| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |
| webnews 08/10/04 (土) | <前へ|次へ|indexへ> |
もうひとつの女王の座を目指して
会場に張り出された地元小学生による寄せ書き。国体は地域の人に支えられた大会でもある。
第63回国民体育大会サッカー競技(女子)1回戦
取材・文/中倉一志
1946年(昭和21)に第1回大会が開催されて以来、国民体育大会は日本における最大のスポーツの祭典として、スポーツの強化・振興・発展に大きく寄与してきた。反面、純然たるアマチュアの大会であることや、近年の国際大会の増加などにより、トップアスリートの参加が困難になりつつあるとの問題に直面しているが、それでも、各競技関係者の中では、依然として日本のトップクラスの大会として位置づけられている。
それは、女子サッカーにおいても変わらない。北京五輪で活躍を見せた選手たちをはじめ、プロ契約選手を除く日本のトッププレーたちの多くが、各都道府県代表チームの一員として参加している。各代表チームは、単独チームであったり、それに補強選手を加えたチームであったり、あるいは選抜チームであったりと、参加形式は様々だが、県代表の誇りを掛けて日本一の座を争う大会は、なでしこリーグ、全日本女子サッカー選手権と並ぶ3冠のひとつでもある。
参加チームは全国9ブロック代表15チームに、国体開催県である大分を加えた16チーム。一発勝負のトーナメント戦で優勝を争う。試合時間は35分ハーフであるが、大会期間は9/29〜10/2までの4日間で、どのチームも連戦。優勝を果たすためには4日間で4連戦のスケジュールを乗り越えなければならず、非常にタフな大会でもある。今年は初日、2日目はあいにくの雨。それでも悪コンディションの中、選手たちはひたむきにボールを追った。
【宮城県vs.福岡県】
はつらつとした動きを見せた福岡。2回戦では埼玉に挑戦する。
2008年9月29日(月)9:30キックオフ(35分ハーフ) 三光総合運公園多目的広場 観衆:400人 天候:雨
試合結果/宮城県1−3福岡県(前1−3、後0−0)
得点経過/[福岡]花田(3分)、矢田貝(24分)、花田(29分)、[宮城]阿部(34分)
県下になでしこリーグを持たない宮城県は、大学生と高校生主体の選抜チームで平均年齢は19.6歳。中盤をダイヤモンド型にした4−4−2の布陣で臨む。対する福岡県は、なでしこリーグDiv.2に所属する福岡J・アンクラスの単独チーム。ただし、参加資格の関係で直近に行われたなでしこリーグのメンバーから6人が入れ替わっている。布陣は、リーグ戦と同じ4−5−1。右SHにはトップチームに昇格したばかりの猶本光(中学3年生)を配している。
先制点は福岡。3分、裏へ抜け出した花田愛子があっさりとゴールを奪う。そして、主導権を握ったのも福岡。右サイドからは猶本が積極的に仕掛け、左サイドからは花田が1トップの谷原ゆかりに絡み、2列目からは矢田貝実子が前線の2人をフォローする。24分には矢田貝のクロス気味のボールがゴールネットに吸い込まれて追加点をゲット。続く29分には花田が放ったミドルシュートが決まって3−0。福岡が一気にリードを奪った。
一方、34分に阿部千紘のゴールで1点を返した宮城は、後半に入って3−5−2に変更。最終ラインを高くして前から仕掛けた。攻撃の中心は右サイドの渡部かほり。スピードを生かして何度もサイドを切り裂いてチャンスを作る。しかし、押し込みながらもゴールは遠く、結局3−1で福岡が逃げ切った。互いの力に差は感じられなかったが、細かな連携面や精度で上回った分だけ福岡に勝利の女神がほほ笑んだ。宮城にとっては、福岡のSHを捕まえ切れなかった前半の戦い方が悔やまれる1戦になった。
| (宮城県) | (福岡県) | |||||||
| GK: | 遠藤穂奈美 | GK: | 田上未希 | |||||
| DF: | 飯野綾香 大塚麻衣 加賀孝子 郷内晴香 | DF: | 後藤あずさ 鈴木千賀 内堀律子 大本倫 | |||||
| MF: | 渡部かほり 渕部真美 小林笑美(HT/高橋美香) 本多純子 | MF: | 猶本光(53分/葛間理代) 板谷麻美 正手亜希子 花田愛子 矢田貝実希子 | |||||
| FW: | 阿部千紘 伊藤早紀 | FW: | 谷原ゆかり | |||||
【広島県vs三重県】
三重の攻撃を支える堤早希(右10)。この日も多くのボールが堤を経由した。
2008年9月29日(月)11:30キックオフ 三光総合運公園多目的広場 観衆:400人 天候:雨
試合結果/広島県0−2三重県(前0−1、後0−1)
得点経過/[三重]大歯(25分)、清原(60分)
61回大会(兵庫のじぎく国体)で優勝、62回大会(秋田わか杉国体)で準優勝と、国体では好成績を残している三重県が広島県の挑戦を受ける。三重は、なでしこリーグDiv.1の伊賀FCくノ一の単独チームで布陣は4−5−1。清原祐子が中盤の底に構え、永留かおると堤早希が1トップの村岡夏希をサポートする。一方の広島県は地元のクラブ、大学でプレーする選手に、広島出身のなでしこリーグの選手を加えた選抜チーム。中盤をダイヤモンドにした4−4−2の布陣で臨む。
試合は三重のペースで進む。攻撃の中心は堤早希。ドリブルでの仕掛け、センスあふれるある球出し、すべての攻撃がここから始まるといっても過言ではない。そのプレーに、前線でスペースへ飛び出す村岡夏希、縦へ仕掛ける吉泉愛、大歯裕子、あるいは2列目から飛び出す永留かおるらが絡む。そして広島も健闘する。守備に回る時間帯が多いが、ラインを細かく上下させながらゾーンをコンパクトに保って決定機を与えない。特に保手濱理恵、重川裕加のCBが安定したプレーぶりが目を引く。
しかし、広島は上手く守れても、そこから攻撃に転ずることができない。そして三重は、ゴールが生まれない展開にも慌てることなく、丁寧に自分たちのサッカーを繰り返した。その差が、三重の25分、60分の2つのゴールにつながった。広島は後一歩が足りずに守っているだけで終わってしまったが、まとまりも、連携も感じられたチーム。「いい選手は輩出できています。Lのチームが欲しいですね」(奥村優之監督・広島)。その言葉通り、何かのきっかけがあれば、大きく伸びる可能性を感じたチームだった。
| (広島県) | (三重県) | |||||||
| GK: | 竹石結貴 | GK: | 大野摩耶 | |||||
| DF: | 重本祐佳 保手濱理恵 重川裕加 東朋美 | DF: | 庄子菜摘(46分/鈴木綾) 池内理紗 佐藤愛 村上真理 | |||||
| MF: | 重政絵 近藤絵梨佳 藤本綾乃 杉裕美 | MF: | 吉泉愛(62分/立岡幸子) 永留かおる 清原祐子 大歯裕子(69分/森美里) 堤早希 | |||||
| FW: | 末田恵理 平野回梨佳 | FW: | 村岡夏希 | |||||
【高知県vs新潟県】
雨の影響で、ピッチは水浸し。いたるところで水しぶきが上がる。
2008年9月29日(月)13:30キックオフ 三光総合運公園多目的広場 観衆:600人 天候:雨
試合結果/高知県0−7新潟県(前0−3、後0−4)
得点経過/[新潟]上尾野辺(5分)、中島(7分)、牧野(27分)、上尾野辺(50分)、中島(59分)、口木(63分)、詫間(69分)
なでしこリーグDiv.1のアルビレックス新潟レディースの単独チームで臨む新潟県が、平均年齢19.3歳と、参加16チーム中下から2番目に若い高知県を一蹴した。早めに前線にボールを預けて、高い能力を有する牧野愛美、上尾野辺まなみ、中島未来の3人に攻撃を任せる新潟は、開始早々の5分に上尾野辺が先制ゴールを決めると、7分には中島未来、27分には牧野愛美が決めて3人が揃い踏み。後半にも着々とゴールを決めて準々決勝進出を決めた。
「やっぱり差がありました。ある程度失点は覚悟していたんですけれども、雨の中での技術の差ですよね。根本的な技術の差が出たと思います」とは池幡紀夫監督(高知)。その言葉通り、互いの実力差がそのまま結果に表れた試合だった。高知県は県内のクラブでプレーするメンバーが中心の選抜チーム。しかし、県内に女子サッカークラブが2チームしかなく、思うような強化ができないという背景がある。今大会はチームを若手に入れ替えて臨んだこともあり、やむを得ない結果だった。
「県内で競い合う環境がなく、四国大会もお互いに蹴り合うサッカーで、まだまだ全国と比べるとレベルは下です。ですから、まず全国へ出て、なでしこリーグのチームと試合をして勉強して、それを四国や高知に持ち帰って、少しでもレベルを上げることを目標にやっています。中々厳しかったけれど、なでしこのチームとも戦えたし、これをクリアしないと勝てないということも感じることができました」(同)。敗戦と引き換えに体で感じた全国との差。それはこれからの彼女たちの糧になることだろう。
| (高知県) | (新潟県) | |||||||
| GK: | 神原静香 | GK: | 大友麻衣子(HT/諏訪江利乃) | |||||
| DF: | 山崎真意(41分/高瀬葵) 東依里 鎌田蘭 東美希 | DF: | 詫間美樹 田中桜(52分/深田未央) 東山真依子 山本亜里奈 | |||||
| MF: | 中村茜 八坂美並 岡本三代 酒井美穂(62分/小松未奈) 江澤みずほ | MF: | 中村早樹 江橋桂(54分/井上光保) 川村優里 上尾野辺めぐみ | |||||
| FW: | 長山栞莉 | FW: | 牧野愛美(49分/口木未来) 中島未来 | |||||
【福島県vs岡山県】
2点に絡んだ宮間あや。岡山の勝利は宮間のキックにかかっている。
2008年9月29日(月)15:30キックオフ 三光総合運公園多目的広場 観衆:600人 天候:雨
試合結果/福島県1−2岡山県(前0−1、後1−1)
得点経過/[岡山]田中(24分)、杉本(40分)、[福島]森本(54分)
福島県は、なでしこリーグDiv.1所属の東京電力マリーゼを中心にJFAアカデミーの選手を加え、岡山県も、同じくDiv.1所属の岡山湯郷Belleに大学生選手を加えた混成チーム。ともに同じようなチーム状況で国体に臨んでいる。しかし、その思惑は微妙に異なっている。福島選手団には経験を積ませる場という意思が見え隠れするのに対し、岡山が狙うのはあくまでも優勝。「他県にいろいろな事情がある中で、岡山県は優勝を狙う」と本田 美登里コーチは話す。
ともに中盤をダイヤモンド型にする4−4−2の布陣で臨む両チーム。がっぷり四つに組んで試合が進む。そして、ほどなく主導権を握ったのは福島。まずは、雨の影響で泥田のようになった岡山陣内へロングボールを放り込み、岡山がボールの処理に苦労するところへ猛然とプレッシャーわかけて押し込んでいく。しかし、この猛攻をしのいだ岡山は24分、宮間の直接FKにゴール前で田中静佳が頭で合わせて先制することに成功する。
そして40分の追加点も宮間のキックから。右サイドから上がったクロスを田中が頭で落とし、最後は杉本恵理が右足で振り抜いた。そして、危険な場面では体を張ってボールをはじき返す守備で、福島県の反撃を54分のゴールだけに抑えて、2−1で逃げ切った。押される展開も、宮間の正確無比なキックと田中の高さを生かして、少ないチャンスを生かす岡山らしい戦い。まさに結果にこだわったサッカーで準々決勝へ駒を進めた。
| (福島県) | (岡山県) | |||||||
| GK: | 内田由布子 | GK: | 福元美穂 | |||||
| DF: | 中村真美 村上今日子 田中景子 松野みどり | DF: | 安田邦子 城地泰子 西田明美 山口絢子 | |||||
| MF: | 森本華江 田原のぞみ 神戸成美 松永佳恵 | MF: | 中川理恵 赤井歩 中田麻衣子(60分/壷井綾子) 宮間あや | |||||
| FW: | 中原沙央理 浜田遥(51分/岡本悠希) | FW: | 杉本理恵 田中静佳 | |||||
【その他の1回戦の結果】 兵庫県 2−0 鹿児島県 北海道 5−0 佐賀県 埼玉県 2−1 愛知県 大分県 0−2 東京都
| <前へ|次へ|indexへ> |
| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |