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 第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
ベストメンバーのC大阪、善戦ホンダロックを降し4回戦へ!
第87回天皇杯全日本サッカー選手権大会 3回戦 セレッソ大阪vs.ホンダロック

2007年10月7日(土)13:00キックオフ 長居第2陸上競技場 
観衆:2,201人 天候:曇一時晴
試合結果/セレッソ大阪4−2ホンダロック(前1−1、後3−1)
得点経過/[C大阪]香川真司(35分)、[ロック]木下健生(36分)、[C大阪]森島康仁(50分PK、69分)、[ロック]谷口研二(86分)、[C大阪]香川真司(89分)


取材・文/貞永晃二

 「J2とそれほど大きなレベルの差はない」C大阪・クルピ監督がそう振り返ったように、ホンダロックの健闘が光った試合だった。「Jチームはかなり走るので走り負けないように」十分な準備をして臨んだというホンダロック・福田浩一監督の狙い通り、90分間最後まで衰えなかった運動量は賞賛に値するものだった。



 攻撃の中心で、得点源のセットプレー・キッカーでもある古橋達弥を負傷で欠くC大阪だったが、ポゼッションで数段優り、ホンダロックを自陣に押し込むものの、森島康仁、酒本憲幸とチャンスはつかむものの肝心のシュートがなかなかワクに飛ばずピリッとしない前半の試合内容だった。リスタートのキックは主に酒本が任されたが、やはり急造キッカーだけにボールスピードはあっても、古橋ほどのコントロールは望めない。数多くあったCK、FKもチャンスにはつながらない。
 
 対するホンダロックはC大阪に押し込まれながらもリトリートして専守防衛に回るのではなく、DFラインも必死に高く維持し、フィジカルでもC大阪に互角に対抗しファウル覚悟のハードな当たりで容易にはフリーなスペースを与えない。さらに6分には南光太のFKから水永翔馬がヘッドでGK吉田宗弘を脅かす場面まで作ってみせた。

 C大阪がようやく先制するまでに要した時間は35分。ボックス内でキープした森島康仁からボールを奪うようにすり抜けたのは香川真司だった。そのまま左足でホンダロックゴール右スミにシュートを沈め、1−0。

 やっと決まった先制点でC大阪サポーターがほっと一息ついたのもつかの間、わずか1分後にホンダロックが同点に追いつく。山下優一郎、前田悠佑とつなぎフィニッシュは左から入った木下(きした)健生。左足でGK吉田宗弘の股間を抜いた。先制されたことで「前半は0−0で(福田監督)」というゲームプランが狂ったが、下を向くことなく攻めて追いつきそのまま1−1で前半を凌いだところは「東国原魂」という名物知事にちなむ横断幕通りの戦いぶりだ。



 後半、早めの追加点で試合を楽に運びたいC大阪は、CKの流れで前線に残っていた羽田憲司がこぼれを拾って前を向いたところでファウルを誘いPKのチャンスをつかんだ。本来のキッカーである古橋達弥に代わってクルピ監督が指名したのは森島康だった。50分、右スミを狙ったキックにGK川島正士は触れたものの球速に押されゴールイン。タッチラインに走った森島康はサポーターに向かってU-22日本代表でのライバル平山相太を真似た喜びの“アネルカダンス”を披露して喜びを表現する。

 久々の公式戦ゴールに気分が乗った森島康は続いて豪快な左足シュートを放つが、GKの正面をつく。1点リードでは安心できないC大阪は67分、タッチ沿いを持ち場とする酒本憲幸からセンターに入ってもプレーできる濱田武へ、高さとスポードの小松塁からテクニックの柿谷曜一朗へという交代で攻撃の変化を狙う。直後、左サイドで香川、柿谷、濱田が短くダイレクトでつなぎ、ゼ・カルロスがクロスを入れるが森島康のシュートは決まらない。しかし、C大阪の攻撃は交代を機に明らかにテンポアップした。そして69分、今度は香川が右サイドへ展開し濱田の折り返しを森島康が右足で確実に流し込んだ。待望の3点目にホームのサポーターは沸いた。

 しかしホンダロックはまだ試合を捨てていなかった。終了近くの86分、ゴール正面やや遠目からのFKを主将・南光太が左足のカーブボールを入れると、GK吉田が出るがさわれず、DF谷口研二のバックヘッド気味のシュートはがら空きのC大阪ゴールに飛び込んだ。3−2、またまた試合は分からなくなった。

 時間は既にロスタイム。しかし攻撃への意欲を露にするC大阪は右サイドでフリーとなった濱田がルックアップし正確なクロスをファーポストへ。まさにピンポイントのクロスを香川が強烈なヘッドでネットに叩き込んだ。これで4−2、ホンダロックの大健闘もここまでだった。



 ホンダロックはV・ファーレン長崎などJリーグ入りを目指すチームがひしめくKYUリーグ(九州サッカーリーグ)で2試合を残し現在首位に立っている。C大阪に押し込まれても、クリアで逃げるのではなく、丁寧なビルドアップを心がけ、少ないチャンスを2得点に結びつけ、「素晴らしいフィジカルで最後まで走り抜いた」とクルピ監督も賞賛を惜しまなかった。05、06年の2シーズン戦ったJFLへの返り咲きを十分狙えるチームであることを示してくれた。

 この日J2クラブが登場した天皇杯3回戦。奇しくもJ1昇格争い真っ只中のJ2上位4チーム(札幌、東京V、京都、仙台)が敗れ姿を消した。中2日で10日に行われるJ2第44節を重要視し大きくメンバーを入れ替えて戦い、JFLや大学勢に足元をすくわれた形になったようだ。C大阪は前週にリーグ戦がなく、試合勘を取り戻すためほぼベストメンバーで臨んだのだから、4チームのことをとやかくはいえないが、サブメンバーで戦ったとはいってもやはり「プロ」としてはいささか情けない結果といえるだろう。

 しかし逆に言うと「3部」や「4部」に当たるチームが「ブラジル(の4部)と比べると非常に組織化されたサッカー(クルピ監督)」を見せ、レベルの高さを示せたことは、日本サッカーの底上げが着々と進んでいることの表れともいえるだろう。

 勝ったC大阪は来月4日、森島康が「やりたかった」と話したJ1チームと対戦することになった。第81回大会以来、奇数年で好成績(準優勝、準優勝、ベスト4)を残しているC大阪にとって、今年は当たり年だ。しかしその前に中2日の「今シーズンのカギを握る一番重要な試合(クルピ監督)」である札幌戦(10日)が待っている。果たしてこの日のベストメンバー起用が吉と出るか凶と出るか、注目しよう。


(セレッソ大阪) (ホンダロック)
GK: 吉田宗弘 GK: 川島正士
DF: 柳沢将之、前田和哉、羽田憲司、ゼ・カルロス DF: 谷口研二、白川伸也、浅田祐史、猿渡裕二
MF: 酒本憲幸、(67分/濱田武)、アレー、ジェルマーノ、香川真司 MF: 南光太、前田悠佑、山下優一郎(74分/池田竜一)、竹井竜太(79分/倉石圭二)
FW: 小松塁(67分/柿谷曜一朗)、森島康仁 FW: 水永翔馬、木下健生(72分/下木屋翔)
SUB: 山本浩正、山下達也、丹羽竜平 SUB: 山田正吾、原田洋志
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