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| webnews 08/01/30 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
可もなく、不可もなく。第2次岡田ジャパンはドローで発進。
岡田ジャパンを一目見ようと、合宿地にはファンの車が集結。
キリンチャレンジカップ2008 〜ALL FOR 2010!〜 日本代表vs.チリ代表
2008年1月26日(土)19:14キックオフ 国立霞ヶ丘陸上競技場 観衆:37,261人 天候:晴
試合結果/日本代表0−0チリ代表(前0−0、後0−0)
取材・文/西森彰
「1時間以上前にはもう埋まっていましたね。今日は本当に多いです」
「満車」と掲示されたボードの横で、合宿見学に来るファンの整理にあたっていた合宿地のスタッフは笑顔を見せた。1月19日(土)、岡田ジャパンの、2008年初めての練習試合を一目見ようと、地元のサッカーファン、そして親子連れなどでグラウンド脇に張り出されたロープ沿いに列ができる。
芝生が急な斜面になっている上部が報道陣用のエリアとして与えられていたが、そこへ腕白な子供たちがロープを潜り抜けて侵入する。最初のうちこそピッチ上で行われる練習に興味を示していたが、そのうちに飽きて遊び始める。これを見て地元の警備スタッフが、追い出しをかける。そんな騒動の中で、巻誠一郎がゴールを決める。ロープに張り付いていたファンから拍手が上がった。首都圏に比べれば寒さも幾分マシな鹿児島での2008年度初合宿は、牧歌的な雰囲気に包まれていた。
そんな中、中盤を逆三角形に組んだ4-1-2-3システムでトレーニングマッチに臨む。「新システム」と報道されていたが、これは実戦を想定したものというよりも、選手の特徴を把握するためのフォーメーションだろう。初顔合わせのメンバーが混じった状態でこのシステムを組むと、選手同士の距離がほぼ等分され、局面ごとに相性や個性が出やすい。実戦用のユニットを見極めるためのものだろう。
スパーリングパートナーを務めた鹿屋体育大との力関係や、ふるい落としを兼ねたサバイバル合宿ということもあり、選手たちは前がかりなポジションをとった。必然的にきれいなカウンターを浴びる場面も増えた。オフ明けで体がまだまだ重い選手も多く「50%前後」という岡田武史監督の採点どおり、低調な内容だった。
それから1週間、九州選抜との練習試合と1次選考、さらに移動を挟み、第2次岡田ジャパンは国立霞ヶ丘陸上競技場で新ユニフォームのお披露目に臨んだ。インターナショナルマッチ初戦の相手は、南米の古豪・チリだ。左右のゴール裏、そしてメインスタンドはほぼ満席となったが、バックスタンドには大きな空席ゾーンが広がっている。
チリ代表の指揮官はマルセロ・ビエルサ監督。アルゼンチン代表を率いて、近年では最高レベルにある組織的なチームを作り上げたが、ピークを迎えるのが早過ぎた為、他国に研究され尽くされた。2002年の日韓W杯ではグループリーグ敗退の憂き目にあったが、2004年のアテネ五輪で金メダルを獲得。コーチ人生としての汚点を払った上で、その座を退いた。
24歳以下と若いメンバーを率いての来日。もちろん選手たちの経験不足は否めない。だが、規律を重んじるビエルサ監督にとって「フル代表レギュラーへの階段」という餌をぶら下げて、チャンスに飢えている若手を使える。決して舐めてかかれる相手ではない。事実、高い位置から若さに任せて、どんどんプレッシャーをかけてくる。この時期の相手としては手ごろな対戦相手だった。
この夜、日本は4-1-3-2で臨んだ。2列目の中村憲剛は遠藤保仁と並んで中央に位置し、中盤の右サイドはスペースができている。守備時には2トップのひとり、主として巻がカバーに戻ることが多く、時間帯によっては合宿中の練習試合でやっていた4-1-2-3に見えなくもない。19歳・内田篤人の起用は、右サイドにできる、このスペースを生かした攻撃参加だったはず。しかし、対面するジャン・ボセジュールの仕掛けを警戒して、なかなか意識が前に出ない。
内田が釘付けにされて動きがとれない右サイドに比べて、左サイドはもともとのポジションが安定していることもあり、目指す方向性を出せた。数本のショートパスをつなぎながら、良い組み立てができた。その証拠が駒野友一のボールへの絡み。高い位置まで顔を出し、前後半で合計3本のシュートを記録している。
FWについて言えば、合宿中から今ひとつのデキに感じられた高原直泰は、落ち着いて捌く局面も見られたが、ベストの状態とは比べられないほどのデキだった。大きく枠を外すチーム最初のシュートを放っただけ。途中交代で退いた。巻誠一郎も前線の選手では動きが目立ったほうだが、PKをもらえなかった最初のチャンスを含め、好機で判断がやや遅れがち。現時点での座席順が前のほうにある選手は、どうしてもピークを先に置きたがる。
逆に、ここで何か決定的な仕事をしないと、ベンチにも入れなくなる可能性がある控え組にとってはこのゲームも奮起の場だ。自分の状況を一番理解していたのは、大久保嘉人だった。高原と交代でピッチに入ると、いきなりスルーパスに反応して、GKを交わすビッグチャンスを引き出す。その後も、動き出しのスピードでチリDFから離れ、寄せてくるところを一発のフェイントで交わしてドライブシュートを放つなど、両チームを通じて最多となる4本のシュートを放った。
チリGKミゲル・ピントの好セーブにあった、コーナーキックからのヘディングシュートはともかく、その他はいずれも力が入り過ぎてのシュートミス。「結果を出したかったんですけれども…。あそこで大久保が1点、2点決めて『全て良かった』となるよりも良かったのではないかと思っています」。調整を兼ねた親善試合ということもあり、岡田監督もこの日の逸機には目を瞑った。
結局、後半に数回訪れたチャンスを活かしきれずに0対0。内容的にはビエルサ監督が言うように「前半はチリ、後半は日本」という試合だった。互いにプレスをかけあう中、オープンゲームのような局面はついに見られず。「まず、チリが本当に素晴らしいチームで、90分間あれだけプレッシャーをかけてくれたことで、いい試合、いい経験が出来たと思っています」と岡田監督の言葉どおり、タイ戦へのステップとしては満足すべきだろう。
タイ戦に向けた課題としては「岡田監督の目指すサッカーの方向性」やら何やらよりも、選手たちのコンディションが第一。鹿児島合宿の練習試合から、このチリ戦までを見ても大きな良化は見えていない。もちろん、こんなところで100%の仕上げをしていては、シーズン途中で失速という危険性も孕んでいる。
冷凍庫のようなスタジアムで寒さに耐えながら見ていると、結果を伴わないゲームにはやっぱりイライラしてしまう。ここ暫くは状況を踏まえて、合宿見学をしていたファンのように、大らかな気持ちで見守るとしよう。
| (日本代表) | (チリ代表) | |||||||
| GK: | 川口能活 | GK: | ミゲル・ピント | |||||
| DF: | 内田篤人(71分/加地亮)、中澤佑二、阿部勇樹、駒野友一 | DF: | ガリー・メデル、ハンス・マルチネス、ゴンサロ・ハラ | |||||
| MF: | 鈴木啓太、中村憲剛(80分/山瀬功治)、遠藤保仁、山岸智(57分/羽生直剛) | MF: | マヌエル・イトゥーラ、マルコ・エストラーダ、ロベルト・セレセダ、ペドロ・モラレス | |||||
| FW: | 巻誠一郎(80分/矢野貴章)、高原直泰(62分/大久保嘉人) | FW: | ゴンサロ・フィエロ、エドゥアルド・ルビオ、ジャン・ボセジュール | |||||
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