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 webnews 09/01/04 (日) <前へ次へindexへ>
3分の近藤悠矢(中央・11)のゴールがチームに落ち着きを与えた。
四中工、我慢の戦いを制して3回戦へ。
第87回全国高校サッカー選手権大会 2回戦 四日市中央工業高校vs.山形中央高校

2009年1月2日(金)14:10キックオフ さいたま市駒場スタジアム 観衆:968人 天候:晴
試合結果/四日市中央工業高校2−0山形中央高校(前1−0、後1−0)
得点経過/[四中工]近藤(3分)、豊田(46分)


取材・文/中倉一志

 駒場スタジアムの第2試合は四日市中央工業高校(以下、四中工)と、山形中央高校の対戦。ともにこの試合が大会初戦になる。四中工は2年ぶり26回目の出場。目標は昨年ベスト4に進出した同じく三重県代表の津工業を上回ること、そして第70回大会以来となる頂点の座だ。そして3年ぶり8回目の出場となる山形中央は、傑出した選手はいないものの、要所に好選手をそろえる粘り強いチーム。まずはベスト4進出を狙ってピッチに立つ。

 布陣はともに4−4−2。チームを操るのはボランチの稲森睦。三重県大会ではMVPに選出されちほか、昨年の3月にはU-18JFA選抜に選ばれた実績を持つ。また、チーム総得点の約8割を挙げている榎信博は相手にとって脅威。影山裕晃、豊田和斗のCBコンビは堅固な壁を築く。そして山形中央の中心選手は左SBを勤める山岸和樹とFWの柏倉勇貴。山岸の左足から繰り出される正確で強烈なキックは、いくつもの得点シーンを作り出し、柏倉は前線でロングボールを受けて攻撃の起点を作る。



四中工に待望のゴールが生まれたのは46分。
 最初の決定機は2分。稲森睦のスルーパスに反応した榎信博が中央を突破。GKの1対1からシュートを放つ。このシュートはライン手前でDFにクリアされたが、其のプレーで得たCKから四中工がゴールを奪う。稲森が左コーナーから蹴ったボールは、GK、そして飛び込んできた四中工の選手の頭上を越えてファーへ。そして、大外に突っ込んできた近藤悠矢が体で押し込んだ。「非常にラッキーだった。こういう大会では先制点の持つ意味が非常に大きい。早い段階で得点ができたことはチームに自信と落ち着きを与えた」と樋口士郎監督(四中工)は振り返る。

 しかし、試合は一進一退の展開で進んでいく。山形中央の基本スタイルは、ロングボールを柏倉勇貴にあわせ、そのこぼれ球に対して後方からガツガツとプレッシングするというもの。シンプルに縦に蹴っては前へ人数を掛けてくる。その圧力を避け、さらには利用しようとする四中工は、山形中央の最終ラインの裏に簡単にボールを入れて、榎のスピードと強さを最大限に生かす。互いに縦を強く意識する戦いはボールが落ち着かない展開で進んでいく。

「山形中央のDFラインの裏をつけたなというのがあったし、相手の9に対するロングボールに対しても、そこに対してCB2枚がチャレンジ&カバーを上手くやってくれたなと思う」(樋口監督)。膠着した試合展開をややリードするのは四中工。しかし、山形中央の強いフィジカルを生かしたサッカーも押し込まれたら必ず押し戻して主導権は渡さない。結局、立ち上がりの1点を挙げたシーン以外は、大きな動きが生まれないままに前半が終了した。



最後まで粘り強く戦った山形中央だったが、あと一歩が足りず。
 そんな試合を決める2点目が生まれたのは、後半開始直後の46分のことだった。起点となったのは3分のゴールと同じくCK。ゴール前の混戦からペナルティエリア内にこぼれたボールを拾ったのは四中工の榎。一度左サイドにボールを戻すと、セットプレーのために前線に上がっていた豊田が迷わずに右足を一閃。「ドン」という大きな音とともに放たれたボールがあっという間にゴールネットを揺らした。GK鈴木貴之に全くチャンスは与えられなかった。

 その後、2得点目を奪ったことで落ち着きを取り戻した四中工が試合の主導権を握る。スペースへ蹴って前の選手を走らせる展開から、トップ下でプレーする稲森を起点にパスを回し、次から次へとボールを追い越してチャンスを作り出す本来のサッカーを取り戻して一方的に山形中央を押し込んだ。最後まで諦めない粘りを見せる山形中央の前に追加点を奪うことは出来なかったが、無難にゲームをまとめ上げて、四中工にとっての大会初戦を勝ち抜いた。

 先制点を奪った後の膠着した試合展開は、四中工にとっては決していい流れではなかったが、それでも、その時間帯を我慢してリズムを崩さなかったことが最大の勝因。「今年は一体感があるというか、自滅をしないチームになったと思う。突出した選手がいるわけではないが、みんなで頑張ったらボールも取れるし、パスも回るというチームになったと思う」とは樋口監督。「2点目が中々取れなかったんですけれども、我慢して失点せず、後半に点が取れたので、そこは良かったと思います」と稲森も試合を振り返った。



攻守にわたって存在感を示した稲森睦(四中工・左)。
 さて、残念ながら2回戦で大会から姿を消すことになった山形中央。一進一退のゲーム展開に持ち込んではいたが、セカンドボールを拾えなかったことが0−2というスコアの差に表れた。「前からチェイシングして、アプローチして、相手に蹴らせないようにして、こぼれ球を狙おうということだったけれども、セカンドが拾えなかったです。自分たちのサッカーはあまりできていなかったです」。キャプテンを務めた関口和弥は試合を振り返った。

 しかし、頭は下げない。
「サッカーやっていて良かったと思います。今日の試合は楽しかったです。負けましたけれど、最後まで3年間頑張ってやってきた仲間と戦えたことが何より良かったと思います。練習は辛いと思うんですけれども、その辛さを乗り越えれば、きっと今日のような終わり方じゃなくて、笑顔で追われると思うので、後輩たちには自分を信じて、仲間を信じて頑張ってもらいたいと思います」
 今年の選手権での戦いは終わったが、山形中央のサッカーは終わらない。







(四日市中央工業高校) (山形中央高校)
GK: 村井泰希 GK: 鈴木貴之
DF: 田中優毅 影山裕晃 豊田和斗 樫原直也 DF: 関口和弥 武田光(68分/菅野徹) 宍戸隆典 山岸和樹
MF: 近藤悠矢 長谷川由 高城友義(67分/伊達勇人) 稲盛睦 MF: 酒井誠 加藤千晶(53分/松本峻輔)鈴木翼(HT/渡部真一郎)
FW: 斎藤拓也(56分/福田晃斗) 榎信博(78分/柏原嵩人) FW: 相川優介 柏倉勇貴
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