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 第28回全日本女子サッカー選手権大会 <前へ次へindexへ>
両足でラインを踏む。両手で芝にタッチする。それぞれの全国第一歩
日ノ本、手を緩めずに、初出場のF.C RE'VEから14得点。
第28回全日本女子サッカー選手権大会1回戦 F.C RE'VEvs.日ノ本学園高校

2005年12月10日(日)13:30キックオフ 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 天候:晴時々曇
試合結果/F.C RE'VE0−14日ノ本学園高校(前0−4、後0−10)
得点経過/[日ノ本]塩谷(7分、15分、44分)、井田(9分、78分)、田原(30分、49分、64分)、尾崎(47分)、虎尾(69分、79分)、小山(74分、77分)、木本(79分)


取材・文/西森彰

「全国大会の対戦相手が決まった瞬間、『えらいところを引き当ててしまった』と正直、そう思いました」

 F.C RE'VE(以下レーヴェ)の佐々木憲一監督は「その時点で『何とか全国での1点を目標』としていたんですけれども」と続けた。中国地域の第2代表として、全国大会に初めて歩を進めたレーヴェを待っていたのは、連続出場を続ける、関西第一代表の日ノ本学園高校だった。

 昨年は、宝塚バニーズレディースSC公式戦最後の対戦相手となり、1対1からのPK戦で勝利している。ディビジョン1のチームにも競り勝てる潜在能力。そして勝っても負けても試合終了まで全力を尽くす姿勢。その両方を兼ね備えている日ノ本に勝てる可能性は文字通り「万にひとつ」だろう。



 立ち上がりから、やや雰囲気に飲まれ気味だったレーヴェに、日ノ本の攻撃が襲い掛かる。試合開始直後にループシュートを放って、高いポジションを取ろうとするレーヴェのDFラインとGKをけん制すると、そこから相手コートへ押し込む。7分、丸本明奈からのロングボールを受けた塩谷真理が叩き込んだ先制点が合図になり、ゴールラッシュが始まった。

 9分に井田舞佳が、混戦からこぼれたボールを右足で決めて2点目。そして、14分には、木本朋美の左CKに塩谷が右足のボレーをあわせて3点目。DFラインを救うために、中盤の選手がフォローに戻ったレーヴェは、クリアしたボールを日ノ本に拾われる悪循環に陥ってしまう。それでも、その後は田原のぞみに奪われた1点に抑えて、どうにかハーフタイムまで漕ぎ着けた。

 しかし、後半開始早々、塩谷にハットトリック達成の5点目を奪われる。さらに尾崎永里子、田原のゴールから15分間は踏ん張ったが、69分、田原に今日2人目のハットトリックを許すとイレブンの心も折られてしまった。接触プレーでなかなか立ち上がれない選手があちらこちらから出始めたが、これはプロのチームでも良くあること。心身ともに衰弱するこの試合内容ではやむを得まい。

 ピッチ上だけでなく、スタンドの各所からベンチ入りできない部員までが声を出す日ノ本に対し、レーヴェで声を出しているのはキャプテンマークをつけたGKただひとり。途中交代で入った小山季絵の2得点目から、最後の得点者・虎尾のゴールまでの4点に要した時間は、公式記録上は3分間。レーヴェは、前半40分間の一割ほどの時間で同じだけの失点を喫してしまった。

 最終的なスコアは14対0。最後まで集中を切らさず、相手ゴールに迫った日ノ本が大勝で2回戦に進んだ。



試合前の円陣にスタンドの控え選手も参加、一丸の日ノ本
「選手たちは、今持っている力は出してくれたと思います。ここに来て凄く良い勉強をさせていただきました」

 レーヴェの佐々木監督は全国の舞台をそう振り返った。強豪チームと対戦することで、自分たちの力を知ることができる。そして、その差を詰める努力をして、また次にリトライして成長を計る。全国大会は、後進地域の代表にとって、全国の強豪からレッスンを受け、貴重な経験を積める場でもある。

 そう考えれば、勝っていようが、負けていようが、それこそ最後の笛が鳴り終わるまで全力を尽くす日ノ本との対戦で得るものは大きかったはずだ。初得点どころか、1本のシュートさえ打てなかった。33本のシュートを打たれ、14点を奪われた。それでも、中高生が主体になっているレーヴェの選手たちは、今後のサッカー人生の中で、この悔しさを糧にしていけば良い。

 今年、なでしこリーグで4位になった岡山湯郷Belleが、TASAKIペルーレFCと初めて練習試合をした時の失点も、この日のレーヴェと似たようなものだったと聞いている。レーヴェが、5年間で日ノ本と引き分けられるようなチームにまで化けるかどうか。未来は誰にも分からない。何しろ14点取られても下を向かずに声を出せるGK・伊藤有希がいるのだから。

「今回、まだ中学2年生なんですが彼女をキャプテンにしました。中国地区では中学生の年代でトップクラスのGKです。ナショナルトレセンにもまだ残っていますし、これから先、もっともっと努力していけば、まだまだ上のステージに上がっていける選手だと思っています」(佐々木監督・レーヴェ)


(日ノ本学園高校) (F.C RE'VE)
GK: 松本彩 GK: 伊藤有希
DF: 木本朋美、丸本明奈、楠元史、菊地由香里 DF: 宮崎文子、熊添有希、植原衣里子、宮崎純子(73分/藤井理絵)
MF: 井田舞佳、後藤あずさ(26分/虎尾美果)、今中悠莉、田原のぞみ MF: 田辺年美(55分/豊原由里子)、清家麻衣(61分/礒村志織)、西口佳絵、田村悠菜
FW: 小林真亜沙、(36分/尾崎永里子、66分/小山季絵) FW: 中村有子、義永和美
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