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 webnews 08/05/06 (火) <前へ次へindexへ>
我慢比べはスコアレスドロー。
2008Jリーグ ディビジョン2 第9節 モンテディオ山形vs.アビスパ福岡

2008年4月26日(土)13:04キックオフ NDソフトスタジアム山形 観衆:3,012人 天候:晴
試合結果/モンテディオ山形0−0アビスパ福岡


取材・文/中倉一志

「我慢比べ」。これが山形と福岡の戦いの常套句だ。昨年こそ、福岡が3勝1分という成績を収めたが、2006年までの通算成績は3勝10分3敗とまったくの互角。しかも福岡の16得点15失点とスコアまでもが拮抗している。互いにリスクを排除し、守備に重点を置くチーム同士の戦いは相手に1試合平均で1点しか許さず。ジリジリする展開の中、互いに譲らないというのが、これまでの戦い方の歴史だった。その傾向が昨年大きく傾いたのは、福岡が攻撃的なサッカーを志向していたからかもしれない。

 しかし、この日の試合は、再び過去の戦いを思い起こさせるようなシチュエーションが出来上がった。組織的な守備をベースにリスクを避けて戦う山形伝統のスタイルは、新たに就任した小林信二監督のもとでも変わらない。そして福岡が今年目指すスタイルは守備に重点を置いたチーム。ここまでの戦いでは、それでも守備が安定しないという課題を抱えていたが、前節の鳥栖戦は完封勝利。引き続き無失点試合をすることを目標としていたからだった。



 まず山形の戦いは予想通り。ややリトリートした体制で相手を迎え撃ち、入ってくるところを数的優位を保ってプレスを掛けてボールをからめ取る。奪ったボールはシンプルに前線の長谷川悠へ。そして、その周りにできるスペースを使って坂井将吾がドリブルを仕掛ける。基本的に中盤ではあまり手間はかけず、早めに前線にボールを送ることを優先事項にしている。最終ラインを統率するのはレオナルド。対戦相手に滅多なことでは最終ラインを割らせない。

 そして福岡が最優先にするのも守備。最終ラインを高い位置に設定して中盤をコンパクトに保ち、選手間の距離を短くしてプレスをかけに行く。そして奪ったボールは前線の大久保徹哉へ。高い位置で起点を作り、そこからカウンター気味に上がることが狙いだ。中盤で待ち受ける山形のゾーンではボールを回さず、セカンドボールを取られても、コンパクトなゾーンの中でプレスを掛けて奪い返す。福岡もロングボールが多いサッカーを展開した。

 一方、攻撃に目をやれば、コンディション不良のため、リチェーリが出場を回避した山形の迫力不足は否めなかった。そして福岡も、まずは無失点に抑えることに意識を傾注させていた。鳥栖戦を完封した守備を自分たちのものにすることが何よりも大事だったからだ。守備に意識を集中させ、攻撃は徹底してリスクを省く両チームの戦いは、予想通り、中盤で手数をかけずに前へ長いボールを送ることに終始することになった。前半に互いが放ったシュートは福岡が2本、山形は0本。これといった見所のないままに前半を終えた。



 そんな試合で最初にゴールチャンスをつかんだのは福岡。50分、CKからのゴール前での混戦から長野聡が右足で合わせたループ気味のシュートをGK清水健太がかろうじてゴールの外へはじき出す。さらに続くCKのチャンスでは、混戦から放ったシュートが1度はポストに、そしてもう一度はクロスバーを叩き、さらに続けて放ったシュートはGK清水がかき出した。いずれも微妙なシーン。しかし、入らないときはこういうものかもしれない。

 一方の山形は選手交代で流れを手に入れる。66分に坂井将吾に代えて本橋卓巳を投入。根本亮助をトップへ、宮崎光平を右に出す。さらに71分には北村知隆に代えて木藤健太。石川竜也をひとつ前のポジションに上げてサイドからの攻撃を活性化させる。両サイドへ起点を作ってグイグイと押し込みだす山形。福岡の足が止まり始めたこともあり、主導権は一気に山形へ。そして76分、長谷川とGK吉田宗弘が競り合うと、そのこぼれ球が長谷川の足もとに。目の前には無人のゴールが待つだけだったが、シュートを打ち切れなかった。

 その後、ともにゴール前への意識を高くして戦うもゴールチャンスは生まれず。それでも84分には、大久保が上げたボールに城後寿が相手DFともつれ合うようにしてゴール前に飛び込んでゴールネットを揺らすシーンが生まれた。静まり返るスタジアムの中で両手を突き上げる城後。しかし、主審はこのゴールをファールがあったとして認めなかった。結局、3分間のロスタイムを過ごしてもゴールは生まれず、試合はスコアレスドローに終わった。



 かつての山形vs.福岡を思い起こさせるような「我慢比べ」の試合。「(試合内容を振り返れば)今日の結果は両チームにとって公平なものだった」とリトバルスキー監督は残念そうに振り返ったが、これといった攻撃を仕掛けられなかった両チームにとっては、受け入れざるを得ない結果だった。九州ダービーの勝利をきっかけに上昇気流に乗りたかった福岡にとっても、一気に上位を窺える位置にいた山形にとっても勝点3がほしかった試合だが、長いリーグ戦では負けないことが第一。両チームともに、まずは良しとしなければいけない結果だったろう。

 しかも、この日を皮切りにJ2は16日間で5試合という厳しい日程が始まる。まずは確実に勝点を積み上げることが求められる中では決して悪い結果ではない。むしろ大切なのは中2日で迎える次の試合。この日の勝点1を生かすも、殺すも、次の試合にかかっている。


(モンテディオ山形) (アビスパ福岡)
GK: 清水健太 GK: 吉田宗弘
DF: 宮本卓也 レオナルド 小原章吾 石川竜也 DF: 中村北斗 長野聡 柳楽智和 宮本亨
MF: 根本亮助 宮崎光平 佐藤健太郎(89分/秋葉勝) 北村知隆(71分/木藤健太) MF: 田中佑昌(81分/山形辰徳) 久藤清一(45分/城後寿) タレイ 久永辰徳
FW: 長谷川悠 坂井将吾(66分/本橋卓巳) FW: 大久保哲哉 グリフィス(80分/黒部光昭)
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