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| webnews 08/01/07 (月) | <前へ|次へ|indexへ> |
夢に向かって一歩ずつ。流通経大柏が北越を下す
スピードを生かした突破でゴールに迫る久場光(流通経大柏・左)
第86回全国高校サッカー選手権大会 3回戦 流通経済大学柏高校vs.北越高校
2008年1月3日(水)14:10キックオフ 市原臨海球技場 観衆:4,343人 天候:晴
試合結果/流通経済大学柏2−0北越(前2−0、後0−0)
得点経過/[流経大柏]中冨(29分)、田口(39分)
取材・文/中倉一志
地元のスタジアムで、地元サッカーファンの大声援を受けて戦う流通経大柏。それはチームにとって大きな力でもある。しかし同時に、大きなプレッシャーを背負っての戦いでもある。インターハイ3位、高円宮杯優勝の実績は、否が応でも優勝候補筆頭という言葉がついて回り、当然のように相手チームには徹底して研究される。それがどれだけ厳しい戦いなのかは1回戦の内容を見れば容易に推測できる。いわば強者の宿命とどう戦うか。それが流通経大柏に課せられた課題かも知れない。
その流通経大柏は怪我の上條宏晃、2回戦の退場処分で出場停止の名雪遼平を欠いての戦い。代わりに前線に久場光、ボランチの位置に村瀬勇太を置き、両サイドのMFには保土田春彦と田口泰士を起用して臨む。対する北越も主将・道見啓介が前試合の退場処分で出場停止をはじめ4人のメンバーが代わる布陣。しかし、「県予選での最後まで諦めない姿勢を貫き通し、ベスト4以上を目指したい」という主将の思いを代弁して戦う。
流通経大柏のファーストシュートは手元の時計で27秒。攻め勝つという強い姿勢を見せる。そして北越もまた高い集中力を発揮して、これを迎え撃つ。両チームとも立ち上がりからフルパワーでピッチの上を走り回る。そんな展開の中、10分を過ぎた辺りから流通経大柏が主導権を握る。「中里がずいぶんマークされていましたが、ボールを足元で止めないようにして大きく捌いて外に展開できるようになってからずいぶん楽になりました」(本田裕一郎監督・流通経大柏)。ラストパスの精度に欠く場面が散見されるが、久場光、大前元紀のスピードを生かしたプレーが目立つようになっていく。
ファインセーブを連発して間を鼓舞したGK渡邊貴也(黄色)。
対する北越は粘り強い守備でこれに対抗する。激しく動き回ってボールホルダーを囲い込み、局面の1対1の争いでは互角の戦いを演じる。全体では押し込まれていても流通経大柏にチャンスを与えないのはそのためだ。そして、奪ったボールは細野王喜、加藤大志のコンビネーションから、左サイドでシンプルに組み立てて流通経大柏ゴールを目指す。
しかし、時間の経過とともに徐々に流通経大柏との力の差が見えてくる。そして29分。流通経大柏の先制点が生まれた。FKで得たチャンスから大前元紀が放ったシュートはGKに弾き返されたが、そのボールを中冨翔太が難しい角度からゴールネットに突き刺した。これで試合の流れは完全に流通経大柏に。その後も決定機の山を築く。しかし、最後まで諦めない姿勢を貫く北越は、GK渡邊貴也が好セーブを連発。ゴールを死守する展開が続く。
試合の流れは、流通経大柏の一方的なペース。だが、局面では譲らない北越の戦い方は変わらない。しかも、わずかな隙を突いて反撃に出る姿勢さえ見せる。29分、37分には流通経大柏をひやりとさせるシーンも作り出した。流通経大柏にとっては、攻めるだけ攻めてゴールが奪えず、少ないながらも決定機を作られる展開は、ややもすればリズムを崩してしまうもの。それでも慌てないのは流通経大柏の強さか。そして、あと1分で前半が終わるという時間帯で北越を突き放す2点目を奪った。
最終ラインをまとめるキャプテン板羽優(赤)。久場(右)とのマッチアップは見応え十分だった。
左サイドを突破した大前がアーリークロス気味にゴール前にボールを放り込む。このボールはファーサイドへ流れたかにみえたが、そこには阿吽の呼吸で走りこんできた保土田春彦がいた。そしてボールをコントロールしなおしてセンタリング。そのボールに、これしかないタイミングで飛び込んだ田口泰士が頭で合わせた。大前のボールが保戸田に渡ったところで勝負あり。左右に大きく振られた北越はゴール前に詰めていた田口をケアすることが出来なかった。
2点を追う北越は、後半に入って3トップに変更。リスクを負って前に出る。しかし、それは流通経大柏にとっては想定済みだったようだ。「3トップになることは予測していましたので、中盤が支配できなければ2トップの1枚を縦に並べるということをやってきました。選手たちはそんなに困らなかったと思います」(本田監督)。運動量とスピードの差が顕著になった後半は、流通経大柏がやりたい放題。追加点こそ生まれなかったが、北越につけ入る隙を与えずに、一方的に攻撃を仕掛け続けて試合を終わらせた。
両チームの力の差が、そのまま試合結果に現れた形になったが、それでもなお、北越の戦い方は観客の心を捉えた。守備を切り崩されても、振り回されても、最後まで喰らいつき、局面の争いでは決して負けてはいなかった。流通経大柏が決定機を決め切れなかったという側面もあるが、流通経大柏のシュートがゴールを捉えられなかったのは、北越が「最後まで諦めない姿勢」を貫いたことが少なからず影響したことは確かだろう。北越の選手権は3回戦で終わったが、自分たちの力を出し尽くした選手権だった。
インターハイ、高円宮杯に続いて3大会連続の得点王を狙う大前元紀。この日はゴールはならなかったが調子は上向いてきている。
一方、「少しリラックスしてきたかなという感じですね。けが人が出たり、イエローが至りとかと言うことで、普段先発じゃない選手が頑張ったと思います」とは、本田監督(流通経大柏)の弁。北越から奪った2点目は、まさにその言葉通りの得点だった。「子どもには、もっと高い夢がありますから、何とかそこへ行かせてやりたい。一度は見たけれども、今度は別の大会で高校生のチャンピオン」(同)。その夢に向かって、流通経大柏は、また一歩を刻んだ。
| (流通経済大柏) | (北越高校) | |||||||
| GK: | 須藤亮太 | GK: | 渡邊貴也 | |||||
| DF: | 中冨翔太(69分/海老原慎吾) 天野健太 秋山心 比嘉祐介 | DF: | 美寺克久 板羽優 佐藤一機 | |||||
| MF: | 保土田春彦(76分/河本明人) 村瀬勇太 中里宗宏(77分/関田寛士) 田口泰士 | MF: | 佐藤雄亮(HT/本間新伍) 五十嵐尭幸 土沼祐司 細野王(59分/有田光希) 三澤大和(HT/富樫友和) | |||||
| FW: | 久場光 大前元紀 | FW: | 大野優 加藤大志 | |||||
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