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| webnews 08/02/20 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
日本痛恨のドロー。北朝鮮の狙いにはまる。
東アジアサッカー選手権2008 決勝大会 日本代表vs.北朝鮮代表
2008年2月17日(日)19:15キックオフ 重慶・オリンピックスポーツセンター
試合結果/日本代表1−1朝鮮民主主義共和国代表(前0−1、後1−0)
得点経過/[北朝鮮]チョン・テセ(5分)、[日本]前田(69分)
文/中倉一志
日本の選手たちにスタンドから容赦ないブーイングが浴びせられる。それは2005年のアジアカップで日本に浴びせられたものよりは幾分小さな気もするが、それでも重慶が日本にとっては完全アウェーであることを思い知らされる。しかし、この環境でも勝利を挙げることがアジアトップクラスの日本には求められていること。布陣は鈴木啓太を中盤の底に置いた4−4−2。先に行われたW杯3次予選のタイ戦の先発メンバーとは7人が入れ替わったが、勝利を目指すことに変わりはない。
対する北朝鮮は世界ランキング120位。数字の上だけなら日本(同35位)にとっては格下と呼べる相手だ。しかし、国際舞台では何が起こるか分からないのがサッカーというスポーツ。事実、前回大会の初戦では日本は北朝鮮に0−1で敗戦を喫しており、決して侮れない相手だ。「骨が折れても勝利を目指す」とは川崎フロンターレに所属するチョン・テセの言葉。5−4−1の布陣で守りを固め、少ないチャンスを生かすのが狙いか。
ところが、北朝鮮は意に反してアグレッシブに挑んできた。ボールホルダーに対して高い位置からプレッシャーを仕掛け、奪ったボールをチョン・テセへ。そして、パク・ナムチョルと、ムン・イングが前線に飛び出して攻撃をフォローする。「立ち上がりに相手が積極的に来たせいで少し消極的になってしまった」(岡田監督・日本)。日本が戸惑い、相手を受けてしまっているのがプレーから伝わってくる。そして、その流れのままに日本は1点を失った。
時間は5分。ゴール前やや右よりの位置で楔のボールを受けたチョン・テセが素早く反転。4人に囲まれる中ゴールに向かってドリブルを仕掛けてから左足を一閃。次の瞬間、日本のゴールネットが揺れた。思いもよらぬ早い時間帯での失点。チョン・テセの能力の高さを誉めるべきか、4人で囲みながら何も出来なかった日本の守備を悔やむべきか。いずれにせよ、日本は大きなビハインドを背負っての戦いを強いられた。
その後、日本はボールを支配して組み立てようとするものの、素早く戻って守りを固める北朝鮮の前にチャンスを見出すことが出来ず、その一方で、ここぞと言うところでは積極的に前に仕掛けてくる北朝鮮に押し返されて、自分たちのリズムが刻めない。30分過ぎから、サイドを使ってシュートチャンスを作るようにはなったものの、やはり、北朝鮮の守備を崩すには至らず。前半は北朝鮮の狙い通りの形で終了する。
後半に入って内田篤人を高い位置に出してサイドにボールを集める日本。だが、チャンスは遠い。確かにきれいにボールは回る。その攻撃は教科書に書かれているようにオーソドックスなものだ。しかし、前に仕掛ける姿勢が欠如した攻撃では、守備意識をより高くしてゴール前に厚い壁を築く北朝鮮にダメージを与えられるはずもなかった。しかも、リズムが良くなりかけると、北朝鮮にカウンターを仕掛けられて戻される。この繰り返しで試合が進んでいく。
閉塞感が次第に高まっていく中、岡田監督が選んだ策は安田理大、前田遼一を投入すること。縦に仕掛けることが出来る選手を投入することで自体の打開を図る。そして投入から4分後、その期待に2人が応えた。左サイドを得意のドリブルで駆け上がった安田が深い位置からクロス。GKの手を掠めたボールを前田が頭で押し込んだ。だが、日本は個々から勢いに乗れず。中途半端に仕掛けてはカウンターを仕掛けられる展開を繰り返す。
どうしても勝利が欲しい日本は77分、内田に変えて駒野友一を投入。遠藤の位置を中へシフトさせて攻撃を仕掛ける。しかし、やはり仕掛けが足りない。きれいにボールを回し、サイドから攻め上がり、そしてクロスを入れるものの、それ以上のものが生まれない。逆に38分にはカウンターからチョン・テセから強烈なシュートを浴びせられるシーンも。最後は攻める形を見つけられなくなったまま、1−1のドローで初戦を終えた。
リーグ戦では負けないことが大事。初戦を引き分けたことは必ずしも悪い結果とは言い切れない。「こういう大会は試合をしながらリズムを上げていき、次は良いプレーを披露したい。中国は勢いのあるチームだが、コンディションを整え、我々の良さを出せるようにしたい」と岡田監督は試合を振り返った。しかし、それでもなお不満が残る。結果はもとより、その内容も次の試合が見えるものではなかったからだ。
最も警戒すべきチョン・テセに思うようにやられ、しかも絶対にやってはいけない先制点を与えてしまったこと。これがこの試合のすべてだった。どんな相手でも、試合のポイントを抑えられなければ結果が得られないのは自明の理。やられてはいけないことを、開始早々の時間帯に許したところに、今の代表チームのもろさが見える。
そして、最後まで仕掛ける姿勢が不足していたこと。確かにきれいにボールを回し、自分たちの形からチャンスも作り、シュート数は北朝鮮の倍を数えた。しかし、それだけではゴールが生まれないのが国際舞台。まして1点のビハインドの中で守りを固める相手を型どおりの攻めで崩せるほど甘くない。個人での仕掛けが足りないのは、いつの時代も日本の課題と言えるものだが、そこからの脱皮なくしては更なる高みは望めない。
次は完全アウェーの中での地元・中国戦。北朝鮮以上に厳しい戦いが強いられることになるが、その中で日本は自分たちに欠けているものを手に入れようとプレーできるるのか。そこに注目したい。
| (日本代表) | (北朝鮮代表) | |||||||
| GK: | 川島永嗣 | GK: | キム・ミョング | |||||
| DF: | 内田篤人(77分/駒野友一) 中澤佑二 水本裕貴 加地亮 | DF: | ハン・ソンチョル リ・グァンチョン パク・チョルジン リ・ジョルニ ナム・ソンチョル | |||||
| MF: | 鈴木啓太 山岸智(65分/安田理大) 羽生直剛 遠藤保仁 | MF: | パク・ナムチョル(78分/チェ・チョルマン) アン・ヨンハ キム・ヨンジュン(68分/キム・グムイル) ムン・イング | |||||
| FW: | 田代有三 播戸 竜二(64分/前田遼一) | FW: | チョン・テセ | |||||
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