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| webnews 08/02/05 (火) | <前へ|次へ|indexへ> |
日本、3−0で快勝!W杯予選への準備は整ったか。
キリンチャレンジカップ2008 〜ALL FOR 2010!〜 日本代表vs.ボスニア・ヘルツェゴビナ代表
2008年1月30日(水)19:20キックオフ 国立霞ヶ丘陸上競技場 観衆:26,971人 天候:曇
試合結果/日本代表3−0ボスニア・ヘルツェゴビナ代表(前0−0、後3−0)
得点経過/[日本]中澤(68分)、山瀬(83分、88分)
取材・文/中倉一志
岡田ジャパンの第2戦。平日開催ということもあってかスタンドには空席が目立った。公式入場者数の26,971人は、国立競技場で行われた日本代表戦としては、1995年のパラグアイ戦に次ぐ2番目の少なさ。サポーターの応援は途切れがちで、国立競技場には調整試合の雰囲気が漂う。ボスニア・ヘルツェゴビナのメンバーは国内組中心。しかも、シーズンが明けたばかりで、選手たちは調整を始めた段階という事情も影響していたのだろう。W予選を1週間後に控えているとはいえ、「まだ3次予選」という気持ちもあったのかも知れない。
しかし、記者会見場の雰囲気は全く違う。チリ戦では温かく見守ろうという空気もなかったわけではないが、この日の会見では、質問する側も、答える側も、その言葉の端々にわずかながら角が感じられる。表面上は同じようにふるまっていても、その間には微妙な緊張関係が成立している。わずか4日間で大きく変わった空気。試合後に、某紙が「岡田采配、試行錯誤」と題して、意図的に岡田監督のコメントを並べたのも、ことの正否は別にして、岡田監督が芸能タレントからの取材を拒否しているという報道がなされたりしたのも、そういった空気と無縁ではない。
それも、これも、目の前に迫ったW杯予選の影響であることは言うまでもない。国の威信をかけた戦い。それを勝ち抜くためにはチームだけではなく、日本全体がひとつになって戦えるかが最大のポイントだが、だからこそ、結果や内容に対して厳しい意見が浴びせられる。負けてからでは遅い。その気持ちがチームに対して批判的な目を向けさせることもある。次第に高まっていくメディアとの緊張関係をチームのプラスにできるのか、それともマイナスにしてしまうのか。それもW杯予選を勝ち抜く大きなポイントのひとつだ。もちろんそれは、チームだけではなく、メディアに対しても問われることではあるが・・・。
さて、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦。チリ戦と合わせたこの2試合がタイ戦に向けた準備を重ねる試合であることは明白だが、最優先事項は、岡田サッカーの方向性の是非でも、岡田サッカーの成熟度でもない。まずはW杯予選の初戦を勝ち抜くコンディションを整えること。それは、フィジカルコンディションはもちろんのこと、チームが同じ方向を向けるのか、その方向に沿って臨機応変に対応できるのかというメディカルコンディションも含めてのことだ。結論から言えば、まずまずの準備が進んでいると見ていいだろう。
ボスニア・ヘルツェゴビナがチリのように激しいプレスをかけてこなかったこともあって、この日の日本は人もボールもよく動いた。ボールを奪ってから次のプレーへの移行が遅れたチリ戦のような閉塞感はない。中でも活性化したのは右サイド。中へ絞ってプレーする中村憲剛が空けるサイドのスペースを高い位置取りから内田篤人が何度も駆け抜けた。そして、サイドに起点を作ることで中央にできるスペースを使うのも試合前の狙い通りだった。
また、「サッカーというのは自分たちだけでやるのではなく相手があること。いろんな状況に対応しなくてはいけないものだと思っているので、そういう意味では今日は選手が自分たちで対応してくれた」という岡田監督の言葉通り、ショートパスをつないでからのサイドチェンジを織り交ぜた大きな展開や、ボールを奪い返してからのカウンターなど、臨機応変な対応もできていたと見ていい。山瀬功二が挙げた2得点も、「2列目から飛び出したらフリーになる」という岡田監督の指示を忠実に実行した結果だった。
もちろん、課題も残されている。前半は「相手のペースに合わせてしまってテンポが遅かったし、きれいな形を作ることばかりに意識がいっていた」(岡田監督)こともあって、ゴールを奪うという意識は、それほど強く感じられなかった。前半に限って言えば、観客も、メディアも、結果を伴わないゲームにイライラを募らせたことだろう。新しいチームの方向性を意識しすぎた面もあるのだろうが、すべての戦術はゴールを奪うために存在するものだ。この傾向は代表に限らず日本人選手に多く見られるものだが、結果を意識したプレーを求めたい。
また、3得点という結果は評価できるが、額面通りに受け取るわけにもいかない。
「60分過ぎたあたりでコンディションがガクンと落ちた。気候の違い、時差が影響してフィジカルが落ちて、それに伴い集中が途切れたためにミスが多くなった」(メホ・コドロ監督/ボスニア・ヘルツェゴビナ)
「CKから1点目が入ったことが大きかった。その後は、相手のコンディションが悪くて足が止まった」(岡田監督)
両監督のコメントにあるように、ボスニア・ヘルツェゴビナのフィジカルコンディションが悪かったのは明らか。何とか頑張ってはいたが、1点を失ったことで緊張の糸が切れたことは否めない。また、チリ戦の無得点に対し、この日は3得点と結果には大きな差が表れたが、それは違うサッカーをしたからではなく、相手が自分たちのサッカーをさせてくれなかったか、させてくれたかの差。思い通りにサッカーをさせてくれない相手に対し、どのように対応していくのかという課題は、これからキャンプと試合を繰り返しながら解決していかなければならない。
さて、明日のタイ戦で日本は再びW杯への挑戦を始める。ここまで3大会連続でW杯本大会への出場権を獲得し、アジアではトップクラスの実力を誇るようになった日本だが、それはW杯予選を勝ち抜くことの保障にはならない。いつの時でも、どんな相手でも、W杯への道は険しく厳しいもの。世界ランキングの差や、過去の対戦成績は参考程度のものでしかない。まして、特別な意識が働く初戦が難しいのは、長くサッカーに親しんでいらっしゃる方に説明するまでもないだろう。
「うまくいったかは別として、両試合ともある程度テーマというか、目的はチェックできたと思っている」と、ここまでの2試合を総括した岡田監督。その上で、どうコンディションを整えて大事な初戦に臨むかに注目が集まる。おそらくタイは、守りを固めておいて、カウンター、あるいはセットプレーからの得点を狙ってくる。そんなタイに対し、多少のリスクは覚悟の上で攻め抜くとする岡田監督。今は100%の内容を求める時期ではないが、まずは勝ち抜く強さを見せて欲しい。
| (日本代表) | (ボスニア・ヘルツェゴビナ代表) | |||||||
| GK: | 楢崎正剛 | GK: | ケナン・ハサギッチ | |||||
| DF: | 内田篤人、中澤佑二、阿部勇樹、駒野友一 | DF: | スタニシャ・ニコリッチ(53分/ボヤン・レゴイエ)、ベルミル・ビディッチ、エミル・スパヒッチ、サミル・メルジッチ | |||||
| MF: | 鈴木啓太、中村憲剛(78分/今野泰幸)、遠藤保仁、大久保嘉人(88分/羽生直剛) | MF: | ブラスティミル・ヨバノビッチ(HT/アメル・ユーゴ)、ダリオ・ダムヤノビッチ、アドミル・ブラダビッチ(61分/アレン・シュコロ)、ムラデン・ジジョビッチ(83分/セミル・スティリッチ)、ミルコ・フルゴビッチ(83分/フェナン・サルチノビッチ) | |||||
| FW: | 巻誠一郎(33分/山瀬功治)、高原直泰(82分/幡戸竜二) | FW: | アドミル・ラシュチッチ(HT/ステボ・ニコリッチ) | |||||
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