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 webnews 08/10/05 (日) <前へ次へindexへ>
広島優勝決定!C大阪ミスに泣き、香川の4戦連発も空しく!
2008Jリーグ ディビジョン2 第38節 セレッソ大阪vs.サンフレッチェ広島

2008年9月28日(土)13:04キックオフ 大阪長居スタジアム 観衆18,147人 天候:曇のち雨
試合結果/セレッソ大阪2−3サンフレッチェ広島(前2−3、後0−0)
得点経過/[C大阪]香川(8分)、[広島]高萩(39分、42分)、佐藤(44分)、[C大阪]ジェルマーノ(44分・PK)


取材・文/貞永晃二

 前節の快勝(4−1愛媛)で今季J2の2位以内を確定させた広島。この日C大阪に勝って一気に9月中でのJ2優勝決定と行きたいところ。自らの目で優勝を見ようと、紫のサポーターが大挙して長居スタジアムに駆けつけた。

 一方、重要な試合が続いたC大阪は、ホームで山形に勝ち切れず、アウェーで福岡にも痛すぎる敗戦を喫してこの日を迎えていた。上位チームが勝ち点を伸ばせず苦しんでいる状況下だけに、なんとか勝ち点3を積み上げたい試合だ。

 両チームのスタメンを前節と比べると、広島は3バックの森ア和幸が結城耕造へ、C大阪はボランチを青山隼から藤本康太へと代えてきていた。これは両監督が前節の攻撃陣の出来については満足しているということだろう。



 キックオフからともに持ち味を出した攻撃を仕掛ける。C大阪は香川真司、乾貴士がスピーディーなドリブルで仕掛け、広島は3バックのスタヤノフ、槙野智章がMF陣を追い越して前に上がっていく。そしてまず得点に結びつけたのはC大阪だった。

 8分、中央から乾がドリブルで持ち上がり、左のカイオへ。カイオの左足シュートをGK佐藤昭大が少しファンブルするところを香川がすかさずプッシュし1−0。幸先よい香川の4試合連続ゴールに、18000を超す観衆のどよめきはしばらく続いた。

 リードされたとはいっても、広島の攻撃はいつもどおり何ら変わらない。技術にぶれはなく、選手同士の共通認識も美しいまでに徹底されている。14分には柏木陽介のヘッドが、26分には森ア浩司のミドルがC大阪ゴールを襲う。C大阪も負けずに30分、小松、カイオとつないで香川がシュート、今度はGK佐藤昭がしっかりブロックする。

 ワントップ佐藤寿人の左右のスペースに次々と選手が飛び出してくる広島の攻撃を止めるために、C大阪はボランチ2人がDFラインに入り「6バック」としスペースを消し込み、両SHが広大な中盤を動きまわるディフェンスで対抗する。C大阪のこのなりふり構わない守備が功を奏したことと、ペトロヴィッチ監督がハーフタイムに指摘したように広島に「簡単なミスが多かった」ことが重なり、1−0のまま時間は経過していった。しかし39分、C大阪のひとつの「ポカ」がこの頑張りを台無しにしてしまう。



 クロスが左からファーサイドへ抜け広島・青山敏弘が追った。ゴールラインを割ると判断したのかジウトンが当たりに行かず、ジェルマーノも寄せない。青山はこれ幸いとターン。あわてて寄せたジェルマーノの股間を抜けたパスを鋭く詰めたのはここまで佐藤寿に次ぐ11得点の萩洋次郎。1−1、C大阪はまたもケアレスミスに泣き、広島は抜け目なくそれをゴールに変えて見せた。

 そして、ミスが連鎖してしまうのが今のC大阪の守備陣。42分、ジウトンのバックパスが弱く、江添建次郎の受ける動きもまた緩慢で、すかさず柏木がかっさらって突進。シュートと思わせてマイナスに返すとまたも萩がGK相澤貴志の届かないコースへ蹴り込んだ。あっという間に1−2と逆転され動揺するC大阪に広島・青山が2分後畳みかけるような低弾道のロングシュート。バウンドが上がるところを相澤が前にこぼし、服部に詰められこぼれるところを背番号11の「ハイエナ」は見逃さなかった。チャンスと見るやゴール前に広島は3人押し寄せ、C大阪は柳沢が戻っただけ。C大阪のピンチ感はどうも乏し過ぎる。

 しかし、当然ながらC大阪はあきらめるわけにいかない。ロスタイム、その気持ちを見せたのは小松塁。左サイドからドリブルで突進し結城のファウルを誘ってPKをゲットする。「職人」ジェルマーノはストヤノフを激怒させる「合法的ストップモーション」で確実に決めて1点差。6分間で4ゴールが決まる怒涛の前半が終わった。



 当然のように前がかりになるC大阪をしっかり受け止めて鋭いカウンターを繰り出す広島。後半はこんな45分になると想像され。そしてC大阪で目を引いたのは右SB柳沢将之の懸命なアップダウンとジェルマーノの攻守におけるすさまじい運動量だった。51分、その柳沢のシュートはサイドネットに外れるが、55分に見せたドリブル突破はビッグチャンスを作った。ハーフラインから乾とワンツーで駆け上がり、クサビを香川へ。落されたボールを乾がダイレクトで狙った。しかしこの絶好機もシュートが弱くGK佐藤を脅かせない。

 広島のポゼッションが上がる時間帯、C大阪は前半同様に6バックで対応し、追加点だけはなんとしても許さない戦い方をとった。しかし、攻撃では広島の要所を締める守備に包みこまれ、55分のシュートを上回るチャンスは作れない。そしてペトロヴィッチ監督は柏木、萩に代えて、柳一誠、纉c慎一郎を送り込み中盤戦の運動量低下を未然に防ぐ。

 一方、リードされたまま終盤を迎えても、何故か「エース」であり、セットプレーのキックに定評のある古橋達弥を投入しようとしないレヴィー監督。この采配がC大阪の終盤の攻めを尻すぼみにしてしまった。情けないことに最後にスタジアムが沸いたのは広島・纉cがGKとの1対1のシュートチャンスを外した瞬間だった。4分あったロスタイムだが、C大阪は投入されたベテラン久保竜彦のキープ力と飛び出しにも苦しめられた。C大阪は開幕前には昇格のライバルと目された相手に2敗1分といいところを見せられないままに今季の対戦を終えた。



 決して出来の良くなかった広島だが、C大阪のミスをことごとくモノにして、早々と優勝を決めてしまった。こうなったら、「公平」を期して残り試合は全勝をお願いしておこう。

 広島の今季の敗戦は4度だけ。相手も山形、甲府、仙台であって、J2下位に取りこぼすことは皆無だった。甲府に2度破れているのには首を傾げるが、中盤から前、特にMFはまさしく「J1」チームと遜色なく、上回っていると言ってもいいくらいで、佐藤寿に次ぐFWに少々不安があるくらいだろう。しかしほとんどの試合で相手を圧倒し続けただけに、守備陣は「試されていない」シーズンだったし、このDF陣のままでJ1を戦えるかといえば、答えは「No」だろう。このまま3バックを続けるのかどうかも含めて、守備陣の補強は絶対に必要になるはずだ。

 一方、いよいよ追い込まれたC大阪。昨季苦しい戦いが続いた終盤戦の教訓が全く生かされていない。まだ7試合も残っているのに、負けを引き分けに、引き分けを勝利にという熱い執念が選手から、監督から伝わってこない。C大阪よりも下位にいるチームの方がよほど昇格をあきらめないぞという、戦う姿勢、執念を露わにしているように感じられるのだ。スマートさなどいらない、今こそ泥臭く90分間戦える選手が求められる。


(セレッソ大阪) (サンフレッチェ広島)
GK: 相澤貴志 GK: 佐藤昭大
DF: 柳沢将之、前田和哉、江添建次郎(67分/羽田憲司)、ジウトン DF: 結城耕造、スタヤノフ、槙野智章
MF: 乾貴士、藤本康太、ジェルマーノ、香川真司 MF: 李漢宰、青山敏弘、森ア浩司、服部公太、萩洋次郎(74分/纉c慎一郎)、柏木陽介(74分/柳一誠)
FW: 小松塁、カイオ FW: 佐藤寿人(89分/久保竜彦)
SUB: 鈴木正人、平島崇、青山隼、古橋達弥 SUB: 中林洋次、森ア和幸
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