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 webnews 08/04/14 (月) <前へ次へindexへ>
開幕戦に2000人以上が足を運んだ。
プレナスなでしこリーグ開幕! オープニングマッチは浦和が勝利。
プレナスなでしこリーグ2008 ディビジョン1 第1節 浦和レッドダイヤモンズレディースvs.アルビレックス新潟レディース

2008年4月12日(土)13:00キックオフ さいたま市駒場スタジアム 観衆:2,023人 天候:晴れ
試合結果/浦和レッドダイヤモンズレディース4−1アルビレックス新潟レディース(前3−0、後1−1)
得点経過/[浦和]北本(14分)、高橋(23分、32分)、[新潟]上尾野辺(52分)、[浦和]安藤(65分)


取材・文/西森彰

「20歳(ハタチ)になった私たち。」が「なでしこリーグ2008 オフィシャルガイドブック」の表紙に記されたコピーである。

 1989年に産声をあげた女子サッカーのトップカテゴリー・なでしこリーグは、株式会社プレナスをメインスポンサーに迎えて20年目をスタートする。そのオープニングゲームは、昨年同様に、浦和レッドダイヤモンズレディースとアルビレックス新潟レディースの顔合わせとなった。

 昨年度は2位から3位と順位をひとつ下げた格好の浦和だが、優勝した日テレ・ベレーザとは勝ち点差が僅かに3。リーグカップ、国体(混成チームで参加)が準優勝、全日本女子サッカー選手権でもベスト4と、優勝争覇圏内には食い込んでいる。今シーズンは新たな指揮官として村松浩監督を迎え、悲願の初タイトルを目指す。

 駒場に乗り込んできた新潟も、監督交代があった。こちらは奥山達之監督のもと、2年目のディビジョン1。懸念されるのは、昨年まで正GKを務めてきた轟奈都子の引退。GKのセービング力うんぬんではなく、短い時間で新たな連携を構築しなければいけないことによる、ディフェンス力の低下だ。実際、プレシーズンマッチを見る限りでは、その辺りに課題を残していた。



安藤がゴールに迫る
 初陣を前に両チームの指揮官は、チームオーダーに頭を悩ませた。

 新潟の奥山監督は、プレシーズンマッチでトップ下を務めることが多かった上尾野辺めぐみを最前線に送り、中島未来と川村優理がダブルボランチにボランチを組ませた。「中島と川村は良いスピードがありますし、かき回してくる相手についていけるんじゃないかと考えました」(奥山監督)。これは、トップ下に入ってくるだろう安藤なり、柳田なりを捕まえようという狙いだ。

 しかし、村松監督は、北本綾子の1トップ、トップ下に保坂のどかを入れた。「ケガで全体練習へ合流が遅れた安藤梢を先発で起用するかどうか」は直前まで悩んだらしい。結果として、2週間前のジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦で結果を残していた布陣でスタートし、エースはベンチに切り札として残した。

 村松監督が悩んだもう一点は、最終ラインで人に強い選手と、ボールを捌ける選手のいずれを選ぶかである。ここでは、矢野喬子とコンビを組むセンターバックに百武江梨を選んだ。高さがあり、矢野とは神奈川大学時代もチームメート。呼吸もあっているし、ボランチでもプレーしているように展開力もある。そして、サイドバックは右に土橋優貴、左に岩倉三恵と豊富な運動量と攻撃参加が期待できるふたりが入る。

 双方の思惑が4−4−1−1の合い四つを生んだのだ。



開幕戦は昨年と同じスコアになった。
 しかし、システムは似通っていても、選手の特徴に合っていたのは浦和のほう。両翼が攻め上がる浦和は、リンクマンとして貢献した保坂を含め、7枚の選手がビルドアップに参加できた。これに対して新潟は、展開力のある上尾野辺と牧野愛美が前に残され、ボールを奪った後も預けどころ、逃げ場に窮した。ハイプレッシャーの中で、双方にミスが生まれたが、その数は新潟のほうが多い。そして、ボールを失う回数に比して、ファールの数も増えていく。これが致命傷になった。

 前半14分、柳田がFKのボールをGKとDFの間に落とす。そこへ北本が飛び込んで頭を合わせ、浦和が先制。23分に得たFKも、高橋彩子が右足を振り抜いて追加点。32分には、高橋が左サイドからのCKを、直接ねじ込んで3点目。開幕直後でチームの連携が完成していない条件下では、セットプレーの持つ意味は大きい。左右の飛び道具を備えていることはやっぱり大きな強みだ。

 後半に入ると新潟も反撃に出る。そして52分に、スーパーゴールで一矢を報いる。ゴールから30メートル強のポイントで得たFK。牧野がタッチして軽くボールを動かすと、上尾野辺が効き足の左足を一閃。低い弾道からホップするような物凄いシュートが、浦和のゴールネットを揺らす。

 浦和も65分、後半から満を持して投入された安藤が、北本とのコンビネーションからドリブルでペナルティボックスに侵入。右足で放った強いシュートが、4点目を記した。



 新潟・奥山監督の「選手に緊張があってゲームを支配できなかった。3失点はセットプレー。流れの中で崩されたわけではないと思っています」という言葉は決して強がりではない。ただ、勝負を決めた3点が柳田と高橋のキックの技術だけで、処理できるものでもない。3失点につながったセットプレーは、繰り返される波状攻撃に耐えかねた新潟の選手がファールを犯して生まれたものなのだから。

 皮肉なことに、3失点後に中島を前線に上げ、上尾野辺を中盤に降ろすとボールが収まり、チームが落ち着き始めた。「3失点してから目が覚めた。その後はお互いに良いゲームができたかな。上尾野辺を後ろにおいて、中島を前で走らせたほうがよっぽどスムーズだった。浦和対策をいろいろと考えすぎました」(奥山監督)。結果から振り返れば、普通にサッカーをしたほうが良かった。

 次節のホーム開幕戦は、TASAKIペルーレFCが相手だ。会場は東北電力ビッグスワンスタジアム。昨年、日テレ・ベレーザから勝ち点1をもぎ取ったあの日を、再現できるか。



浦和のサポーターも勝ち点3を後押し。
 勝った浦和の村松監督は「今日は最初に緊張が見られましたけれども、これまで積み上げてきたものが6割、7割くらいは出せたと思います」と初白星に顔をほころばせた。「パスをつなぐ」「お互いの距離を意識する」といったチームとしての方向性を、選手たちが(ミスになったものを含めて)しっかりと捉えている。

 村松監督就任後、顕著なのがサイド攻撃の充実だろう。

 右サイドにはレフティの柳田を置いて「中村俊輔を意識してやってみろ」とハッパをかけている。後方から大外を駆け上がる土橋の深くえぐってからのマイナスのクロス。そして柳田の相手DFラインの後ろからGKに向かっていくようなボール。軌道の異なるふたつの方法で、ゴール前にボールを入れることができる。

 左サイドでは、自分で仕掛けてシュートまで持ち込める松田典子がサイドハーフに、上下動を繰り返しながらクロスを入れられる岩倉がその後ろにいる。こちらにも、複数の攻撃パターンが用意されているわけだ。

 FWに当てて個の力で打開を期待していた昨年よりも、攻撃のバリエーションは増えているように感じる。開幕戦ではディフェンスの完成度を計ることはできなかったが、このあたりも第2節以降で見えてくるだろう。あとは村松監督がなでしこリーグの基本情報をインプットしていく一巡目に、どこまでポイントを拾えるか。7試合を終えて、なお好位置をキープできているようなら、今年も優勝を争う資格を手に入れられるはずだ。


(浦和レッドダイヤモンズレディース) (アルビレックス新潟レディース)
GK: 山郷のぞみ GK: 諏訪江利乃
DF: 土橋優貴、百武江梨、矢野喬子、岩倉三恵 DF: 井上光保(87分/深田未央)、田中桜、山本亜里奈、江橋桂、野村千枝子
MF: 柳田美幸、庭田亜樹子、高橋彩子(87分/森本麻衣子)、松田典子(73分/木原梢)、保坂のどか(H.T/安藤梢) MF: 東山真衣子、中島未来、川村優理、口木未来(H.T/斎藤友里)、牧野愛美(73分/野村千枝子)
FW: 北本綾子 FW: 上尾野辺めぐみ
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