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 webnews 08/06/17 (火) <前へ次へindexへ>
日本、大きな手ごたえも、またもノーゴール!
国際親善試合 U-23日本代表vs.U-23カメルーン代表

2008年6月12日(木)19:14キックオフ 国立競技場 観衆:15,560人 天候:曇
試合結果/U-23日本代表0−0U-23カメルーン代表


取材・文/貞永晃二

 日本同様、北京オリンピックに出場するアフリアの強豪カメルーンを迎えて、「〜北京で勝つための戦いは、続く〜」と副題がつけられた親善試合。カメルーンは前々回2000年シドニーオリンピックのチャンピオン。シドニーといえば日本がアメリカにPK戦でベスト4進出を阻まれ、中田英寿のキック失敗が印象に残る大会だ。カメルーンは準々決勝で王国ブラジルを、準決勝ではチリを倒し、臨んだ決勝でスペインをPK戦の末に降し、価値ある金メダルに輝いた。この年代ではすでに大きな実績を残している国だ。

 今回のマッチメークは、カメルーンにとっては、「東アジア」を体験し、北京の初戦「仮想韓国」として日本と対戦するのが目的だろう。一方日本にとっては、ツーロン国際大会5試合で身を持って知った「世界基準(反町康治監督)」の戦い方を、国内のファンの目の前で示したいところ。当然、北京の第2戦で当たる「仮想ナイジェリア」としての対戦である。

 本番まで残り2ヵ月足らず、しかしともにA代表との関係もあって「オーバーエイジ」として加わっているのは、カメルーンのFWマッジョ1人だけだ。



 29歳と若い廖国文レフェリー(香港)の笛で試合が始まる。日本は右から森重真人、水本裕貴、吉田麻也、田中裕介の4バック。ボランチに本田拓也、梶山陽平を置き、サイドハーフは右に梅ア司、左に本田圭佑。そして1トップに森本貴幸、その下に谷口博之というシステム。この試合、結局6人の交代ワクを使い切るのだが、反町監督は最後までこの4−4−1−1システムを崩さなかった。カメルーンは4−4−2のオーソドックスな布陣。

 まずスタンドがどよめいたのは、本田圭が得意の無回転ボールで狙った2分のFKだ。ワンタッチ、ツータッチでボールを動かす日本は、ツーロンで掴んだ感覚を失わずにいるようだ。そして、この試合で最初のビッグチャンスが日本に来る。9分、GK西川周作のキックを谷口がヘッドで競りボールが右サイドに流れる。拾った梅崎がスピードアップしたドリブルから低いクロスを入れる。しかしファーポストで待ち構えた森本のシュートは力なくワクを外れてしまう。痛恨のシュートミスに頭を抱えこむ森本。

 早い球離れからパスを回す日本。しかし、森本にクサビが入るポイントはカメルーンDFがハードなチェックでつぶし、日本のリズムはそこで崩れてしまう。そもそも森本に苦手なポスト役を期待するのは難しいのかもしれないが、ボールがしっかり収まらないと、後方の選手がフォローしようと前に重心がかかっている場合あっさりカウンターを食らう危険性がある。

 守備全体としては素早いプレスと前後からの挟み込みでカメルーンの自由を的確に奪っていく日本。大学時代から反町監督にボランチとして重用されてきた本田拓がここでも広範かつ惜しみない運動量で、カメルーンの攻撃の芽を摘んでいく。また名古屋でポジションを確保しているCB吉田は年齢を感じさせない読みの良い冷静なプレーぶりで、この日出番のなかった青山直晃の位置を脅かしそうだ。森重も内田篤人不在の右SBを攻守に何度もアップダウンを繰り返しユーティリティなところを見せた。

 前半の日本のチャンスはもう1度。25分、左サイドをオーバーラップした田中のクロスが相手DFに当たって角度が変わり梅崎の目の前に落ちる。フリーで叩くがGKマエビが左手一本でファインセーブ!

 一方流れからチャンスを作れないカメルーンのビッグチャンスは30分のムカンジョの右CK。ニアで触れて角度が変わったボールにケンドがねじ込むようなヘッドで合わせる。しかし、西川が右手で弾くと幸運にもポストに当たり自ら押さえ込んだ。



 後半開始から3人、53分にも1人と交替選手を投入していくカメルーン。しかし相変わらずペースを握るのは日本だ。59分、左サイドの本田圭のFKに谷口がヘッドで飛び込むが左に外れる。そして63分の李忠成から始まった日本の選手交代は、水野晃樹、上田康太、セルヒオ・エスクデロと続々送り込まれ、それぞれ違和感なくチームにフィットし、ゲームに溶け込んでいく。 

 日本は李、水野と積極的にシュートを放つものの得点にはつながらない。82分には水野のカーブするFKに李が飛び込むがわずかに触れない。

 そして84分、日本が見事な展開からチャンスを作る。上田−本田圭−上田−田中とビルドアップされ右サイドを上がった交代出場の伊野波雅彦が受けて水野へスルーパス。これに反応したGKマエビが飛び出してしまう。GKのいないゴール前に右サイドから水野が左足でクロスを入れる。空中戦のこぼれ球が伊野波の目の前に。思い切り右足を振ったがシュートは必死に帰ったカメルーンDFが身体を張って防ぐ。

 どうしてもチャンスを決めきれない日本にロスタイム、FKのチャンス。しかし、水野のカーブボールはバーを叩き、万事休す。ため息がスタジアムを包み込んだ。



 フィジカルのハンディを早いパスで補うスタイルは継続しつつも、随所でカメルーンのハードなコンタクトを恐れずに受け止めてファイトする選手たちの姿に、日本の精神的な成長をも感じることができた。ツーロンでの5試合がもたらした大きな収穫だろう。そしてこの日のメンバーで北京には連れて行けないな、と思うような選手はいなかった。そういう意味では選考最終テストとしては無意味だったのかもしれない。

 しかし日本の課題がやはり「決定力」にあることを、再確認するために用意されたような試合だった。アメリカ、ナイジェリア、オランダという北京での対戦相手を考えると、U-23という制限内で人材を探すのはやはり難しそうだ。「最後の望み」と思われた森本でさえ、あのイージーチャンスを決めきれないとなると、もはやあきらめもつくというものだ。逆にFWなら短期間の準備でチームにフィットする可能性が高い気もする。

 これは推測だが、他の競技から見れば、サッカーは潤沢すぎるほどの強化費用をつぎ込んでいる割には、ワールドカップでも、オリンピックでも出場はするだけでさっぱり勝てない競技だ、と思われているような気がする。日本サッカーの総力を結集してここらで上位進出を果たして実績を残したいものだ。Jリーグ開催期間中の大会だけに、オーバーエイジの選手を求められるJクラブは困惑するだろうが、ここは太っ腹を見せて選手を快く送り出して欲しいと思う。


(U-23日本代表) (U-23カメルーン代表)
GK: 西川周作 GK: ジョスラン・マエビ
DF: 水本裕貴、田中裕介、森重真人(82分/伊野波雅彦)、吉田麻也 DF: ジョルジュ・ヌドゥム(81分/フランク・パトリック・ヌジャンベ)、アレクシ・エナム・メンドモ、ニコラ・ヌクル
MF: 本田拓也(87分/青山敏弘)、梶山陽平(76分/上田康太)、谷口博之(76分/エスクデロ・セルヒオ)、本田圭佑、梅崎司(67分/水野晃樹) MF: (※)ギー・ベルトラン・マッジョ(HT/クリスチャン・ベカメンガ)、アントニオ・ゴムシ、エチエンヌ・ポコン(63分/セルジュ・ヌガル)、ジョルジュ・マンジェク
FW: 森本貴幸(63分/李忠成) FW: アルベール・バニング(HT/アンリ・エワネ)、ギローム・ケンド(53分/マーク・ムボア)、バンジャマン・ムカンジョ(HT/アラン・ジュニオル・オレオレ)
SUB: 山本海人、青山直晃、興梠慎三 SUB: パトリック・ティニェム
(※)はオーバーエイジ
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