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 第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
G大阪、宮本の関西ラストマッチに余裕の逆転勝利!
第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝 ガンバ大阪vs.横浜F・マリノス

2006年12月23日(土・祝)15:04キックオフ 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 観衆:9,044人 天候:晴
試合結果/ガンバ大阪3−1横浜F・マリノス(前1−1、後2−0)
得点経過/[横浜]坂田大輔(2分)、[G大阪]播戸竜二(8分)、家長昭博(69分)、マグノ・アウベス(76分)


取材・文/貞永晃二

 浦和にJ1チャンピオンの座を奪われたG大阪にとって今季狙うことのできる最後のタイトルが天皇杯だ。戴冠まで乗り越えるべき相手はあと3つ。リーグ戦は予想外の不振で終わり、若手を起用する水沼監督率いる横浜との対戦は、宮本のオーストリア・ザルツブルク移籍発表直後であり、地元関西での“さよならツネ様”試合となったため、G大阪側ゴール裏は青と黒で塗りこめられた。そして奇しくもユニバー競技場は宮本にとって95年6月のJデビューを飾った思い出のスタジアムだ。



 試合はいきなり動く。互いに最初のビッグチャンスを効率よく活かした。まず、2分横浜がタテに入れられたボールを大島がフリックオンで流し、受けた吉田がそれを動き出した坂田へ落とす。そのまま抜け出した坂田はGK松代との1対1を冷静に決めリードを奪った。ところが、あわてず騒がず落ち着き払って攻め返すのがG大阪のスタイルだ。8分、遠藤のパスを受けターンしたマグノ・アウベスがズバリとスルーパスを通し、抜け出した播戸がGK榎本哲の出際をダイレクトで抜いた。あっという間に試合は振り出しだ。
 
 せっかくのリードをフイにされた横浜は山瀬が好シュートを放つなどチャンスも作るのだが、G大阪の高いボールポゼッションに次第に押し込まれ始め、しかも鋭い動きを見せていた吉田が負傷し河合と交代する誤算もあって一層苦しくなるが、マグノ・アウベスをシュートなしに抑えるなど、なんとか勝負を後半に持ち込んだ。



 後半開始早々、狩野のドリブルからの戻しを大島がシュート、不運にもポストを叩く。G大阪も56分、マグノ・アウベスがうまい飛び出しでフリーとなりシュートするがGK榎本哲がファインセーブで逃れる。しかしこの後は両チームとも中だるみに近い状態となって見せ場も生まれないまま時間だけが経過していった。

 ここで均衡を破ったのは前半精彩を欠きハーフタイムに監督からハッパをかけられた家長だった。69分、右サイドから回ってきたボールを受けタテ突破と見せてからカットイン、右足を強振すると、ボールは右にスライドしながらGKの手に負えない右サイドネットに吸い込まれる。最近練習試合でも決めたというが、不得意な右足でのゴール。「適当に蹴った(家長)」というこの選手が右足シュートをさらに磨けばまさに怖いものなしになることだろう。

 2−1と逆転したG大阪は横浜の落胆に乗じて試合をさらに一方的なものに変えていく。マグノがフリーチャンスを外し、播戸もGKに邪魔される。チャンスを決め切れず、少しいやなムードとなった76分だった。遠藤がボックス内に入れたふわりとしたボールにDFとGKの死角から迫ったマグノが榎本哲の鼻先で掠め取ってそのまま流しこみ決定的な3点目とした。2トップを久保とマルケスに代え追撃体勢に入ろうと準備していた水沼監督だったが、インプレーが続きその間の失点だっただけに、悔やまれるものとなった。しかし、ビハインドが2点となったためもあってか、交代した2人もほとんど見せ場を作れないまま横浜の不本意なシーズンはジ・エンドとなった。



 試合後「もともと力の差はあった」とG大阪との彼我の実力差を明確に認めた水沼監督。あえて若手に指示を飛ばさずに「自発的に(相手への対応を)変えてくれるのを見ていた」が「まだまだ甘い」と来季以降を見据えて起用してきた若手に苦言を呈しながらも「来季以降伸びてほしい」とエールを送っていたのが印象的だった。

 西野監督と宮本の試合後の言葉は全く同じで「相手がJ1、J2そして順位も関係ない」というもの。元日の国立まであと2戦。二人の言葉は千葉、新潟、甲府と連破し旋風を巻き起こしている札幌を意識したものだろう。退任する監督、解雇される選手が失うものもなく立ち向かってくるのだ。チーム全体が油断を一掃できれば負ける相手ではない。元日は間違いなく青と赤で染まるはずだ。


(ガンバ大阪) (横浜F・マリノス)
GK: 松代直樹 GK: 榎本哲也
DF: 實好礼忠、宮本恒靖、山口智 DF: 田中隼磨、栗原勇蔵、中澤佑二、田中裕介
MF: 加地亮、明神智和、遠藤保仁、家長昭博、二川孝広 MF: 狩野健太、山瀬功治、那須大亮、吉田孝行(34分/河合竜二)
FW: 播戸竜二(88分/橋本英郎)、マグノ・アウベス FW: 大島秀夫(76分/久保竜彦)、坂田大輔(76分/マルケス)
SUB: 藤ケ谷陽介、入江徹、青木良太、寺田紳一、前田雅文、中山悟史 SUB: 榎本達也、天野貴史、山瀬幸宏、ハーフナー・マイク
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