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 webnews 08/01/12 (土) <前へ次へindexへ>
さあ、国立へ!!我慢比べを制した流通経大柏は頂点を目指す。
守護神・須藤が流通経大柏を国立に導く。
第86回全国高校サッカー選手権大会 準々決勝 流通経大柏vs.東福岡

2008年1月5日(土)12:10キックオフ 市原臨海競技場 観衆:10,500人 天候:晴
試合結果/流通経大柏高校0−0東福岡高校(前0−0、後0−0、PK4−2)


取材・文/中倉一志

 必ずしも万全の体制ではなく、しかし、それでもベスト8に勝ち進んできた流通経大柏と東福岡。良くないなりに結果は出す。それは優勝候補に挙げられているチームの強さと、伝統校と呼ばれるチームの底力と言えるのかも知れない。その両校が合間見える準々決勝。地元チームが活躍する姿を、そして、伝統校の戦いを目に焼き付けるために足を運んだサッカーファンは10000人を越えた。準々決勝屈指の好カードは多くの注目を集めた。

「一度は見たけれども、今度は別の大会で高校生のチャンピオン。そこまでたどり着ければ指導者冥利ですね。とにかく、1試合、1試合勝つだけです」。3回線終了後に本田裕一郎監督(流通経大柏)は初めて優勝への思いを口にし、エース・井上翔太を累積警告で欠く森重潤也監督(東福岡)も「彼もまだこの大会を戦いたいだろうし、次の試合に向かって何とかプレーできる状況を作ってあげたいと思います」と勝利への強い意欲を口にする。そして、大観衆が見守る中、キックオフの笛が鳴った。



「百打一音」。サッカー部の信条を表した文字がバックスタンドを飾る。
 出場停止処分から名雪遼平が戻ってきた流通経大柏の布陣は4−4−2。この日は村瀬勇太を前線に置き、スピードあふれる突破が武器の久場光を右サイドに置いた。対する福岡は、串間雄峰、木藤雅卓、土器勝大の後ろに宇田侑二があまる変則の4バック。さらに宗田堅勇を右ハーフの後ろに置いて流通経大柏のエース・大前元紀のマンマークにつける。相手の特長を消すのが東福岡の戦い方。まずは流通経大柏の攻撃を封じることで試合をスタートさせた。

 試合は東福岡の狙い通りに進んでいく。要所を押さえる東福岡は、過去2試合でスピードある突破をフルに発揮していた久場に突破を許さず。流通経大柏のサイド攻撃を封じ込めた。そして、機を見て大きな展開から攻撃を繰り出してチャンスを作り出した。しかし、流通経大柏も黙ってはいない。攻撃の手を制限される戦いも、10分に田口泰士が放ったミドルシュートを皮切りに、いくつかのチャンスを作り出す。研究されているのは覚悟の上。その中でシュートまで持ち込む力は、さすがは優勝候補と目されるだけのことはある。

 相手の攻撃に最大限の注意を注ぎ、少ないチャンスに勝機を見出そうとする東福岡。ジリジリした展開の中にも、慌てずにボールをポゼッションして、わずかな隙を見つけて仕掛けようと虎視眈々と構える流通経大柏。高い緊張感を伴った我慢比べの時間帯が続く。ともに放ったシュートは流通経大柏の5本に対し、東福岡の4本。東福岡にとっては狙い通り。そして流通経大柏にとっても想定の範囲内。がっぷり四つに組んだ試合はスコアレスで前半を折り返した。



東福岡応援席には「鎧袖一触」の横断幕。
 後半開始直後の45分。流通経大柏が最大のチャンスを迎える。ペナルティエリア深いところからの折り返しを、正面でフリーになったいた大前元紀がシュート。このシュートがDFにあたってこぼれたところを田口泰士が狙う。さらに61分には、直接FKがこぼれたボールをつないで田口泰士が狙い済ましたシュートを放つ。いずれもゴールをわずかに外れたが、じわじわと流通経大柏が東福岡を追い詰め始める。だが、東福岡も粘り強く試合を進めていく。

 しかし、押し込みながら決定機を作れない流通経大柏と、粘り強く戦って少ないチャンスにゴールを目指す東福岡という図式は基本的には変わらない。流通経大柏は74分にも決定なチャンスを掴んだが、これは東福岡の体を張ったDFにはじき返された。結局、互いにゴールへ向かう意欲は見せながらも、相手の最終ラインを崩しきることが出来ないままにタイムアップ。国立への切符はPK戦に委ねられることになった。

 流通経大柏の先攻で始まったPK戦は、東福岡の2本目をGK須藤亮太が完璧に読みきってセーブすれば、東福岡のGK上田耕治が流通経大柏の4人目をセーブして振り出しに。一歩も譲らない戦いはPK戦に入っても続く。そして迎えた東福岡の4人目のPKを再び須藤が好セーブ。最後は流通経大柏の5人目のキッカーとして登場した村瀬が確実にゴールネットを揺らして決着をつけた。この試合に限っては両チームに力の差はなかった。しかし、これもサッカーだ。



PK2本を止めた須藤亮太。今シーズン、公式戦でのPKはすべて止めている。
「亮太(須藤)でPKは負けたことない」。本田監督が全幅の信頼を寄せるGK須藤が、この日も見せた。レギュラーの座を掴んだ今シーズンは、公式戦でのPKはすべてストップ。この日の1本目は完璧にコースを読みきり、2本目は沸きの下に入った難しいボールを見事にキャッチして見せた。これで全国の頂点まであと2つ。高円宮杯以降、ハードスケジュールの中でリフレッシュする時間もないままに臨んだ高校選手権だったが、チャンピオンの座が確実に見えてきた。

 一方、2年ぶり13回目の出場の東福岡は、サッカー強国として知られる九州勢が速いラウンドで姿を消していく中、九州勢としての意地を見せたが、その反面、あと一歩のところで国立を逃す悔しい結果に終わった。しかし、比較的現実重視のサッカーをしながらも、大きなサイドチェンジを交えた東福岡らしいサッカーも随所に披露した。頂点を目指しての戦いはベスト8で幕を閉じることになったが、自分たちの持ち味を発揮できた大会だったと言えるだろう。







(流通経済大柏) (東福岡)
GK: 須藤亮太 GK: 上田耕治
DF: 中冨翔太 天野健太 秋山心 比嘉祐介 DF: 宇田侑二 串間雄峰 木藤雅卓 宗田堅勇
MF: 久場光 中里宗宏 名雪遼平(75分/海老原慎吾) 大前元紀 MF: 土田太陸 土器勝大 皿谷圭史郎 横山博一 山田健太朗(73分/慶越仁)
FW: 村瀬勇太 田口泰士(66分/河本明人) FW: 深町伸太朗
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