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| webnews 08/12/22 (月) | <前へ|次へ|indexへ> |
G大阪、終盤の連続ゴールも届かず。あらゆる「スピード」でマンチェスター・ユナイテッドが圧倒!
TOYOTAプレゼンツ FIFAクラブワールドカップジャパン2008 準決勝 ガンバ大阪vs.マンチェスター・ユナイテッド
2008年12月18日(木)19:30キックオフ 横浜国際総合競技場 観衆:67,618人 天候:晴
試合結果/ガンバ大阪3−5マンチェスター・ユナイテッド(前0−2、後3−3)
得点経過/[MU]ヴィディッチ(28分)、C・ロナウド(45+1分)、[G大阪]山崎雅人(74分)、[MU]ルーニー(75分)、フレッチャー(78分)、ルーニー(79分)、[G大阪]遠藤保仁(85分・PK)、橋本英郎(90+1分)
取材・文/貞永晃二
FIFAクラブワールドカップ(以下、CWC)は、すでに決勝進出を決めているリガ・デ・キトの相手が決まるもう一つの準決勝を迎えた。遅まきながら、大会の花、注目のマンチェスター・ユナイテッド(以下、MU)の登場だ。今さらこのチームの歴史を紹介する必要はないだろう。名将サー・アレックス・ファーガソンが率い、今年のバロンドール、クリスティアーノ・ロナウドを擁する、欧州いや世界最高峰の強豪チームだ。
そして、この「赤い悪魔」の異名を持つ名門に真正面から挑戦しようというのは、広大なアジアを制したG大阪だ。「臆することなく、すべてを出し切ったゲームにしたい」西野朗監督はそう意気込みを語り、キーマン・遠藤保仁は「もちろん、ゴールを狙ってプレーしたい。勝つために最大限の努力をしていきたい」とクールな表情ながらもあふれる闘志を口にした。西野監督にとっては、U-23日本代表監督だった96年アトランタ・オリンピック以来、そして未だオリンピック、ワールドカップでの出場経験を持たない遠藤にとっては、99年ナイジェリア・ワールドユース大会以来の「世界」の舞台なのだから、二人の意気込みも当然のことだ。
キックオフから快調な出足を見せたのは挑戦者・G大阪だった。明神智和、安田理大が積極的にシュートを放つ。MUもC・ロナウドが独特な右足キックフェイクの後、左足で狙う。そしてルーカスのカーブシュートがバーを越える。
12分、C・ロナウドの直接FKは当たりが悪くGK藤ヶ谷陽介が難なく押さえる。直後藤ヶ谷が素早く投げたボールからG大阪前半最大のチャンスが生まれる。左サイド遠藤の右足アウトで蹴られたボールがDFライン裏へ走り込む播戸竜二の前へふわりと落ちると、ソフトなボールタッチから左足を振る播戸。しかしGKファンデルサールが鮮やかに足でブロック!
17分、C・ロナウドの左足シュートがワクを外れる。この当たりまで、G大阪のパスワークは冴えを見せていたが、徐々にMUの攻撃がテンポアップしていく。そして27分、テベスのパスを受けたC・ロナウドの鋭い切り返しから強烈なシュートを浴びるがDFリーダー山口智がコースに立って体で防ぐ。
MUは28分の右CK、ギッグスのカーブボールから先制する。CBヴィディッチが山口の背後から、のしかかる様に高く飛び突き出すようなヘッドでゲット。ここまでG大阪が予想以上に健闘していただけに「ああ、やっぱり無理か・・・」と青と黒のサポーターは少々落胆したかもしれない失点だ。その後、サイドチェンジを効果的に織り交ぜるMUの攻撃に、彼我のスピードの差を痛感させられる。それでもパスカットから山口が持ち上がり、ルーカスのシュートにつないだ場面と、播戸がファーディナンドのミスを突いてシュートに持ち込んだ場面で、G大阪は彼らのスタイルを見失ってはいないことを示した。
しかし、1点差で終えるべきロスタイムに、G大阪はまたもギッグスのCKから「力技」に屈する。まとわりつく明神を軽いハンドオフで振り切り、高く飛んだC・ロナウドが豪快なヘッドで決め、リードを広げてMUは前半終了を迎えた。
49分、MUはナニがテベスとのコンビで崩しC・ロナウドへラストパス。しかし安田理がしっかり絞ってクリアする。さらにMUは前半以上にスピードアップさせた攻撃でG大阪を圧倒していく。しかしオンエアされるプレミア・リーグで見せる中盤での相手選手への激しいプレッシャーをこの日見ることはできない。時差ぼけのためか、それともそこまで必要なしという省エネか。
流れから効果的な攻撃を繰り出せないG大阪。そうなると大切なのはセットプレー。65分、遠藤の強烈なFKが左スミに飛んだが、ファンデルサールは長い手をさらに伸ばすようにはじくと、播戸が拾って強烈なシュート。わずかにワクはとらえられない。
残り30分を切って、ファーガソン監督は手札を切っていく。スコールズからフレッチャーへ、負傷したヴィディッチからエバンズへ。そしてスタンドが最も沸いたのはルーニーの姿を見つけたときだ。
この試合のビデオを持っていれば、早送りでルーニーの交代出場のシーンを探すといい。その直後の74分にG大阪が追撃の1点を決めるからだ。右サイド、遠藤の入れたボールがフリーの橋本へ。相対するDFファーディナンドを十分に引きつけて左へ流すと、並走した山崎が間髪を入れずに右足を振る。名手ファンデルサールの牙城をついに突破した瞬間だった。
1点差となりボルテージの上がるG大阪サポーター。しかし、この失点でMUの「本気モード」スイッチがついに「ON」に切り替わった。わずか1分後、MUはフレッチャーが前線で待つルーニーへロビング。マーカー中澤を背負ったルーニーは胸トラップするフェイクからそのままボールに触れずに流し中澤を振り切って、左足でのコントロールショットを右スミに決めた。再び2点差に戻したMU。しかしMUの攻めはますます加速していく。
3分後の78分、左サイドを突破したエブラが切り込んでマイナスボールの左足クロス。DFを引きつけるルーニーの真後ろから入ったフレッチャーがフリーヘッドで見事にネットを揺らし1−4。さらに79分、ナニが左サイドから中へドリブルで入ってギッグスへ。ギッグスからワンタッチパスを受けたのはルーニー。体を開き、DFの間に入り込みボールを呼び込みGKの出鼻、股間を打ち抜くシュートを決め、ついに4点差と大きく開いてしまう。
しかし残り10分。G大阪の反発が試合を見ごたえあるものに変えていく。まず左サイドに流れた播戸のクロスにネビルがハンドを犯しPK。85分、遠藤が蹴る。最後まで動かないファンデルサール。とても「コロコロ」とは呼べない強めにキックされたボールは195センチの偉大なGKの手の先を飛び左スミに飛び込み2−5。
ルーカスがヘッドでチャンスを逃して、迎えたロスタイムは3分。最後の得点シーンだ。山口のパスをDFを背負って受けたルーカスは2タッチ目で背後のスペースに、味方の走り込みを期待してパスを落とす。エブラの追走も、エバンズのカバーも届かないスペースに走り込んだのはスタミナ十分の橋本だ。豪快に右足を振り抜くと、ネットを破ろうかという勢いで突き刺さり、ファイナルスコアを3−5とした。悔しさを隠せないファンデルサールとファーディナンド。そしてタイムアップ。合計8ゴールを目前で体験した大観衆は満足げに大きな拍手を送った。
ピッチでは選手同士がユニフォーム交換をする姿があった。G大阪の選手はほとんどが笑顔で、一方MUの選手の表情は厳しいものだ。勝利したとはいえ、彼らにとって3失点はやはり恥ずべき結果なのだろう。
この試合のG大阪をどう評価するかは諸論分かれるところだろう。記者としては、あくまで前向きに評価したいと思う。遠距離移動、時差、モチベーションなどMUが実力を出せたかどうか、また出す必要があったかどうかを考慮する向きもあるだろうが、ベストメンバーに近いMUから、たとえ4点差をつけられてからとはいえ、終盤に2点を奪った事実は消しようがないし、G大阪が1−2とした時点からのMUの怒涛の連続3ゴールは「本気」を出した結果だったに違いない。
戦いを終えた監督にも、選手にも、スタッフにも、そしてサポーターにも様々な思いが交錯したことだろうが、それぞれが自信をつけたり、今までのままではダメだと反省したりと、今後の自分の成長の糧にすることが大事なことだと思う。負けは負け、しかし3点取ったんだよと、胸を張って欲しいと感じた次第だ。
しかし、MUのような相手と対戦することで得るものはとてつもなく大きいと改めて痛感した。今大会に出られるのはアジアから2チ−ムだけ。ここまでの強豪チームではなくとも、公式戦として世界の強豪と対戦する機会をつくることさえ困難を極めるのだ。国内リーグのレベルアップや、近隣国との切磋琢磨では、極東の島国が背負うハンディキャップはなかなか埋められない。ホームでの「ぬるい」試合を減らし、「本場」への遠征試合を増やすことくらいしか考えつかないのが正直情けない。
| (ガンバ大阪) | (マンチェスター・ユナイテッド) | |||||||
| GK: | 藤ヶ谷陽介 | GK: | ファンデルサール | |||||
| DF: | 加地亮 、中澤聡太、山口智、安田理大 | DF: | ネビル、ファーディナンド、ヴィディッチ(70分/エバンズ)、エブラ | |||||
| MF: | 橋本英郎、遠藤保仁、明神智和、ルーカス | MF: | アンデルソン、ギッグス、スコールズ(68分/フレッチャー) | |||||
| FW: | 山崎雅人、播戸竜二(85分/寺田紳一) | FW: | C・ロナウド、テベス(74分/ルーニー)、ナニ | |||||
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