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 webnews 08/06/30 (月) <前へ次へindexへ>
岐阜、思い通りのサッカーもゴール奪えず。福岡が勝点3をもぎ取る
2008Jリーグ ディビジョン2 第22節 FC岐阜vs.アビスパ福岡

2008年6月25日(水)19:03キックオフ 岐阜メモリアルセンター長良川競技場 観衆:2,246人 天候:曇
試合結果/FC岐阜0−1アビスパ福岡(前0−0、後0−1)
得点経過/[福岡]久永(61分)


取材・文/中倉一志

 今シーズンからJリーグに参入した岐阜FCが検討している。チャレンジャーの何ふさわしいサッカーを展開して第1クールは5勝2分7敗の8位。23得点はリーグ2位タイ、22失点はワースト5位と両極端な面を併せ持つが、自分たちの力をアグレッシブにぶつけるサッカーは気持ちがいい。そして、第2クールに入ってからは新たな進化を目指して守備の強化に着手。16節のC大阪戦では0−5で敗れたものの、その後は5試合で2失点と、第1クールとは違った顔を見せている。

 第1クールと違った面を見せているという点では福岡も同じだ。リーグワーストタイの28失点を喫して15位に沈んだ福岡は、3バックの後ろにリベロを余らせ、ゾーンDFからマンツーマンDFに変えて、とにかく目の前の勝負に徹底してこだわる路線に変更。それが功を奏して第2クールを3連勝でスタートした。山形、広島、C大阪の上位3チームとの対戦では1分2敗の成績だったが、広島、C大阪とは紙一重の戦いを演じており、変わりつつある姿を見せている。



 さて、この日の福岡は、いつものように布部陽功を最後尾に余らせて、長野聡が片山真人、柳楽智和が片桐淳至、山形辰徳が木和正をマンマーク。2列目から飛び出して来る選手をタレイが見る形でスタート。しかし、見るからに動きが重い。中3日というスケジュールがフィジカル面での問題を生じさせたのか、あるいは、守ろうという意識が強すぎたのか、いつものような1対1の強さが感じられない。

 そんな福岡を岐阜が立ち上がりから圧倒する。「前半はほぼ完璧に狙い通り。マンツーマンは人についてくるので、スペースが出来るので、2人目、3人目がスペースを突いていくことは出来ていた」(松永英機監督・岐阜)。片桐、木、梅田高志らが中盤を自由に動き回って拭くお釜マークをかき回すと、空いたスペースを利用した左SBの菅和範が積極的にオーバーラップ。そして北村隆二が巧みに前線に飛び込んでいく。この一連の動きに福岡のマンマークは完全にぼやけた。福岡に何もさせずに一方的に攻撃を繰り出す岐阜。いつ点が生まれてもおかしくない展開だった。

 ところが、岐阜は福岡を仕留め切れない。9分には梅田のループシュートがクロスバーを叩いたが、最後のところでコントロールミスが出たり、判断の悪さが顔を出して、どうにもシュートに持ち込めない。前半に放った主へとはわずかに3本。一方的に攻め込む展開にも、何も出来なかった福岡をたった1本しか上回れなかった。これでは得点を奪うことは叶わない。結局、前半はスコアレスのまま終えることになったが、岐阜にとってはゴールを取っておかなければいけない前半だった。



「後半は、1人、1人が、もう少しずつ力を振り絞ろうと言って、それが出来たことがアグレッシブさが出ることにつながって、前からプレッシャーをかけられるようになった」(久永辰徳・福岡)。前半は下がりっぱなしだった福岡が少しずつ前からボールを追うようになる。反面、岐阜は前半のアグレッシブな攻撃のツケがきたのか極端に運動量が落ちた。程なく主導権は福岡へ。やがて、岐阜の足は完全に止まった。

 そして62分。福岡に先制点が生まれる。タレイのFKを布部が中央へ折り返すと、走りこんできて大久保哲哉、長野聡の後ろのスペースへ久永が頭から飛び込んだ。ドンぴしゃりのタイミングで捉えたボールは、次の瞬間、ゴールネットを大きく揺らした。このあと福岡は、のらりくらりとボールを回してゲームをコントロール。動けなくなった岐阜に反撃の余地はないかのように思われた。

 ところが試合はこのままでは終わらない。70分、片桐とボールを競り合った田中佑昌が乱暴な行為を働いたとして一発レッド。福岡は10人での戦いを強いられることになる。ここぞとばかりに佐藤聡に代えて小島宏美を投入する岐阜。そしてここから岐阜の猛攻が始まった。80分にGKと1対1になったシーンを皮切りに、81分、86分、89分と決定的なシーンを作り出していく。福岡は防戦一方。ただボールを跳ね返すことしか出来ない。しかし、GK神山竜一がスーパーセーブを連発してゴールを死守すれば、そのほかの選手たちも、なりふりかまわず体を張って岐阜のシュートをはじき返し続けた。そして、長い、長い5分間のロスタイムの終わりを告げるホイッスルが鳴った。



 負けを覚悟しなければいけない展開。福岡サポーターは何度めをつぶったことだろう。それでも手に入れた勝点3。J1昇格への望みをつなぐためには、どんなことよりも勝点を最優先しなければならない福岡にとっては、大きな、大きな勝点3になった。それでも、福岡にとって勝ち続けなければ可能性が見えてこないのは状況に変わりはない。「この勢いに乗って次も行かないといけない」(神山)。この日の勝利を糧にして次も勝ち続けることが福岡にら求められている。

 そして岐阜。「狙いは実践できたし、うちのリズムで試合を展開することが出来た。そこで点を取れなかったのが、今日の敗因ですね。もったいない試合でした。今日は(松永)英機さんのやろうとしているサッカーは出来た」(北村隆二・岐阜)の言葉に悔しさが滲む。しかし、いくら形を作ってもシュートを打てなければ得点は生まれない。決定力不足というよりも、フィニィッシュの形をどうやって作っていくのか。それが、岐阜がひと回り大きくなるための課題のようだ。


(FC岐阜) (アビスパ福岡)
GK: 日野優 GK: 神山竜一
DF: 小峯隆幸 深津康太(67分/川島 眞也) 菊池完 菅和範 DF: 布部陽功 柳楽智和 長野聡 山形辰徳(84分/宮本亨)
MF: 北村隆二(44分/奈須 伸也) 佐藤聡(77分/小島 宏美) 梅田高志 高木和正 MF: 田中佑昌(70分→退場) 久藤清一 タレイ 鈴木惇(73分/中島崇典) 久永辰徳
FW: 片山真人 片桐淳至 FW: 大久保哲哉(73分/中村北斗)
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