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 webnews 08/06/06 (金) <前へ次へindexへ>
日本、オマーンを一蹴。3次予選突破へ弾み
2010 FIFAワールドカップ南アフリカ アジア3次予選 日本代表vs.オマーン代表

2008年6月2日(月)19:20キックオフ 神奈川・日産スタジアム 観衆:46764人 天候:曇のち雨
試合結果/日本代表3−0オマーン代表(前2−0、後1−0)
得点経過/[日本]中沢(10分)、大久保(22分)、中村俊輔(49分)


文/中倉一志

 3月26日、バーレーンナショナルスタジアムでまさかの敗戦を喫した日本は、高い緊張感の中でこの日を迎えていた。2位以内に入れば最終予選進出が決まるレギュレーションは日本にとっては決して難しくないものではあるが、何があるかわからないのがW杯予選。引いて守るであろうオマーンの壁を崩しきれなければ、たちまち、4大会連続のW杯出場に黄信号が灯る。各紙で直前合宿での岡田武史監督のピリピリした空気が伝えられていたのも、そうした状況を反映してのものだった。

 しかし、この日の日本代表は強かった。立ち上がりの10分という早い時間帯にゴールを奪うと、その後は90分間にわたってゲームをコントロール。22分、そして49分に追加点をゲット。終わってみればオマーンを全く寄せ付けず3−0で一蹴した。「今日は日本が勝者としてふさわしい内容だった」とはフリオ・セサール・リバス・ブラオビッチ監督(オマーン)。日本は3次予選突破に向けて大きな一歩を踏み出した。



 やや固さの見える立ち上がりだった。日本の人とボールを動かす意識が強いことは伝わってくるがミスが目立つ。ホームでの戦いとはいえ、W杯予選の独特な雰囲気がそうさせたのだろう。しかし、ほどなく日本は試合の主導権を握る。ハーフウェイライン手前に下がって日本を待ち受けるオマーンに対し、決して攻め急がすにボールを回す。そして時折、楔のボールを打ち込んでは仕掛けるタイミングを窺う。慎重ながらも、確実にオマーンを追い込んでいく。

 先制点が生まれたのは10分。左からのCKのチャンスに、闘莉王がおとりになって作った中央のスペースに中沢佑二が頭から飛び込んだ。揺れるゴールネット。突き上げる右拳。その瞬間、46764人のサポーターの歓声が日産スタジアムに湧き上がる。相手のマーカーにユニフォームを引っ張られても全くひるまず。力強さで奪った先制点だった。

 2点目は22分。右サイドの低い位置から中村俊輔がゴール前へロングフィード。その先には、相手の隙を見て前線に駆け上がった闘莉王がいた。DFを振り切った闘莉王が頭で落とすと、そこへ走りこんできたのは大久保嘉人。そして、大久保の右足から放たれたシュートがゴール左隅をとらえた。「闘莉王なら絶対にボールが落ちてくるなって思っていた」(大久保)。ピンポイントのパスを送った中村。前線まで駆け上がっていた闘莉王。その一連の動きを見て、素早くスペースへ走りこんだ大久保。3人が見事にシンクロした素晴らしいゴールだった。



 そして、日本は後半早々に勝負を決める。「(2点目を取ってから)少しボールの動かし方が遅くなったのと、11番を離し気味でプレッシャーがかけられなくなったのでHTでそれを修正した」(岡田監督)。その言葉通り、日本は後半開始を告げるホイッスルと同時に、鋭く高い位置からオマーンに激しくプレスをかけに出る。ここまで広範に入るとパフォーマンスが落ちて、ジリ貧になることの多かった日本だが、この後半開始直後の姿勢が、この日の気持ちを表していた。

 勝負を決める3点が生まれたのは49分。起点となったのは松井大輔。左サイドの攻防から粘ってボールをキープすると、軽やかなステップワークを見せるとドリブルで中央へ。そしてラストパスを中村俊輔に送る。慌ててボールに寄せるオマーンDFを尻目に右のスペースへボールを運んだ中村は、あいたシュートコースを見逃さずに右足を一閃。GKアルハブシが伸ばした指先をかすめたボールがゴール右隅に吸い込まれた。

 ここから日本はゲームをコントロール。3点のビハインドを負いながらも前に出てこないオマーンに対し、ボールをポゼッションして時間を使う。そしてオマーンにチャンスの芽すらも与えずに試合を終わらせた。終わってみれば、W杯予選とは思えない一方的な展開。「後半立ち上がりで、(中村)俊輔が非常にいいゴールを決めてくれたことが大きかったと思う。チーム一丸となって勝つために戦ってくれた選手たちに感謝したい」と岡田監督は試合を振り返った。



 試合前には予想していなかった大勝。その最大の要因は日本の守備意識の高さにあった。「回せたとか、点が取れたとかいうより、5分5分のボールに対して1人目でつめて、それを周りがはさんで、こぼれたところをまたスライディングで防いだり、そういうのが一番よかった」(中村俊輔)。特有の緊張感のなか、ミスも少なくなかった試合だったが、失ったボールに対して素早くプレッシャーをかけて奪い返す姿勢が、試合運びを安定させたと言える。

 そして、現実的で冷静、かつ巧みなゲーム運びが際立った試合でもあった。。日本の出方を窺うオマーンに対し不用意に攻め込まず、ゆっくりとボールを回して時間を作ったかと思えば、チャンスと見るや、縦にボールを打ち込んで瞬時にスピードを上げてゴールを脅かす。攻めに出る時と、ポゼッションに徹する時を巧みにコントロール。両サイドの大胆な攻撃参加は自重気味だったが、失点しないことを意識しつつ、それでいてチャンスを確実にゴールに結びつける戦い方は見事だった。

 それでもなお、すべてが終わってみるまで分からないのがW杯予選。しかも、6日にアウェーで行われるオマーン戦は日本とは違った暑さの中での戦い。さらにオマーンには、この試合で出場停止処分を受けていた3人が戻ってくる。この日の勝利はアウェーでの勝利を少しも保証するものではなく、アウェーで勝ち点を奪ってこそ、この日の勝利が意味を持つ。変わらぬ姿勢で戦うこと。それがW杯への道を切り開くことにつながっていく。


(日本代表) (オマーン代表)
GK: 楢崎正剛 GK: H・アルハブシ
DF: 長友佑都(83分/今野泰幸) 田中マルクス闘莉王 中沢佑二 駒野友一 DF: ファラジアラー アルガイラニ タイシール アルアジミ アルシナニ
MF: 遠藤保仁 長谷部誠 松井大輔 中村俊輔 MF: T・アルムハイニ ドゥールビーン(/アルフスニ) アルマシャイヒ(/アルブルシ) アルヒナイ
FW: 大久保嘉人(72分/香川真司) 玉田圭司(79分/巻誠一郎) FW: アルホスニ
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