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| Road to Beijing 07/05/30(水) | <前へ|次へ|indexへ> |
Road to Beijing: その先にあるもの
アジア女子サッカー2008最終予選(北京オリンピック2008最終予選)
TASAKIペルーレサポーター/ゆう
GWのある日、開門を待つホームゲーム。ひとりの若い男性が私に近付いてきた。
彼はフリーのスポーツライター。なでしこリーグの有料試合化についてどう思うかとの質問を受けた。
「一口には、答えにくいですね」と前置きした上で、女子サッカーの現状について、彼がどれぐらいの知識を持っているか探りつつ、話を進めた。
「10年ほど前でしょうか、当時のL・リーグは有料でしたが、実質は多くの招待券が各チームに割り当てられ、本当の意味での有料入場者はわずかでした。有料試合を開催した場合には、会場使用料は3倍に跳ね上がるのが普通で、切符販売やモギリなどの運営要員も必要です。また、アクセスのいいスタジアムほど会場使用料が高いのは当然の話。それでも、当初は母体会社の資本力でなんとか運営はできていたのですが、バブル経済崩壊で、名門と呼ばれた女子クラブが相次いで廃部・撤退、リーグは存亡の危機を迎えました。
黒字など望むべくもなく、有料試合と無料試合での赤字を比べれば、後者の方がまだましという判断からその後、リーグは無料化されました。そしてクラブ間の力の均衡を保ちつつ経費削減を行うために、外国人選手を全員解雇しました。リーグのレベルを落とすことでリーグ自体の生き残りを図るという、苦汁の決断でした。
現在はJクラブ傘下の浦和・新潟が有料になりました。しかし、それはJクラブという母体があるからこそできる話で、そうではない他のクラブには到底真似はできません。
会場使用料の安い、必然的にアクセスの悪いスタジアムを選び、ナイトゲームは行わず、観客席も原則的にメインスタンドしか使用しない理由がそこにあるのです。観客を増やすためにはどうすればいいか、チームもサポーターも常々考えており、さまざまなアイデアを試しますが、特効薬は今のところありません。何かいい知恵があったら教えてください。観客が増えさえすれば、有料化も実現するでしょうし…。」
彼は神妙に私の話を聞いていた。過去のことを知らない彼を私は責める気はない。こんなこと本来は知らないでいいことなのだから。
「なんか、愚痴みたいになったね。」「いえいえそんなことはないです」
「とにかく少しでも多く観客の目に触れさせようと、リーグ、全日本選手権に加え、スーパーカップ、なでしこカップと試合は増加しました。国体、ワールドカップ、オリンピックには本大会だけでなく、それぞれ予選もありますし、日本代表選手は本当に休む間もありません。第一、彼女らはサッカーのほかに仕事がある身です。
必然的に選手には過重な負担が強いられることになります。それでも黙々とプレーに打ち込む選手たちの姿には、胸が詰まる思いがします。だからこそ、私たちは応援したい、彼女らにはオリンピックに出場してもらいたい。私たちにできることと言えば、そんなことぐらいだから。
女子のアマチュアスポーツが最も認知されるのがオリンピック、それにすがるのは本意ではないのだけれど、オリンピックには女子サッカーの未来がかかっていると言っても過言ではありません。オリンピックは一つの目標ですが、その先にあるものがもっと大切なのです。
前回のアテネオリンピック出場が決まった時、あぁこれで彼女らは報われる、何かが変わると思いました。その後、正直言って現状はそう大きくは変わっていません。だけどよく見れば、サポーターも観客も少しずつ増えてきたし、理解者も増えてきました。何よりも、きみが今日こうして取材に来てくれたこと自体、大きな前進だと思います。今日は、来てくれてありがとう」
私がそういうと、彼は微笑んだ。
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