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 webnews 08/05/31 (土) <前へ次へindexへ>
日本代表、パラグアイとスコアレスドロー。
キリンカップサッカー2008 ALL FOR 2010! 日本代表vs.パラグアイ代表

2008年5月27日(火)19:20キックオフ 埼玉・埼玉スタジアム2002 観衆:27998人 天候:晴
試合結果/日本代表0−0パラグアイ代表


取材・文/中倉一志

「自分の印象としては、日本代表は前半と後半で全く別のチームのように見えた。それがパラグアイのプレーによる影響なのかはよくわからないが、むしろ、日本自身がレベルを下げてしまったように見えた」。ヘラルド・マルティノ監督(パラグアイ代表)の記者会見での言葉が、日本代表が持つ特長と課題を端的に表しているように思える。



 日本の良さは試合開始のホイッスルが鳴ってすぐに表れた。立ち上がりに前に出てくるパラグアイに対し、全体をコンパクトにして高い位置から連動したプレスを仕掛け、素早く主導権を握る。コートジボワール戦でも見せた、いい守備からの攻撃というコンセプトを実行した結果だった。そして、ボールホルダーに対して激しく寄せてくるパラグアイのプレスを少ないタッチのパスワークで潜り抜けると、テンポのよいパスワークから効果的に楔のボールを打ち込んでパラグアイの守備組織を崩しにかかる。

 そして、試合開始直後に見せた守備面での良さは、その後も随所に表れる。最も印象的だったのはボールを奪われた後のプレー。攻から守に素早く切り替えて激しくプレスを掛け返すと、すぐにボールを奪い返してサイドを効果的に使いながらシンプルに攻め返す。攻守一体となったスピーディな展開は、まさに岡田ジャパンが目指すもの。チームが一つの方向へ向かって順調に進んでいることが窺えた。

 その後もボールを支配して試合を進める日本だったが、20分を過ぎたあたりからゲームはこう着状態に。岡田監督曰く、「ボールポゼッションは良かったが、中々DFラインの裏が取れず、じれったい展開」になっていく。しかし、相手が守備には絶対的な自信を持つパラグアイであることを考えれば、想定内の展開。むしろ、1トップ気味のボガドにボールを集めて反撃に転じようとするパラグアイの攻撃を抑え込んだ守備を評価すべきだろう。前半は0−0で折り返すことになったが、メンバーを試しながらの試合で、チームのコンセプトが明確に表れたことを考えれば、まずまずの前半だったと言える。



 そして課題が見えたのが後半。それは守備を固める相手をどう崩すかという課題だった。「今日のメンバーだとこういう展開になる危険性はあった。選手交代は予定通り」(岡田監督)。その言葉からすれば、前半の内容も、試合展開もすべては予想通りだったのだろう。そして、後半開始と同時に遠藤保仁から松井大輔へ、そして63分には鈴木啓太に代えて長谷部誠を、巻誠一郎に代えて高原直泰を投入。個人の仕掛けからパラグアイの守備を崩しにかかった。

 松井、長谷部、そして山瀬らの仕掛ける姿勢はチームに変化はもたらす可能性は示した。しかし、残念だったのは、それが組織として機能するまでには至らなかったこと。そのため、チャンスは作るものの攻守にわたって単発のプレーが目立ちはじめ、日本が前半に見せていた組織的な良さが消えてしまった。ヘラルド・マルティノ監督の「前後半で別のチーム」という発言は、このあたりを指してのことだ。この点を指摘されて、「後半は松井が出ていくことでポゼッションは落ちたけれども、いい面が出た」と岡田監督は話したが、監督が記者会見で本当のことを話す義務はない。はたして胸中はどうだったのだろうか。

 時間の経過とともにポテンシャルが落ちた日本。運動量も落ち、パスミスも増え、局面の争いでも後手を踏むことが多くなり、試合の主導権はパラグアイへ。ボールポゼッションこそ上回っていたが、ゲームをコントロールしていたのはパラグアイだった。しかし、そのパラグアイも20分、28分と決定機を演出するものの、「コンディションの調整がうまくいかなかった」(ヘラルド・マルティノ監督)こともあって、こちらもいま一つの強さに欠ける内容。終盤はお互いに平凡なゲーム展開になり、試合はスコアレスドローで幕を閉じた。



 キリンカップ2連覇という結果を手にした日本だが、本来の目的は6月に4試合行われるW杯3次予選へ向けてのチーム作り。結果を得たことよりも、コートジボワール、パラグアイとま2連戦を通して、連動したプレスと、守から攻への切り替えを早くし、サイドを使った攻め上がるというコンセプトが浸透しつつあることのほうが収穫だろう。「キリンカップは、しっかりとしたチームのペースを作るということで取り組んだ。ある程度、手応えは感じている」と岡田監督も一定の評価を下した。

 あとは、引いて守ってくるであろうオマーンをどう崩すかということ。いい流れを作りながらゴールが奪えない時に、どこで、どう仕掛けるかがポイントになりそうだ。パラグアイ戦の後半で見られた課題をどこまで整理してオマーン戦に臨めるか。そこに注目したい。互いの力関係と日本がホームで戦うことを考えれば日本有利は動かないが、日本の目標は4大会連続のW杯出場権。勝利に加えて、手にした手応えをさらに確たるものにできるような試合が見たいものだ。


(日本代表) (パラグアイ代表)
GK: 楢崎正剛 GK: ゴメス
DF: 寺田周平 田中マルクス闘莉王 阿部勇樹(69分/駒野友一) 長友佑都 DF: ベロン ベニテス カニサ ヌニェス(82分/バルブエナ)
MF: 遠藤保仁(HT/松井大輔) 山瀬功治(77分/大久保嘉人) 中村俊輔 鈴木啓太(63分/長谷部誠) 中村憲剛(85分/今野泰幸) MF: ブリテス(79分/L・カセレス) アキノ(88分/アギラル) E・ゴンサレス(79分/V・カセレス) エスティガリビア マルティネス(79分/エスコバル)
FW: 巻誠一郎(63分/高原直泰) FW: ボガド(66分/ロペス)
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