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| webnews 08/01/11 (金) | <前へ|次へ|indexへ> |
圧倒的な声援を背に、都立の星、全国3勝目を手にする。
クロスを入れる三鷹のFW・吉野。
第86回全国高校サッカー選手権大会3回戦 三鷹高校vs.宮城工業高校
2008年1月3日(木)14:10キックオフ 駒沢陸上競技場 観衆:10,018人 天候:晴れ
試合結果/三鷹高校2−0宮城工業高校(前2−0、後0−0)
得点経過/[三鷹]繁澤(11分)、白井(24分)
取材・文/西森彰
序盤戦から優勝候補や常連校の敗退が目立った今大会は、格差の狭まりが感じられた。圧倒的な強さを見せるチームがない反面、あっという間に勝負が決まってしまうようなゲームも少ない。どちらに転ぶとも予測がつかない、そんなゲームの連続は一サッカーファンの視点から見ている私には、面白くてしょうがない。ジャイアントキリング、アップセットが相次ぐ大会のトレンドとも言えるのが、この3回戦で顔を合わせた宮城工業高校と都立校・三鷹高校である。
宮城工業は2回戦からの登場。名門・鹿児島実業高校を相手に劣勢が予想されたが、先手・中押し・ダメ押しと理想的なゲーム運びで3対0。あっと言わせる3回戦進出だった。三鷹のほうは、国立霞ヶ丘陸上競技場の開幕戦で高地中央高校に逆転勝ちを飾ると、2回戦は西が丘で矢板中央高校を降し、都立高校としては初めて同一大会2勝を飾った。
どちらにとってもキツい連戦だ。「宮城工業のほうが、昨日、ああいう試合をしていたので、だいぶ疲れが溜まっていたみたいですね。ウチもだいぶ疲れていましたけれども」と三鷹の山下正人監督。駒沢のバックスタンド、そしてメインスタンドの半分を占拠した学校関係者と、まだまだ快進撃を見守りたい都立ファンの声援も、三鷹を後押しする。
宮城工業の宍戸清一監督も、戦前からこの「アウェー戦」を懸念していた。「相手がどうこうというのはあまり考えませんでしたが、大きな声援などもあるので、今までとは違う展開になるとは思っていました。初めに失点をすると苦しくなる。だから、絶対に、先に失点はしたくなかったんですが…」。だが、その絶対にやりたくないゴールは、思わぬ形で生まれてしまう。
11分、ハーフウェーライン付近で得たフリーキックが、大きな意味を持つとは、キッカーの酒井大樹さえ、思っていなかっただろう。しかし、酒井の足から放たれたキックが伸びていく。このハイボールを競った敵味方の間で、捕球動作に入ったGK・土屋智紀がこれをファンブル。ボールは、宮城工業のゴールラインを割ってしまった。
「ああいう時間帯に失点をして、ちょっと浮き足立ってしまった」(宍戸監督)宮城工業に、三鷹は攻撃の手を緩めない。相手の3バックを、白井豪と吉野康次朗の2トップが変化をつけた動きで分散。マークの的を絞らせない。24分には、相手ボールをカットした玉江裕貴が、相手と入れ替わった白井にパス。裏に抜け出した白井はGKも落ち着いて交わし、追加点を加える。これでペースは完全に三鷹のものとなった。
守っては、酒井を1枚余らせた布陣で、ボールの出所となる遊佐史彦、佐々和彦を徹底マーク。特定のマークを持たない選手たちは、ボールを奪われた瞬間に、一番近くの選手を掴みにかかる。まるでイビチャ・オシム監督が指揮を執っていた頃のジェフ・ユナイテッド千葉を思わせる、そのスタイルは「あれができないとウチじゃレギュラーにはなれない」という山下監督の厳しい指導で培われたもの。後半は、宮城工業のパワープレーによって、40分間のほとんどを守備に追われながらもゴールは許さず、2対0で逃げ切った。
「自分たちのサッカーができないまま前半を終え、後半はバランスを崩してでも攻めなくてはいけなくなり…。結局、80分間、そういうサッカーになってしまった。自分たちとしては非常に残念」
メインスタンドのファンに挨拶する三鷹高校の選手たち。
宮城工業の宍戸監督は、敗れたことよりも自分たちのサッカーができなかったことを悔いた。それは、連戦の疲労もあったろうし、ひょっとしたら強豪校に勝ったことで、ある種の過信に似たものが生じたのかもしれない。これがこの年代のサッカーの難しさともいえるだろう。
逆に三鷹は、良い意味で勢いに乗っている。「サッカーの技術は変わらない。相変われず全然下手なんですけれども、それ以外の部分ですね。例えば不利な状況になった時に、お互いに励ましあったり、鼓舞しあったり、助けあったり…。そんな部分が雲泥の差です。やっぱり、目標がひとつになった結果だと思います」(山下監督)。
国立、西が丘、駒沢と都内3会場の全てで勝利を収め、準々決勝進出を決めた都立の星。その指揮官は、次の対戦相手がサッカー所・静岡の藤枝東高校に決まったと聞いて「藤枝東? 強いよね。向こうはサッカー王国だから県民の期待も背負ってくるんだろうし」と言って、ニヤリと笑った。
「ウチは東京都の期待を背負っているわけでもないし、強いて言えば、今日もみんなで応援に来てくれた都立ファンのために、ひとつでも頑張ってやりたい。今日も、やれるべきことを全てやろうと思って戦い、勝って、良かったと思います。80分やれば結果は付いてくるんですから、結果を見上げて試合をやるんじゃなくて、足下をしっかりと見つめて、自分たちのサッカーを良いコンディションでやれれば良いなと思っています」
| (三鷹) | (宮城工業) | |||||||
| GK: | 山下連 | GK: | 土屋智紀 | |||||
| DF: | 酒井大樹、林真人、繁澤健太、堂尾拓史 | DF: | 鎌田洋、大友健、堀江俊介 | |||||
| MF: | 北見拓也、山崎壮太、玉江裕貴、炭谷翔 | MF: | 鎌田浩一、佐々和彦、矢ノ目大介、遊佐史彦、鎌田啓嗣(22分/村上大介) | |||||
| FW: | 吉野康次朗(63分/大木大輔)、白井豪 | FW: | 大野友希(H.T/中原健太)、酒井宏人(53分/桃野俊介) | |||||
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