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 webnews 08/01/05 (土) <前へ次へindexへ>
2ゴールを挙げた広島皆実・下江。
広島皆実、2年越しのゴールで2回戦進出。
第86回全国高校サッカー選手権大会1回戦 尚志高校vs.広島皆実高校

2007年12月31日(月)14:10キックオフ 西が丘サッカー場 観衆:7,308人 天候:晴れ
試合結果/尚志高校0−3広島皆実高校(前0−3、後0−0)
得点経過/[広島皆実]下江(14分、31分)、金子(28分)


取材・文/西森彰

 前回大会では1回戦で中京大中京高校、2回戦で大津高校、3回戦で境高校をいずれも0対0からのPK勝ちで降した広島皆実高校。ダブルボランチ+4バックというディフェンスのベースは「10年くらい続けている」伝統のスタイルだという。県内にはライバル関係と言える広島観音高校があり、そして藤井潔監督が「選手たちが最も影響を受けている」というサンフレッチェ広島ユースがある。こういった好敵手と切磋琢磨することでレベルアップが図られてきた。

 今大会の初戦は福島の尚志高校が相手。こちらも前回大会の出場校で、初戦を突破していた。「尚志高校で注意していたのは10番(内山俊彦)の選手、そしてセットプレーの時に上がってくる20番(渡部耕平)の選手です。ひとりひとりの技術がしっかりしていて、きちんとしたサッカーができるチームという印象がありました。そこで『まず、守備をきちんとしよう』とゲームに入りました」(藤井監督・広島皆実)。



シュートを放つ西田。尚志は後半、反撃に転じたが…。
 尚志は、県大会決勝から数人、スターティングメンバーを代えてきていた。仲村浩二監督は「田中(真之)がケガをしていた。それと江津、實川の調子が良かったので、このふたりを使いました」と、その理由を明かしてくれた。多少はメンバーを変えた影響もあったのか、それとも広島皆実の守備が予想以上に良かったのか。尚志は、広島皆実のゴールに迫ることができない。

 逆に、広島皆実は、左サイドハーフのポジションを空けた変則の4-4-2から揺さぶる。そして、15分、本藤大成の右サイドからのクロスを、攻め上がっていたセンターバックの松岡祐介が頭でつなぎ、下江和裕がヘディングシュート。前回大会の360分間で一度も揺らすことができなかった相手ゴールネットを揺すった。これがチームに勢いを与えた。

 28分には、左サイドバックの井林章から、中央の本藤を経由したボールが、右サイドにいた金子拓平のもとへ。サイドチェンジからの速攻で、追加点を奪い取る。さらに、31分、金子が右サイドをドリブルで駆け上がり、中央で待つ下江にグラウンダーのパスを通して3点目。完全にイニシアチブを手に入れた。

 3点を取られた尚志の仲村監督は、ハーフタイムに「もう、失うものはなにもない。5点取られたって、6点取られたって構わないから、点を取りに行こう」と選手たちを鼓舞した。その檄に応えて、イレブンは奮起する。前半は良い様にやられていた、1対1の白兵戦で、球際への強さを見せ始めた。そして西田潤のシュートに見られるように、DFまでが前がかりになって、広島皆実の陣内へ攻め込んでいく。

 守っては、広島皆実の司令塔・浜田晃がゴール隅を狙ったフリーキックを、GKの増田卓也がストップする。そして、攻めては内山俊彦が豪快なミドルシュートを放つ。広島皆実も防戦一方になるのではなく、相手ボールを奪うとカウンターで反撃を見舞う。「体力的に苦しくなったこともあって、日頃は足を攣らない選手が足を攣っていた」(藤井監督)。どちらのイレブンも死力を尽くして後半戦を戦った。

 結局、後半は0対0。前半の3点がモノを言って、広島皆実が2回戦に駒を進めた。



福島から来た大応援団の元へ挨拶に行く尚志イレブン。

 後半は、ほとんど五分に戦うことができた尚志。それだけに悔やまれるのが、相手に圧倒された前半の40分間だったが、仲村監督は「後半からは自分たちの持ち味を出せたと思いますけれども、あれを前半からやろうとすると難しい話になります」。素直に相手の力を称えたのは、選手も同じだった。

「自分なりのプレーはできていました。まったく悔いはありません。ハーフタイムに頭の中で『前半と後半は切り替えていこう。決められたことを振り返っていても仕方がないので前を向いていこう』と。後半は守りを固めるよりも、シュート数を増やしてゴールを狙いに行きました。負けはしましたけれど自分たちの力は出し切れたと思います」

 チーム最多3本のシュートを放ち、セットプレーでもキッカーとしてチームメートにチャンスボールを送り続けた内山も、涙で目を赤くしながらも、高校生らしい爽やかさを失わなかった。

 勝った広島皆実の藤井監督は「昨年は点が入らなかったので、今日、入ってホッとしました。しかもFWが点を取ったっていうのは今後に向けて勢いがつきます。細かい所を言えばキリがない。初戦で点を取って、しかも勝てたということを評価したいと思います」。

 2回戦は、カナリア軍団・帝京が相手だ。チーム同士の交流が深く、藤井監督以下選手全員が、組み合わせが決まった段階で、2回戦での対戦を臨んでいたという。「監督、コーチを始め、Bチームまで含めて親しく勉強させてもらっています。広島にいたら手に入らないような情報までもらったり…」。恩返しの舞台は駒沢競技場である。


(尚志) (広島皆実)
GK: 松浦和己 GK: 増田卓也
DF: 西田潤、渡部耕平、石橋一馬、杉江佑馬 DF: 岩井将太(73分/村田俊介)、林正泰、松岡祐介、井林章
MF: 江津佑馬(55分/笠原友昭)、長谷川浩太、阿部昌裕(34分/田中真之)、内山俊彦 MF: 高橋宏次郎、加藤昴、本藤大成(57分/吉岡龍介)、浜田晃
FW: 江口元司(66分/西田真)、實川優太 FW: 下江和裕、金子拓平(68分/玉田耕平)
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