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 第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
G大阪、「北の風」を倒し元日決戦へ!
第86回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準決勝 ガンバ大阪vs.コンサドーレ札幌

2006年12月29日(金)13:06キックオフ 静岡スタジアム・エコパ 観衆:7,038人 天候:晴
試合結果/ガンバ大阪2−1コンサドーレ札幌(前1−0、後1−1)
得点経過/[G大阪]加地亮(18分)、前田雅文(52分)、相川進也(54分)


取材・文/貞永晃二

 J2では上位を脅かすことさえできなかった札幌だったが、退任が決まっている柳下監督の3年間を終わらせることを拒むかのように、千葉、新潟、甲府と次々とJ1チームを破り、ついに4強に到達した。監督以外にも退団の決まっている選手もいるが、逆にチームの結束力は目に見えて強固になってきている。決勝進出をかけた戦いに静岡に乗り込んできた赤と黒のサポーターたちは明らかに対面の青と黒のそれを上回る動員力を見せた。

 一方、今季最後のタイトルであることだけでなく、チームを離れオーストリアリーグへの挑戦の決まっているチームリーダー宮本を優勝で送り出そうという高いモチベーションがチーム全体に浸透するG大阪。試合はさいたま会場よりも2時間早くキックオフされた。



 試合は、予想通りG大阪が圧倒的にボールを支配する。札幌は身体を張ったチームディフェンスでなんとかチャンスを作らせないものの、攻撃面ではいいところが見えない。そして、先制点はやはりG大阪だった。18分、マグノ−前田とつなぎ加地へ。ボックス内でシュートした加地の前にDFがブロックしたボールがこぼれ、再度ねじ込むように決めた。

 先制しリズムに乗りたいG大阪だったが、播戸を欠いたこともあってか、西野監督のハーフタイムコメント「1点とってからゴールに対する意識が薄れた」、また柳下監督が「G大阪が休んでくれた」と試合後振り返ったようにG大阪の攻撃はやや中だるみを見せ、カウンターを狙う札幌の頑張りが目立つ展開に移っていく。中でもリーグ戦ではフッキに次ぐ9ゴールを決めた相川の奮闘は目を引いた。3度のいいフィニッシュを見せ、G大阪GK松代を脅かすが、DFの好カバーもあって同点には至らない。しかも札幌はうまく奪いとった敵ボールを凡ミスでしばしば相手に渡してしまいG大阪の戦いを楽にしてしまったのが悔やまれる。



 後半、「いいパフォーマンスではない(西野監督)」というようにやや不安定なところを見せた實好に代えて橋本を入れた西野監督。橋本はボランチに入り、前半は遠藤と並んでいた明神がDFラインに下がって右CBに入る。「シーズンスタートでやらせただけ(西野監督)」という不慣れなポジションでも明神は札幌攻撃陣のスピードに的確な対応を見せる。

 追加点をとって試合を決めてしまいたいG大阪だったが、決して焦りは見せることはない。そして52分、札幌ゴール前に明神のキックがこぼれると、オフサイドに見えた宮本が冷静にシュートを打たず折り返し、飛び込んだ前田が抜かりなくプッシュし、2点目としG大阪は安全圏に入ったように思えた。

 しかし、この2点目は逆に札幌の反発心に火をつけた。54分、右サイドをワンツーで破った砂川が入れた鋭いクロスはDFの頭で方向が変わってファーにいたフリーの相川に。前半決め切れなかった相川は右足をコンパクトに振るとボールはゴール右下に突き刺さった。2−1、大声援で盛り上がる札幌サポーター。その後も札幌が繰り出すカウンターは、相川に絶好機をもたらすが決めきれず、G大阪は不慣れな相手に苦労しながらも締めるところは締めて勝ち切ることに成功した。



 柳下監督には「ヤンツー札幌!」コールが、号泣する退団が決まった川崎にも温かい拍手が送られた。札幌サポーターの夢は静岡で幕を下ろすことになった。地元で練習もままならないチームが起こした旋風は天皇杯という大会を面白いものにしてくれた。監督は交代するが、J1上位チームとの4試合の経験を来季こそ活かしJ1昇格を目指してほしいものだ。

 楽勝とはいかなかったが、G大阪はJリーグ開幕後初の天皇杯決勝にコマを進めた。前身の松下電器サッカー部当時に決勝進出し、当時最強を誇った日産自動車を雨中のPK戦で下し優勝を遂げて以来準決勝で敗れ続けていただけに、念願の決勝進出となった。 

 そして2時間後、決勝の相手は浦和に決まった。今季リーグ開幕戦と最終節で対戦した相手との望んだ再戦だ。高い確率で真っ赤に染まる国立で、涙交じりの笑顔を見せるのは宮本か、それともブッフバルト監督だろうか。


(ガンバ大阪) (コンサドーレ札幌)
GK: 松代直樹 GK:佐藤優也 GK: 佐藤優也
DF: 實好礼忠(HT/橋本英郎)、宮本恒靖、山口智 DF: 西澤淳二、曽田雄志、西嶋弘之
MF: 加地亮、明神智和、遠藤保仁、家長昭博、二川孝広 MF: 金子勇樹(77分/石井謙伍)、芳賀博信、加賀健一、砂川誠(68分/上里一将)、川崎健太郎
FW: 前田雅文(76分/寺田紳一)、マグノ・アウベス FW: 中山元気(66分/西谷正也)、相川進也
SUB: 藤ケ谷陽介、シジクレイ、入江徹、青木良太、中山悟志 SUB: 林卓人、和波智宏、西大伍、岡田佑樹
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