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| 第28回全日本女子サッカー選手権大会 | <前へ|次へ|indexへ> |
TASAKI好発進!清原、4ゴールで花を添える
開始直後に先制ゴールを決めたバニーズ・今枝(10)。
第28回全日本女子サッカー選手権大会 3回戦 TASAKIペルーレFCvs.バニーズ京都SC
2006年12月22日(金)13:30キックオフ 広島県営広島スタジアム 観衆:200人 天候:晴
試合結果/TASAKIペルーレFC6−1バニーズ京都SC(前3−1、3−0)
得点経過/[バニーズ]今枝(1分)、[TASAKI]鈴木(15分)、清原(29分、34分)、鈴木(44分)、清原(62分、79分)
取材・文/中倉一志
キックオフを告げるホイッスルが鳴ってから、40秒ほど経っていただろうか。いきなりTASAKIのゴールネットが揺れた。TASAKIの最終ラインにボールが渡ったときは何の変哲のないように見えたのだが、最終ラインとGK佐々木香織が連携ミス。そのプレーを見逃さずに今枝梢がゴールを奪った。「佐々木と磯ア、下小鶴が初めて組む試合。失点は仕方ないと思っていたが」と仲井監督は苦笑いで失点シーンを振り返る。誰も予想しなかったシーンで試合の幕が開いた。
バニーズはTASAKIのトップ下に位置する山本絵美、清原万里江にダブルボランチの佐野絵美と天満舞が、2トップの鈴木智子と大石沙弥香には道下愛子と上田早紀子がマンマークにつき、近藤朋香があまってこぼれたボールをカバーする。12分にTASAKIが繰り出した連続波状攻撃も全員が体を張って跳ね返した。「強い相手と戦うので、持っている力は出しやすかったと思う」(牛浜真監督・バニーズ)。加えて、開始直後の思わぬ先制点が、いい方向へモチベーションを高めているようだ。
しかし、TASAKIは慌てなかった。一方的にボールを支配すると、ボールを動かし、人も動いてゲームを進めていく。バニーズの粘り強い守備の前にゴールを奪えない時間を過ごしたが、それでも自分たちのサッカーを丁寧に続けていく。そして15分、中央から崩しにかかってバニーズの守備を引き寄せてから右へ展開。タイミング良くオーバーラップしてきた甲斐潤子のクロスボールに鈴木智子が頭から飛び込んで同点に追いついた。
TASAKI相手に必死の粘りをみせたバニーズ。しかし、TASAKIとの地力の差は埋め切れず
このゴールでバニーズの張り詰めていたものが切れたようだ。ギリギリのところで何とか粘っているものの、マークを振り切られ、右へ左へと振り回される。時間の経過とともに実力差が、そのまま試合に反映していく。そして29分、再び甲斐が右サイドを駆け上がって折り返すと、中央で待っていた清原万里江が左足で逆転ゴールをゲット。さらにその5分後には、全く同じ形から再び清原がゴールを奪ってバニーズを突き放す。
後半に入ってもTASAKIは攻撃の手を緩めない。44分(試合は80分)、鈴木が阪口夢穂とのパス交換から中央を突破して右足を振りぬいて4点目。62分には、右サイドの崩しから最後は清原がゴールネットを揺らしてハットトリックを達成する。そして、とどめの6点目が生まれたのは79分。左サイドから佐野弘子が攻撃参加してゴール前へボールを送ると、最後は、この日ゴールを量産した清原がヘディングシュートを決めて自身4ゴール目を記録してゲームを締めくくった。
トーナメントの初戦。しかも代表組がドーハから帰国して間もなくという日程。バニーズとの間に歴然とした力の差があったとはいえ、TASAKIにとって簡単な試合ではなかったはずだ。そんな試合で実力差を見せつけての勝利は、丁寧に自分たちのサッカーを続けたからこそ。得点差や実力差以上に、80分間にわたってTASAKIらしい真面目さや謙虚さが表れた試合は、この大会にかける選手たちの気持ちを表しているかのようだった。また、大学生ながらTASAKIに選手登録する清原の爆発振りもTASAKIにとって明るい材料になったはずだ。
3アシストを記録したTASAKI・甲斐(ピンク4)。
準々決勝の相手は、同じく広島スタジアムで行われた第1試合で勝ち名乗りを上げた伊賀FC。リーグ戦では2戦2勝の対戦成績を残している相手だ。「これから徐々にペースアップして・・・」と仲井監督に問いかけると、間髪入れずに答えが返ってきた「いやいや、国体でやられているんで。まず次に勝たないといけない」。中1日での試合はコンディション調整が難しくなるが、次の1戦に力を終結して戦う準備を整えているようだ。
「国体でもうちが支配できたんですけれども、その中でも自信を持って自分たちのやることをやること。今日くらいに、あれだけサイドが飛び出してくれて、自信を持ってやってくれたらなと思います。やられる時間もあると思うんですけれども、手堅く守るべきところは守って、いいゲームをしたいですね」。まずは目の前の1戦でリベンジを目指す。
さて、敗れたバニーズ。宝塚から京都への本拠地移転に伴い、主力メンバーのほとんどがチームから離れ、実質的には0からのスタートとも言えるシーズンとなった。そんな1年を牛浜監督は振り返る。「L1昇格が容易ではないということは分かったかなという気がしますし、選手たちのレベルが足りないんだということを認識してもらうことが一番だったんで、それは試合をすることでわかったと思う。この悔しさをどこまで持てるか、悔しさをばねにして日々努力していけるか、あとは気持ちの問題だと思います」。
若干19歳のTASAKI・清原(ピンク)。4ゴールで大物の片鱗を窺わせた
チームを成長させる特効薬やマジックなどは存在しない。コツコツと積み上げることでしかチームは成長しない。「まだできて1年目のチームですから、チームがまとまっていくには時間がかかるんじゃないでしょうか。TASAKIにしても、今までの積み重ねがあってのチームですから、焦って作るんじゃなくて、下部組織の選手たちが育ってくるというのも京都のチームにとっては必要なことじゃないかと。そういうものを含めて着実に歩んでいかなければいけないところがありますから、時間はある程度必要だと思います」。来シーズンの成長に期待したい。
| (TASAKIペルーレFC) | (バニーズ京都SC) | |||||||
| GK: | 佐々木香織 | GK: | 上野友紀子 | |||||
| DF: | 磯ア浩美(65分/河上恵実子) 下小鶴綾 佐野弘子 | DF: | 道下愛子 近藤朋香 上田早紀子 | |||||
| MF: | 甲斐潤子 新甫まどか 白鳥綾(61分/中岡麻衣子) 清原万里江 山本絵美(HT/阪口夢穂) | MF: | 矢田貝実希子 天満舞 佐野絵美(63分/渡辺樹里) 下村亜沙実(HT/清水千浪) 三浦香子 | |||||
| FW: | 鈴木智子 大石沙弥香 | FW: | 榎木園美加(73分/永吉麗奈) 今枝梢 | |||||
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