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| 第28回全日本女子サッカー選手権大会 | <次へ|indexへ> |
好勝負を制した大体大が2回戦へ進出。
前線をかき回した島村(緑・左)と先制ゴールを挙げた鈴木綾(緑・中央)
第28回全日本女子サッカー選手権大会1回戦 大阪体育大学vs.聖和学園高校
2006年12月10日(日)11:00キックオフ 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 天候:晴
試合結果/大阪体育大学2−1聖和学園高校(前2−0、後0−1)
得点経過/[大体大]鈴木(7分)、尾原(36分)、[聖和]村上(55分)
取材・文/西森彰
今年で第28回を迎える全日本女子サッカー選手権大会。元日、国立霞ヶ丘陸上競技場で行なわれる決勝戦を目指す、戦いが師走の日本各地で始まった。今年のレギュレーションは、1回戦で全国各地の地域代表同士が鎬を削り、その勝者がなでしこリーグのディビジョン2クラブに挑む形式。そしてこの2回戦に勝ったチームが、3回戦で待ち受ける日本女子サッカー界の最高峰であるなでしこリーグ・ディビジョン1の強豪たちと対戦できるわけだ。
聖和学園高校は常盤木学園高校と共に杜の都・仙台から、東北の女子サッカーを引っ張り続けている。今大会の東北地区予選決勝では、その仙台ダービーを制して、第一代表として全国の舞台に乗り込んできた。迎え撃つのは、関西の大学女子サッカー界ナンバー1の大阪体育大学である。関西地区予選では、決勝で日ノ本学園高校に敗れたものの、こちらも大会の常連校。名門同士が、なでしこリーガーへの挑戦権を賭けて、ぶつかった。
聖和は立ち上がりから、大体大の島村裕子、岡環実、白井杏奈に、小野瞳、戸羽麻子、佐藤陽美の3人をマンマーク気味に付け、中西真央を中央に余らせる。1トップ・島村の左右から飛び出してくる、岡と白井の飛び出しをケアする狙いだったのだろう。この聖和のクラシカルな守備に対して、大体大の島村、岡、白井はグルグルとローテーションしながら、位置を変え、聖和守備陣の綻びを探る。
村上(左23)のゴールで1点差に
そして、6分、DFラインでボールを回しているうちに、スルスルと3列目から上がって行ったボランチの鈴木綾に、池内理紗からパスが通った。中央の3枚に目が行っていた聖和のDFは完全に虚を衝かれ、誰一人寄せられず。余裕を持った鈴木は右足でボールを掬い上げ、聖和GK・菅原未紗の頭上を越えるループシュートを決めた。
大体大はその後も、中央にできる相手の守備ブロックを避けて、左右からチャンスを作る。18分にもカウンターから左右の揺さぶりを交えて、最後はバーを越えたものの、喜代原歩が1点目と同じようなループシュートを見せた。追加点は、36分。左サイドに流れた島村からパスを受けた尾原亜由香が、バックチャージをこらえて前進、そのままニアポスト隅へ強烈なシュートを決める。前半は大体大が2点のリードで折り返した。
前半40分間(1回戦は40分ハーフ)の戦いぶりで、マンマークディフェンスを諦めた聖和は、後半に入ると戸羽麻子の代わりに鈴木英里奈を投入。右から、鈴木英、中西、佐藤、村上奈奈と並ぶオーソドックスな4バックに戻す。そして守備のタスクから開放された小野を中盤に加えて反撃を開始する。
聖和の選手たちは、互いにポジションを変えながらスペースを作り、そこにまた誰かが入ってくる。ボールを持った選手がドリブルで2、3人を引き付け、またフォローに来た選手にショートパスを預ける。そして、ここから薄くなった逆側に大きなサイドチェンジ。局面局面によっては、一連のプレーを織り成す選手たちの顔ぶれは変わってくるのだが、そのコンビネーションに全くブレがない。
51分(後半11分)、ショートパスを右から中央へ、ラグビーのラインパスのようにつないでいって、最後は中央の小野が飛び込んだが、これは大体大GK・大野麻耶に阻まれる。さらに55分、またもや右からボールをつないで、最後は長い距離を走りぬいた村上がファーサイドに抜けたボールに追いつき、右足で豪快なシュートを決めた。これで1点差。ゲームは分からなくなった。
後ろに重心がかかっていた前半とは見違えるようにパスコースを増やした聖和は、その後も大体大のゴールを脅かす。60分にも右サイドを崩して3バックを引き付けて逆サイドで櫨が余り、その1分後にも小野が中央突破からシュートと、同点に追いつくチャンスは再三訪れた。しかし、その1点が遠い。結局、大体大がこのまま逃げ切って2回戦への切符を手にした。
大体大が、聖和の追撃を凌ぎきった
敗れた聖和は、システムに囚われない攻撃で大体大と五分に渡り合った。局面ごとにさっと数的優位を作りあげることができたのは、高い状況判断力が備わっている証拠だ。惜しむらくは、警戒心から大体大に合わせてしまった前半の戦いぶりだ。普通にサッカーをした後半は、ビハインドの状況があったにせよ、五分以上に戦えていたのだし、チームとしても悔しさが残る敗戦だろう。
勝った大体大は、聖和のマンマークディフェンスを、あっという間に攻略して、そのまま逃げ切った。早い時間帯にボランチの位置から勝負駆けを見せた鈴木綾の先制点が、イニシアチブを得る上で大きかった。また、その後も相手の待ち受ける中央ではなく、両サイドの裏へボールを集めることを徹底するなど、巧みな戦いぶりだった。2回戦で福岡J・アンクラスに敗れたが、年末年始の全日本大学女子サッカー選手権に向けて収穫もあったに違いない。
| (聖和学園高校) | (大阪体育大学) | |||||||
| GK: | 菅原未紗 | GK: | 大野麻耶 | |||||
| DF: | 中西真央、小野瞳、戸羽麻子(H.T/鈴木英里奈)、佐藤陽美 | DF: | 池内里紗、藤本加奈恵、鶴岡裕子 | |||||
| MF: | 斎藤友里、北上優、内田紗希、村上奈奈 | MF: | 喜代原歩、鈴木綾(78分/中山明日香)、伊達優子、尾原亜由香(63分/山内典子)、岡環実、白井杏奈 | |||||
| FW: | 山縣史子、櫨まどか | FW: | 島村裕子 | |||||
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