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 第86回全国高校サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
右サイドから果敢に仕掛ける高川の村上(オレンジ)。先制ゴールを奪った。
高川学園快勝!遠野が消え、岩手県勢連覇ならず。
第86回全国高校サッカー選手権大会 準々決勝 遠野高校vs.高川学園高校

2008年1月5日(土)14:10 さいたま市駒場スタジアム 観衆:4,500 天候:晴
試合結果/遠野高校0−2高川学園高校(前0−1、後0−1)
得点経過/[高川]村上創一(30分)、金城基樹(63分)


取材・文/貞永晃二

 遠野と高川学園といえば、一昨年第84回大会のベスト4に入る活躍が思い出される。遠野は準優勝した鹿児島実業に0−3で、高川学園(当時は多々良学園)は優勝した野洲に0−1でともに準決勝で敗れ、決勝の舞台には立てなかった。

 今大会、遠野は昨年優勝した盛岡商の得たシード枠に2回戦から登場し、江の川に1−0、近大和歌山に2−1と接戦を切り抜けて勝ち上がった。片や高川学園は岐阜工には3−0と圧勝したが、近大附、埼玉栄とはともに2−1と苦しみながらのベスト8だった。



 スタジアムが大きくどよめいた。キックオフ後のボールを高川学園FW齋藤達也が豪快な50m超ロングシュート!前目に出ていたGK植松健太朗の頭上を越えるとボールは惜しくもクロスバーを叩いた。さらに齋藤は左サイドから惜しいシュートを放つ。さすがに3試合で3得点を決めているエースらしいプレーだ。
 
 14分に高川学園は右サイドを完全に崩したチャンスを逃す。シュートがバーに嫌われ再度ヘッドで狙うとDFに当たったボールが左ポストにヒットしたのだ。ポゼッションで優って丁寧なショートパスで圧倒的に攻める高川学園。遠野は持ち前の粘り強い守備で得点を許しはしないが、得意の速攻も、セットプレーも高川学園の前線からのさぼらないハードな守備に封じこまれ、攻め手を見出せない。

 そして「1点目が大きかった」と白井三津雄監督が振り返った高川学園の先制点が決まったのは30分。右サイドから中へドリブルで進んだ村上創一がスルーパス。受けた吉武隼人がタテにドリブルしマイナスのボールをゴール前へ。左足ダイレクトでシュートを打ったのはパス&ムーブを怠らなかった村上だった。GK植松は足元を抜かれてしまった。先制した高川学園は握ったペースを手離すことなく40分を終えた。



「お疲れさん」。その言葉を胸に、遠野・松田監督は選手たちを迎えた。
名称変更などの変遷を乗り越えて、高川学園・白井監督は20勝。
 後半も高川学園が益田拓己、齋藤、吉武の3トップを中心とした攻撃で遠野を圧倒する。しかし遠野は集中力を失わずに対応し、最小得点差をなんとか守る。

 しかし踏ん張っていた遠野守備陣が一瞬のスキを突かれたのが63分、試合を支配しながら追加点の取れなかった高川学園が貴重な2点目をあげた。右サイドの村上の上げたクロス、DF2人の間に入り込みフリーで高く跳んだ途中交代の金城基樹のヘッドはGK植松の逆をつきワンバウンドして右スミに飛び込んだのだ。

 2点を追いかけることになった遠野は、小島将和がFKを狙うがGK正面。さらに松田光弘監督は長身DF佐藤隆博を投入しパワープレーを指示し、ロングボールが蹴り込まれる。高川学園も抜かりなくDF中嶋大貴を送りこみ空中戦対策とする。70分には佐藤めがけてハイクロスが上がるがGK洞ケ瀬勇馬が勇敢に対応、激突した際に傷んだが、遠野に得点は許さない。

 残り時間も少なくなり、ボールキープと見せて齋藤がシュートを狙うなど、高川学園は攻撃の姿勢を保ちながら試合を終わらせた。



 第83回盛岡商のベスト8以降、遠野がベスト4、盛岡商が優勝と毎年階段を上がるように成績も上向いていた岩手県勢。今回大会は準々決勝で散ったが、4回連続8強以上という成績は賞賛に値する。

 そして一昨年同様に準決勝に到達した高川学園。「学校存続と生徒の進路の心配で頭の中が一杯で、本心では試合どころではなかった」という一昨年とは異なり、「今年はサッカーを楽しめている」とは白井監督。この勝利で大会通算20勝目を達成し「これでまだまだ下の方ですが、全国区の指導者になれたのかな」と喜びを口にした。一昨年のチームを上回る成績となる決勝進出が果たせるか、相手は名門・藤枝東だ。


(遠野高校)
 GK:植松健太朗
 DF:菊池智史(66分/佐藤隆博)、木戸口拓真、山ア陽平、小山内晶紘
 MF:吉田吏玖、小島将和、鈴木諒、藤田尚之(55分/川原峻)
 FW:藤嶋洸、大上洋人  

(高川学園高校)
 GK: 洞ケ瀬勇馬
 DF:元村渉太、藤永佳裕(68分/中嶋大貴)、小川純、有薗隼人
 MF:村上創一(79分/籾山健)、原田光(54分/金城基樹)、中村浩紀
 FW:益田拓己、齋藤達也、吉武隼人
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