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| webnews 08/03/28 (金) | <前へ|次へ|indexへ> |
仙台が粘り強さを発揮。劣勢の試合も1点を守りきる。
2008Jリーグ ディビジョン2 第3節 ベガルタ仙台vs.アビスパ福岡
2008年3月20日(木)13:06キックオフ ユアテックスタジアム仙台 観衆:15,626人 天候:雨のち曇
試合結果/ベガルタ仙台1−0アビスパ福岡(前1−0、後0−0)
得点経過/[仙台]中島(13分)
取材・文/中倉一志
ユアテックスタジアム仙台がゴールドに染まる。仙台サポーターにとっては待ちに待ったホーム開幕戦。あいにくの雨にもかかわらずスタジアムに足を向ける列は途切れることがない。最終的にスタンドを埋めた観衆は15,626人。そして、ウォーミングアップのために選手がピッチに登場すると、地の底から沸き上がるような野太い声がスタジアム全体を包む。どのチームもアウェーであることを否が応でも思い知らされるスタジアム。仙台にとってこれほどの力強い味方はいない。
一方、仙台に乗り込んできた福岡にとっては、いきなりの山場を迎えることになった。この仙台戦、その後につづく中2日で迎える甲府戦はともにアウェー。しかも、2チームともJ1昇格争いのライバルと目されるチーム。この時期のリーグ戦で目先の勝敗に一喜一憂することに多くの意味はないが、やはりライバルチームとの対戦は特別。アウェーとハードスケジュールというハンデを跳ね除けて勝ち点を確実に積み上げて福岡に帰りたい。まずは無失点で試合を終えること。それがこの試合の最優先課題だ。
ロペスがチームを離れたことで中盤にタメがなくなった仙台は、過去2試合で、奪ったボールを中原貴之にめがけて蹴る、極端に縦に速いサッカーを展開してきたが、この日は攻撃のリズムに変化が見られた。いきなり前線に預けるのではなく、一度中盤に入れてから両サイドへ展開。左からは関口訓充が、右からは菅井直樹が縦に仕掛ける。その勢いに押されて最終ラインが下がり、中盤との距離が空く福岡。そして、立ち上がりの主導権は仙台が握った。
その勢いのままに先制点を奪ったのは仙台だった。左サイドからのFKに対応した木谷公亮と黒部光昭がもつれるようにして転倒。このプレーでPKを与えられた仙台は、中島裕希が確実にゴールネットを揺らす。無失点の守備を最優先にしていた福岡にとっては、仙台の流れのままに、しかも、予想以上に早い時間帯での失点は喫してはならなかったもの。しかも、完全アウェー状態の中でビハインドを背負っての戦いは大きなハンデ。いきなり福岡は難しい状況に追い込まれた。
しかし、福岡はすぐに立て直す。まずは最終ラインと中盤の関係を修正。そして、中原との空中戦で長野聡が優位に立ち、梁勇基と菅井を、中島崇典と久永辰徳が縦のポジションチェンジを繰り返して抑え込み、右サイドでは中村北斗と長野聡が連携して関口の動きを封じる。さらには縦に入れてくるボールに対しては激しくチャージ。仙台の最大のポイントである縦へのスピードを完全に殺した。そして、程なく主導権を奪い返した。
その福岡の攻撃の狙い目は、高い位置取りをする菅井の後ろに広がるスペース。そのカバーのために仙台のボランチが寄せてくると、中央にできるスペースに黒部光昭、大久保哲哉が入り込んでボールを受けて攻撃の起点を作る。中盤の攻防で後手を踏まざるを得なくなった仙台は、ポゼッションするのか、それとも攻撃に出るのか、あるいは守備を固めるのかの判断が曖昧で、マイボールも簡単に失って福岡の攻撃をさらされる時間帯が続く。
しかし、福岡にとって惜しまれるのは、攻撃面での連携に欠いて、この時間帯にゴールを奪えなかったこと。「もう少し精度があればやられかねなかった」とは手倉森誠監督(仙台)は振り返る。そして、後半に入ると仙台は現実路線へ転向。引いて守備を固めることで1−0での逃げ切りを図った。攻め上がる福岡と守ってカウンターを狙う仙台。試合の主導権を握って勧めるのは福岡だが、仙台も高い集中力を維持してゴールを許さない。
攻めながらもゴールが遠い福岡は、56分に中払大介に代えて田中佑昌を投入しサイドからの攻撃に厚みをつける。さらに73分には、足を攣った城後寿をベンチに下げて右SBの中村北斗をボランチへ。そして、山形辰徳、鈴木惇を両SBへ投入すると、前線の高さを生かすべくダイアゴナルのロングボールを放り込んで強引にゴールを奪いに出る。しかし、何が何でも守り通そうとする仙台と、力づくでこじ開けようとする福岡の攻防は互いに譲らず。結局、ライバル同士の対決の第一ラウンドは仙台が1−0で逃げ切った。
「立ち上がりから25分まで、我々のチームはかなり引きすぎ、それによって仙台の方が攻めの体制に入った。その後はリズムを取り戻し、後半に関しては、我々の方が主導権を握ったと思うし、ボールに触る回数も多かった。いい攻撃のシーンを作ったが、残念ながらものにすることが出来なかった」とは敗れたリトバルスキー監督(福岡)の弁。意図した通りの展開で仙台の攻撃を封じ、攻撃の形を作り、試合を支配していたのは間違いなく福岡で、その内容は決して悲観するものではない。しかし、やはり悔やまれるのは早い時間帯の失点。最低でも無失点で終えたかった試合だった。
一方、「我々がやろうとしていくサッカーができないときに、こういう試合をものにしていくというのは、これからずっと必要になってくる。僕らはこのサッカー、こういうメンタリティーでサッカーをやっていくしかない」とは勝利を手に入れた手倉森監督。ロペスが離れたチームは、リズムの緩急と、大きな展開を失ったが、この試合では、現実路線に徹した粘り強さを発揮。現時点では最高のパフォーマンスだったのではないか。しぶとく手に入れた勝ち点3を力にして、これからチームの幅をどうやっ増やしていくのか。それがシーズンを勝ち抜く課題になるのだろう。
| (ベガルタ仙台) | (アビスパ福岡) | |||||||
| GK: | 林卓人 | GK: | 神山竜一 | |||||
| DF: | 菅井直樹 木谷公亮 岡山一成 田村直也 | DF: | 中村北斗 長野聡 布部陽功 中島崇典(73分/鈴木惇) | |||||
| MF: | 千葉直樹 永井篤志(81分/田ノ上信也) 梁勇基(89分/渡辺広大) 関口訓充 | MF: | 中払大介(56分/田中佑昌) タレイ 城後寿(73分/山形辰徳) 久永辰徳 | |||||
| FW: | 中原貴之(67分/佐藤由紀彦) 中島裕希 | FW: | 黒部光昭 大久保哲哉 | |||||
| ※77分/主審:片山 義継 → 副審:村上 孝治 77分/副審:村上 孝治 → 第4の審判員:金澤 和夫 | ||||||||
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