく沸いたのは15分。パチューカはヒメネスのCKからビッグチャンスを迎える。ファーポストでのヘッドがゴールバーを叩き、リバウンドをカバジェロが再度頭で押し込もうとするが、エトワールGKバルブーリが必死にはじき出す。これでペースを握ったパチューカは25分、カブレラが右サイドからクロスのタイミングでミドルシュート。バルブーリの正面に飛んだがパンチングで逃げる。さらにペナのすぐ外からのFKをヒメネスが狙うがわずかにワクを外す。

 パチューカはさらにアルバレスが左から切り込んでシュートを打つなど攻め続けるのだが、ダイナミックな展開が少なくエトワールの読みのいい守備網にスッポリとはまった感があった。守備が安定すると速攻が効果的になるもの。エトワールはオグンビイ、シェルミティらのスピードを活かしたカウンターでパチューカDFを脅かし前半を終えた。



 後半口火を切ったのはエトワールのベンディファラー。カーブボールのミドルだったがパチューカGKカレロが素晴らしい反応でCKに逃げる。パチューカは前半の主役アルバレスまたも突破を仕掛けてペナ内で倒れるが、主審は彼を助け起こしてイエローカードを示した。

 前半同様ボール支配を続けるパチューカの攻めにファウルを交えて対抗するエトワールは、何度もパチューカにFKを与えてしまう。ヒメネスは決して大柄ではないが、がっちりした体格から3度のFKを強烈なキックで狙うが、エトワールは身体を張ってはじき返していく。73分、ヒメネスのFKをGKがファンブルしたところをマンスールが押し込み先制点かと思われたが判定はオフサイド。

 疲労の色の濃いエトワールを攻め立てるパチューカ。どうしてもゴールを割れないパチューカ・サポーターはとうとうウェーブを始めてしまう。スタンドをウェーブが流れる中、またもFKを狙ったヒメネス。しかし、シュートはGKバルブーリの手をかすめてバーを越えた。残り10分を切ってパチューカのCKからマンスールのヘッドはサイドネットを揺らすだけ。

 そして85分、気まぐれな勝利の女神が20分近く押し込まれ続けたエトワールに幸運をもたらす。右サイドから何気ないミドルを放ったナリー。ところがボールはパチューカDFロペスの背中で方向を変えて右に動いたGKカレロの逆を突いてゴールインしたのだ。あわててチティーバ、レイを次々投入し総攻撃に出たパチューカ・メサ監督だったが、攻め手はここまでのやり方のまま。ロングボールを入れるでもなくパスで崩そうとするだけ。逃げ切りのため集中を強めたエトワールも選手交代でうまく時間を使いついにタイムアップに持ち込んだ。

 まるで優勝でもしたかのように狂喜するエトワール。一方呆然と座り込み悲しみに打ちひしがれるパチューカ。国立のピッチにあまりにも厳しい現実が残された。



「地にボールを這わせるサッカーをするだけだった」と振り返ったパチューカのメサ監督。長身FWがいないだけに当然の戦法だが、エースとして注目されていたカチョが誤算で90分封じられたことを責めはしなかった。それにしても忠実にシュートコースに入ったDFに当たってゴールが決まってしまうのだから、サッカーとは本当に恐ろしいゲームだ。「サッカーは必ずしも強い方が勝つとは限らない」とエトワールのベルトラン監督。まさに至言。しかし準決勝ボカ戦終了後にも彼は同じ言葉を口にできるだろうか。


(エトワール・サヘル) (CFパチューカ)
GK: アイメン・バルブーリ GK: ミゲル・カレロ
DF: ハテム・ベジャウイ、ラドゥアン・ファルヒ、セイフ・ゲザル、サブール・フレジュ DF: ファウスト・ピント、フリオ・マンスール、レオバルド・ロペス、マルビン・カブレラ
MF: アフエン・ガルビ、モハメド・アリナフハ、ムサ・ナリー、ムリ・オラ・オグンビイ MF: カルロス・ロドリゲス(87分/アンドレス・チティーバ)、ハイメ・コレア、ガブリエル・カバジェロ(91分/ルイス・レイ)、ダミアン・アルバレス
FW: マハディ・ベンディファラー(89分/モハメド・サッコ)、アミン・シェルミティ FW: フアン・カルロス・カチョ、クリスティアン・ヒメネス
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