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 webnews 08/03/17 (月) <前へ次へindexへ>
香川の2発、相澤の堅守、C大阪に勝利を呼び込む。
Jリーグ ディビジョン2 水戸ホーリーホックvs.セレッソ大阪

2008年3月9日(日)13:05キックオフ 笠松運動公園陸上競技場 観衆5,437人 天候:晴
試合結果/水戸ホーリーホック0−2セレッソ大阪(前0−1、後0−1)
得点経過/[C大阪]香川真司(42分、85分)


取材・文/貞永晃二

 1日遅れのJ2開幕戦。Jリーグ最年少の木山隆之新監督を迎え上位進出を目指す水戸(昨季12位)が、ホーム笠松に迎えたのは昨季1年でのJ1復帰の夢が叶わなかったC大阪(同5位)だ。C大阪にとっては昨季J1昇格の夢を打ち砕かれたのは第51節のここ笠松のピッチ、水戸のホーム最終戦ということでまさに悔しい記憶が残る因縁の相手との一戦だ。



 キックオフ早々仕掛けたのはホームの水戸。右SBに入った金澤大将がスルスルと駆け上がり入れたクロスに専修大卒の新人・荒田智之がヘッドで合わせるが、ワクを外れる。C大阪もゼ・カルロスに代わる新たな左SB・尾亦弘友希のパスから香川真司がシュートを狙うがブロックされる。

 水戸は前線からの激しいチェイシングでC大阪のビルドアップを封じようとする。C大阪は水戸の攻撃的姿勢を真正面から受けて立つ形となっていく。しかし18分、香川のキープから尾亦、ボックス内のカレカへとパスがつながる。シュートを打たせまいと水戸DFが体を入れて、GK本間幸司がボールを押さえ込み水戸はピンチを凌いだかに見えた。しかし主審はGKへのバックパスと判断しC大阪に間接FKを与える。このFKは結実しなかったが、この一連の判定に「切れた」木山監督がどうやら給水用のボトルを蹴り上げてしまい、主審に退席を命じられてしまう。失点していないだけに、木山監督の未経験さを露呈した「キック」となった。

 ジェルマーノ、柳沢将之と連続でイエローを受けたC大阪は、しだいに主審の判定に苛立ち、集中力を欠き、水戸の攻勢を後押ししてしまう。そして23分堀健人、30分と32分に荒田がチャンスを迎えるがC大阪の新守護神・相澤貴志の好セーブもあり決められない。さらに33分、がら空きのゴールを前に西野晃平が痛恨のシュートミス。西野はさらにC大阪DFラインの裏をつきこぼれをシュートするが、相澤に防がれる。

 押し込まれていたC大阪だったが、42分に鮮やかに先制する。左SB尾亦が前線にパスを送る。中央のスペースで濱田武がジャンプしながらダイレクトで左前方に落とすと、そこへ香川が長い距離を走り飛び出してきた。ソフトなボールタッチのあとゴールに向かう香川。GK本間のタイミングを狂わせるような右足アウト気味でのシュートはサイドネットに吸い込まれていった。

 リードを奪ったC大阪だが、前半終了間際自らを再び苦境に追い込んでしまう。ジェルマーノが自陣でマイボールを失い、奪い返そうとしてファウル、2枚目のイエローを受け「赤」をつきつけられたのだ。



 C大阪は後半開始からFW小松塁に代えて江添建次郎を投入する。羽田をジェルマーノのあとの左ボランチに1列上げて、江添は羽田に代わって左CBに入り、前線にカレカを残す4−4−1のシステムだ。C大阪に先制されたものの、ベテランのビジュと新戦力MF赤星貴文の技術と展開力をベースに、水戸は試合のペースを握る時間も長く、前半はシュート数でも相手を上回った。そしてさらに勢いを増して後半も水戸の攻撃が続く。

 左からのクロスのこぼれを法政大からの新人MF菊岡拓朗がダイレクトで狙う。さらに2トップの荒田、西野がC大阪ゴールに迫るが、ここもGK相澤が巨体で立ちふさがる。この後の菊岡、荒田の決定機も躊躇せず前へ飛び出しコースを狭めたシュートブロックで相澤はピンチをしのぎ続け、まさにマン・オブ・ザ・マッチのハイパフォーマンスを見せてくれた。

 チャンスらしいチャンスのないC大阪だったが、76分にカレカ、濱田から国見高出身のU-19代表FW白谷健人と酒本憲幸への交代が流れを引き戻す。二人は前への意識が強く、攻め疲れが感じられる水戸の両サイドを侵食していく。

 そして白谷がデビュー戦で初アシストを香川にプレゼントする。86分、左サイドからドリブルで仕掛けてカットイン、シュートタイミングで前方の香川へ鋭いパス。またもピタリとコントロールした香川が素早く左足を振ると、DFの股間を抜けたのか、GK本間はまたもタイミングが合わず、ボールはネットを揺らした。水戸に引導を渡したこの2点目の後も、C大阪は白谷、酒本を中心に攻め続けロスタイム3分を消化し6年ぶりの開幕戦勝利を決めた。



 冒頭に述べたように、昨年第51節で両チームは対戦している。あの試合との比較でも水戸のレベルアップは顕著だ。技術のある選手を効果的に補強し、前田秀樹前監督がリアクションからの脱皮を図った攻撃的なスタイルは木山監督の下でさらに進化していた。一朝一夕に上がらない決定力さえ向上すれば、目標の上位進出も望めるはずだ。

 2−0という結果だけ見ればC大阪の順当勝ちに思えるが、苦しみ抜いた船出となった。やはり攻撃の中心・古橋達弥の不在は容易には埋められないと痛感させられた。特に10人となってからは、リードを守る意識が強かったこともあって、攻撃に見るべきものはなかった。長いJ2のシーズンではケガや出場停止はつきものだ。「古橋頼り」の攻撃から脱却できなければ、昨季の二の舞もありえないことではない。次節ホーム開幕戦ではジェルマーノも出られない。古橋の復帰は濃厚のようだが、負傷明けの彼に多くを望むべきではないだろう。昨季の戦力を維持した上で若手選手の成長ぶりに期待がかかるC大阪だが、古橋以外にハートの強い選手がいないことは大きな不安材料だ。


(水戸ホーリーホック) (セレッソ大阪)
GK: 本間幸司 GK: 相澤貴志
DF: 金澤大将、平松大志、大和田真史、鈴木和裕(58分/小澤雄希) DF: 柳沢将之、前田和哉、羽田憲司、尾亦弘友希
MF: 菊岡拓朗、ビジュ(68分/眞行寺和彦)、赤星貴文、堀健人 MF: 濱田武(76分/白谷建人)、アレー、ジェルマーノ、香川真司
FW: 荒田智之、西野晃平(78分/塩沢勝吾) FW: 小松塁(HT/江添建次郎)、カレカ(76分/酒本憲幸)
SUB: 首藤慎一、森賢一 SUB: 山本浩正、丹羽竜平
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