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| webnews 08/05/29 (木) | <前へ|次へ|indexへ> |
アジアの頂点へ、そして北京のメダルへ。
数多くののぼりが沿道ではためく。
AFC女子アジアカップ ベトナム2008キャンプレポート 成功裏に終わった美作キャンプ
取材・文/西森彰
岡山県北にある美作市。作陽高校、そして岡山湯郷Belleらの躍進で、サッカー熱を帯びてきた地域である。熱いラブコールを受ける形で、なでしこジャパンは、女子アジアカップへ向けた直前合宿をこの地に張った。
「天候にも、環境にも、そして地元・美作の皆さんの熱い応援、サポートにも恵まれています。たくさんの人が応援にも来てくれますし、作陽高校、吉備国際大学の選手が合同練習に来てくれて、地域を挙げていろんな側面からサポートしてもらって、良いキャンプになっています」
キャンプの終盤、佐々木則夫監督に合宿の手応えを尋ねると、明るい表情で答えが帰ってきた。
今回の合宿は「晴れの国」の名に違わぬ、好天に恵まれた。何しろ、雨が降ったのは当初からオフに予定していた5月19日(月)の午後だけ。佐々木則夫監督らスタッフが組み立てた練習メニューは、順調に消化されていった。
地域ボランティアの活躍も目立った。スタンドの警備や、取材受付、駐車場の誘導係、なでしこリーグ各チームのグッズ販売など、それぞれの担当業務を精力的にこなした。
美作地区の小中学生も、のぼりにイラストやメッセージをそれぞれ書き込んだ。その数、約300本。美作ラグビー・サッカー場へ通じる道にのぼりがはためくのを見ていると、こちらのイベント感も高揚してくる。
温泉街からラグビー・サッカー場まで約30分の道のりを歩く途中、上田栄治女子委員長が鷺湯橋を指差して教えてくれた。
吉備国際大学の選手は、局面練習の相手役も務めた。 地元・岡山湯郷の福元美穂も、真剣な表情でキャンプに臨む。
「あの橋の一番手前にあるのぼりには、ゴールキーパーのイラストが描かれているんだけれど、髪型が荒川(恵理子)なんだよね」
「なでしこジャパンが来ているから」という話を聞いて、三々五々で練習見学に出かけて来た人の姿も。サイン会やサッカー教室が行われた18日の日曜日には、サッカー教室に参加した308人の小中学生を含め、3129人が美作ラグビー・サッカー場に足を運んだ。この模様は地元メディアに、大々的に取り上げられた。
今回の合宿では男子チームとの合同練習も多かった。
津山の作陽高校は一昨年度の高校サッカー選手権ファイナリスト。岡山湯郷Belleの下部組織にあたる作陽レディースは、作陽高校の女子サッカー部である。5月18日(日)には、メンバーは3年生から1年生までを含んだ混成チームで、なでしこジャパンと午前、午後の2部に分かれて練習試合を行った。作陽高校の出場選手には、インターハイ登録メンバー入りがかかる選手も含まれていた。
それぞれ30分×3本の試合結果は、サブ組が1対5、主力組が0対0。主力組で出場した澤穂希は「点を取れなかったことよりも、ゼロで抑えたことに目を向けたい。それは本当に大きいと思う」とポジティブに振り返った。
「以前のキャンプの雰囲気になるまで3日ほどかかりました」と、立ち上がりのデキには不満を持っていた佐々木監督も、この作陽高校との練習試合を終えてからは「非常に良くなってきました」。久しぶりに集まった選手たちは、これをきっかけにチームコンセプトを思い出したようだ。
なでしこジャパンに協力を惜しまなかったのは、作陽高校だけではない。
吉備国際大学は、なでしこジャパンにとって初めての大学生スパーリングパートナーになった。同大学の高藤順総監督によると「春のU-20女子代表合宿の時に、このアイデアを佐々木監督と話していた」という。こちらも、Aチームの選手が何人か混じったチーム構成。なでしこジャパンの選手からは「やっぱり高校生よりも、さらに一回り大きいし、パワーもあります」との声が出ていた。
彼らは単に練習試合の相手となるだけでなく、ケーススタディでも相手役を務める。数的優位を作ってサイドに追い込んだ状況を想定した、狭いエリアでの1対2に始まり、試合中に発生しやすい3対3、5対5の同数…。攻守に分かれて、与えられた役割をこなす。
こういった局面局面の反復練習では、なでしこジャパンの選手たちが、スピード、パワーの違いを繰り返して体感できる。これまでの試合形式よりも、いろいろなことにトライできる。フィジカルに勝る相手をどう止めるのか。そしてどう崩すのか。数多くのチャレンジを繰り返す中で、生まれてくるアイデアもあるだろう。
最終日には、吉備国際大学の女子サッカー部と、岡山湯郷Belleが最終調整を兼ねた練習試合の相手を務めた。
吉備国際大学の高藤総監督は、22日(木)の午後、合同練習を行った男子チームを連れて高梁市に帰った。そして、翌23日(金)の朝、今度は女子チームを連れて美作ラグビー・サッカー場へ戻ってきた。強行軍である。
美作地区は直前キャンプにも立候補するという。
「『たまには弱いところともやっておかなくっちゃ』と佐々木監督に言われたんですよ。まあ、事実なので、返す言葉がなかったですけれども」
そう言って苦笑しながら、岡山湯郷の本田美登里監督も、快くチームの選手たちをピッチに送り出した。美作地区の有力チームが、こぞってチームをバックアップしたわけだ。
キャンプ地の関係者によれば「本大会の直前キャンプ地としても手を挙げたい」とのことことである。一部で報道されているとおり、7月に予定されている壮行試合第1戦が関西地区になれば、その可能性は残るかも知れない。
「歓迎 がんばれニッポン!! めざせ世界のなでしこ!!」
「なでしこジャパン北京オリンピック2008事前キャンプ in 美作」
ピッチの向こう側に張り出された横断幕にはそう記されていた。
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