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| TOYOTA Presents FIFA Club World Cup Japan 2007 | <前へ|次へ|indexへ> |
1点差の中に見えた格の違い。ACミラン、決勝へ。
TOYOTAプレゼンツ FIFA Club World Cup Japan 2007 準決勝 浦和レッドダイヤモンズvs.ACミラン
2007年12月13日(木)19:30キックオフ 横浜国際総合競技場 観衆:67,005人
試合結果/浦和レッドダイヤモンズ0−1ACミラン(前0−0、後0−1)
得点経過/[ACミラン]セードルフ(68分)
取材・文/中倉一志
世界のトップクラブに対して0−1の惜敗。しかし、浦和に満足げな表情を浮かべる選手はいなかった。「前を向く以前の問題だった。なかなか厳しい形にならなかった。チャンスはありましたかねというくらいの感覚だった」(永井雄一郎・浦和)。「あの1点の重さは5点、10点に値するものだった」(長谷部誠・同)。それぞれの選手の口から出てくる言葉は、現時点では比較できないほどの力の差が存在していることを示すものばかりだった。
しかし、それは決して否定的な意味を持ったものではないだろう。日本のクラブチームとして初めて実力で勝ち取った「FIFA Club World Cup」への出場権は決して色あせるものではなく、敗戦という結果も世界一への挑戦が始まったことを意味するものだ。悔しさと同時に、真剣勝負の舞台でのトップチームとの対戦から学ぶことは多かったはず。感じた世界との差。それは、新たなスタートを切る浦和の力として蓄えられる。
積極的な立ち上がりを見せたのは浦和だった。4分には阿部が、続く7分には長谷部がシュートを放つ。右から仕掛けるカカに対しては、阿部がタイトにマークして突破を許さない。しかし、落ち着き払っていたのはACミラン。まるで、お手並み拝見とでも言わんばかりに静かに試合を進めていく。対して、ACミランが動き始めたのは10分を過ぎたあたりから。決して特別なことを仕掛けたわけではない。当たり前のことを当たり前にやってジワジワと浦和を押していく。だからこそ、力の差を感じざるを得なかった。
積極的な浦和のプレスにもびくともせず。50センチほどのスペースがあれば、難なく相手を交わして前に出る。コンパクトなゾーンと連動した動きで組織的にボールを回したかと思えば、ここぞと言うところでは果敢に個人で突破を図る。チャンスと見るや一気にスピードを上げてゴールを目指し、無理だと判断した局面では一転してシンプルにボールを捌いて作り直す。そのバランスが絶妙で、しかもチーム全体がそれぞれの選択肢を理解してボールを運んでいく。
ACミランに何かのきっかけになるプレーがあったわけではない。浦和に守備的に行こうという意識があったわけでもない。しかし、気がついてみれば浦和は自陣内に閉じ込められていた。その気になれば、いつまでもつないでいられるのではないかと思われるACミランのパス回しに、スタンドからは赤いサポーターが大きなブーイングを浴びせるが、それもどこ吹く風。浦和を真綿で首を絞めるかのように、じわり、じわりと追い詰めていく。
ACミランに変化が見えたのは後半に入ってから。ここが勝負どころと見たのか、一気にスピードを上げて前に出る。48分には、ペナルティエリアの前で回しに回して、最後はヤンクロフスキが左サイドからシュート、左ポストをボールが掠める。56分には完璧に裏を取ったセードルフが胸トラップから左足を一閃。そして、その2分後には、浦和のDF陣が振られてゴール前が、がら空きになったところへジラルディーノが飛び込んでアンブロシーニからのクロスにボレーで合わせた。いずれもゴールはならなかったが、完璧に浦和の守備網を崩したシーンだった。
それでも、ゴールを許さなければ必ずチャンスがやってくるのがサッカーというスポーツ。67分、浦和に最大のチャンスがやってくる。ゴール正面高い位置までボールを運ぶと、一瞬、ACミランのDFラインに隙が生じた。その空気を敏感に感じ取ってシュートを打つワシントン。その右足から放たれたボールはゴール右上のここしかないところへと飛んでいく。しかし、次の瞬間、GKジダが横っ飛びでボールをキャッチ。場内にどよめきが起こる。
そして、試合を決めたゴールは、その直後に生まれた。ACミランは素早いリスタートから左サイドのカカへ。カカがゴールラインに沿ってドリブルで中へ切り込むと、その動きに合わせてインザーギがニアへ走りこみ、さらにインザーギの動きで出来たゴール前のスペースにセードルフが駆け上がる。ラストパスはセードルフへ。後は左足を合わせるだけでよかった。チャンスに一気に加速し、ひとつのプレーに何人もが連動する攻撃。ACミランらしい素晴らしいゴールだった。
この1点で再びゆったりとしたリズムに戻したACミランは、危なげなくゲームをコントロール。その後も、いくつかの決定機を作りながら、浦和に反撃の機会を与えずに試合を終わらせた。
得点シーンこそ1回だったが、ACミランの質の高さを見せるには十分な試合だった。そして、やるべきことを、ひとつずつ丁寧に積み上げていくことの大切さを知らされた試合でもあった。特に目を引いたのは、ボールを奪われた後の処理。攻撃のとき以上のスピードでボールを追いかけ、ピンチになる前にボールを奪い返し、それを最後まで貫いた。素晴らしい得点シーンも、そういうプレーの積み重ねに支えられている。16日、チャンピオンの座を争うのはボカ。南米代表の3連覇を阻む準備は万端のようだ。
そして浦和。力の差を感じさせられた敗戦も、現時点で自分たちのサッカーを存分に発揮。「いい試合ができたと思っている。ミランは決して平均的なチームではない。そんな相手に、守るだけでなく、攻撃的な部分も見せることができた。レッズの選手たちは、よくプレーした。試合には負けたが、日本のサッカーを見せられたと自負している」とオジェク監督(浦和)は試合を振り返った。
しかし、この結果に誰一人満足している選手はいない。「負けは負け。いい試合をした、善戦したと言われても負けてしまっては意味はない。日本でやる大会なので、いい試合だっただけで終わってはいけない」(阿部)。残された試合は3位決定戦。目指すものは勝利で今大会を終えることだ。
| (浦和レッドダイヤモンズ) | (ACミラン) | |||||||
| GK: | 都築龍太 | GK: | ジダ | |||||
| DF: | 坪井慶介 田中マルクス闘莉王(76分/山田暢久) ネネ | DF: | マッシモ・オッド アレッサンドロ・ネスタ カハ・カラーゼ マレク・ヤンクロフスキ(80分/パオロ・マルディーニ) | |||||
| MF: | 細貝萌 鈴木啓太 阿部勇樹 相馬嵩人(81分/平川忠亮) 長谷部誠 | MF: | ジェンナーロ・ガットゥーゾ アンドレア・ピルロ マッシモ・アンブロシーニ | |||||
| FW: | 永井雄一郎 ワシントン | FW: | カカ アルベルト・ジラルディーノ(63分/フィリッポ・インザーギ) クラレンス・セードルフ(92分/クリスティアン・プロッキ) | |||||
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