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 webnews 08/04/30 (水) <前へ次へindexへ>
C大阪、終盤の1点で、初顔合わせ熊本に冷や汗の勝利!
Jリーグ ディビジョン2 第9節 セレッソ大阪vs.ロアッソ熊本

2008年4月20日(日)13:04キックオフ 大阪長居スタジアム 観衆8,382人 天候:晴
試合結果/セレッソ大阪1−0ロアッソ熊本(前0−0、後1−0)
得点経過/[C大阪]ジェルマーノ(85分)


取材・文/貞永晃二

 ここまで、3勝4敗と負け越しているC大阪。アウェーゲームが続いたとはいえ、J1降格組の甲府、広島に連敗してしまった。特に広島戦では、真っ向から互角の勝負を挑んだ結果、彼我の「力」の差を思い知らされるショッキングな完敗(1−4)を喫し、レヴィー監督はいよいよメンバー変更を決断することになった。

 一方、岐阜とともにJ2昇格を果たした熊本は、開幕前の予想通り戦力面の苦しさは否めず、1勝2分3敗の14位と同じ昇格組の岐阜ほどの結果を残せていない。しかし、今のC大阪ならつけこむスキはある、とニューカマー特有の「上位食い」へのモチベーションは高い。



 C大阪のメンバー変更は次の通りだ。CB羽田憲司、右SH酒本憲幸、FWカレカの3人が外れ、それぞれ江添建次郎、FWから下がった柿谷曜一朗、2トップ小松塁、森島康仁が入った。GKは相澤貴志の負傷で山本浩正が昨季の移籍以来初の公式戦出場となった。

 一方の熊本も負傷離脱と復帰があり、前節(水戸戦)から大きくメンバーが様変わりした。GKにベテランの小林弘記を、右SB矢野大輔を左に回し、代わりに市村篤司が入る。ボランチの小森田友明が右SHへ、ボランチは喜名哲裕が外れ山口武士と山本翔平のコンビ、左SHに関光博に代わり車智鎬が入った。
 
 試合は一進一退の展開。まずチャンスを作ったのは7分の熊本。シンプルかつ正確に前線へとつなぎ、高橋泰のラストパスから中山悟志が抜け出しシュート、これはGK山本が反応鋭く防ぐ。C大阪も開幕戦以来久々登場した小松のシュートと「日本代表候補」香川のカーブシュートでお返しする。

 C大阪はサイドの守備が緩慢でプレッシャーがかからない。攻めでも守から攻への切り替えが遅いことに連係不足も加わり、ボールの譲り合いなど単純なミスが頻発し、みすみす熊本にカウンターチャンスを与えてしまう。熊本がミスでお返しをくれてなんとかピンチには至らないだけだ。

 それでもC大阪は香川、柿谷のドリブルからシュートチャンスだけは作れた。小松のダイビングヘッド、森島康のダイレクトシュート、さらに小松のヘッドと続くがワクをとらえられない。熊本も高橋泰に絶好機が来るがシュートはバーを越える。前半は相手の2倍のシュートを打ったC大阪だったが、印象に残ったのは熊本の全員の守備意識の高さと上村健一をリーダーとする最終ラインの踏ん張りだった。



 後半開始から森島康仁をスパっと白谷建人に代えたC大阪・レヴィー監督。「パワーからスピードへタイプを変えた」という45分での見切りは、前節までカレカに固執し続けていたのがウソのようだ。 

 熊本の「ゴン」中山のボレーで始まった後半。アレー、白谷と惜しいチャンスも決められず、C大阪は熊本の繰り出すロングカウンターに冷や汗をかく。攻めでは香川と柿谷が柔軟にポジションを交換しチャンスを模索するが、熊本の壁にはねかえされるばかり。

 70分を過ぎると、疲れが見え始めたC大阪に対し、満を持したように攻めに出る熊本。75分には中山が相手CBの連係ミスを突いてゴールへ独走するが、中山昇がなんとか戻ってコースを切り、大ピンチをしのぐ。そしてともに交代カードを切った。C大阪は中山、柿谷から酒本、羽田へのチェンジだ。酒本を右SBへ、羽田をMFセンターに置き、4−3−3にチェンジする。レヴィー監督お気に入りのトレス・ボランチだ。熊本は車をベテラン喜名に代えて、守備のてこ入れを狙う。

 C大阪は羽田が入り、ジェルマーノの位置がかなり前目になり、攻めがスムーズになる。CKからそのジェルマーノのヘッドが炸裂しあわやゴールかと思われたが、GK小林が必死に防ぐ。そして直後、ついに長かった均衡が崩れC大阪が先制する。

 85分、右サイドから振られたボールを駆け上がってボックス手前で受けた丹羽竜平がファーポストへクロスを入れる。白谷のヘッドはシュートだったのか、それとも折り返したのか、逆ポストへ飛ぶ。GK小林が何もできない位置へ飛んだボールにジェルマーノのすべきことは頭で合わせることだけ。もがき苦しみ抜いて決めたゴールだけにジェルマーノを中心に祝福と歓喜の大きな輪ができる。

 しかし87分、ここまで安定感を見せていたGK山本の飛び出しが遅れて市村にフリーヘッドを浴びて、最後まで冷や汗をかいたC大阪。なんとか久々のホームゲームで連敗を2でストップし、勝敗を五分に戻すことに成功した。



 会見場のテーブルに置かれた空気圧の足りないボールを見て、「このボールに似た試合」と記者たちを笑わせたレヴィー監督。まさに得たものは「結果」だけ、「内容」はなし、簡単に言えばそんな試合だった。しかし、長いリーグ戦ではこういう勝利があとあと響いてくるものだ。敗戦よりも引き分けが、引き分けよりも勝利が、いいに決まっているのだ。昇格のライバルに敗れ失った自信を取り戻すにはまだ時間が必要だろう。しかし、今のC大阪には下を向いている時間などない。C大阪を熟知する都並前監督率いる横浜FCとのアウェー戦までに、新メンバーのさらなる熟成を図らなければならない。

 一方の熊本の前途は明るいとも暗いとも言えそうだ。「明」は統率の取れた全員守備。「暗」はなんといっても決定力だ。失点1を責めるわけにはいかない。高橋、中山の2トップはそれなりの頑張りを見せたが、どうしても1点を、というときに、「高さ」あるいは「早さ」を持つスーパーサブ的なアタッカーが欲しいところだ。無いものねだりなのかも知れないが。


(セレッソ大阪) (ロアッソ熊本)
GK: 山本浩正 GK: 小林弘記
DF: 中山昇(80分/酒本憲幸)、前田和哉、江添建次郎、丹羽竜平 DF: 市村篤司、河端和哉、上村健一、矢野大輔
MF: 柿谷曜一朗(80分/羽田憲司)、アレー、ジェルマーノ、香川真司 MF: 山本翔平、山口武士、小森田友明(61分/西森正明)、車智鎬(78分/喜名哲裕)
FW: 小松塁、森島康仁(HT/白谷建人) FW: 中山悟志、高橋泰(88分/北川佳男)
SUB: 相澤貴志、カレカ SUB: 吉田智志、福王忠世
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